第64話 実験
「まあでも今日来たのは親父に言われたからではないぞ」
「あらそうなの?」
「そうだよ……ここの街広くなったよな」
「帰った来てから頑張ったからね」
「頑張っても普通はすぐに変わらないが……今日来たのは相談したかったからなんだ」
「相談って……私に?」
「俺は本気で君の旅に付いて行きたいと思っている。でも君にも色々考えが有るだろう……正直な意見が欲しい」
「性別の問題が有るのよね」
「男は嫌いとか?」
「違うわ。男女が長期間一緒に居るって言うのが問題になりそうでね。正直そう言うのは面倒なのよ」
「男女って、別に何かしようと思っている訳では」
「貴方はそうでも周りはどう思う?未婚の男女がって言う人は未だに居るから」
「そんな事を気にするとは思ってなかった」
「一応貴族ですから。それと妹とも一緒だから……正直女性同士の方が楽なことも有るのよ」
「そうか。残念だが現状難しそうだな……また何か有ったら声を掛けてくれ」
「鍛練頑張ってね。この前来てくれたお礼に何かできること有ったら言ってね」
レオは帰って行ったので私はサザンカの所に戻ったらサザンカは気持ち良さそうに寝ていた。
サザンカも魔法が使えると分かった事だし……何処に行こうかな?
サザンカの寝顔を見ながら色々考えていたらサザンカは目覚めた
「お姉様……私何時の間にここで寝てました?」
「少し前よ……それより体調はどう?」
「体調?悪くないですよ……私が魔法使えたのって夢ではないですよね?」
「そうね。水を出せたわ」
「お姉様……続き、魔法の練習の続きを……」
「駄目よ。私の魔力量でも初日は少ししか使えなかったわ。サザンカの魔力は今は減ってるのよ。緊急時ではない限り今魔法は使わない方が良いわ」
「残念」
「明日以降も毎日練習しないと魔力増えないからこれから嫌でも魔法は使うわ」
「いやにならないと思うけど」
その日はそのまま休みそれから1週間毎日同じ練習をした。
「サザンカ、魔力少し増えたね」
「少しと言うか初めての時の数倍使えてるけど」
「それは多分慣れも有ると思うよ」
「魔法に慣れてきたのかな」
「そうね。そろそろ次に行ってみようか」
「次?」
「火よ」
「火?私水属性……」
「だから属性なんて考えないで。私を信じて」
「わかった」
「手の近くで火が燃える感じで……そうね私が例を見せるから同じように火を出してみて」
「わかった」
私は掌の上に小さな火を出した
「こういう感じで……目の前で火が燃えてるのをイメージして」
「……火が燃えない……私には無理みたい」
「そう?でもそんな事ないよ……魔力は出てるわ。もう少し頑張ってみない?」
「やってみる」
数回試してみたら小さな火球が出来た
「サザンカ……おめでとう。これで火と水が出来たね」
「これで私も勇者?」
「そうね。二人目の勇者ね」
二人で笑った……それから毎日火と水の魔法の練習をした。
ある日魔法の練習をしているとレオが来た
「どうしたのレオ……顔色悪いけど」
「近くで子供が魔獣に食われて怪我をして……動かしていいかもわからない」
「どこで?」
「こっちだ。転移で医者に連れて行けるか?」
「まだ見てみないと何とも言えないわ」
現場に着いたが……酷い怪我だった。
「言葉は分かる?今から医者の所に連れて行くよ」
「いらない……。おかねない」
「お金は何とかするわ。……でも動かすのも危険ね」
「お姉様……魔法で……」
「魔法ね……ごめんね。少し実験みたいになるけど……傷を見せて」
そこから傷口の消毒、食われた部分の再生などをしてみた
「……お姉様、どこまで治すのですか?」
「え?」
「もう傷も食われた部分も再生してますよ」
「何か内臓も悪いみたいだったから」
「多分食事の問題ではないですか?」
「そうかもしれないわね。治療中に寝てしまったし聞けないわ」
「助かったんだよな?」
「そうね。もう大丈夫とは思うけど失った血や体力は回復するのに時間がかかるわ」
「彼は両親を失ったみたいで一人で食べ物を探しに来てたみたいなんだ」
「そうなの?……私が連れて帰るわ。とりあえず訂正を一つ……彼ではなく女の子よ」
「それは……勘違いしていた」
「これだけ痩せて声が少し低かったから性別なんて見た目では分からないわ。逆に言うとそこまで衰弱していたとも言えるわね」
「とりあえず助かってよかった……それと今日の事は誰にも言わないから」
「何の話?」
「魔法で治療するなんて初めて見た。今まで傷口焼いて止血したりは知ってるけど」
「そう……知らなかったわ」
「魔法で治せるなら医者の価値が……」
「魔法で治せるからって何でも魔法に頼るべきではないわ」
「それはそうだが……知った人達は君に治療を頼みに来るだろうな」
「それは困るわね。体は一つしかないし他の事が出来なくなりそう」
「だから誰にも話さないようにするよ」
「そう……なんかレオには色々助けられているわね」
「何か機会が有ったら返してもらうよ」
「でも怪我とかはしないようにね」
「心配してくれるんだ」
「当然よ。他国の王家の人間がここで怪我したなんて問題になりそうだし」
「お姉様言い方……」
今後の展開の参考にもなりますので評価、感想など頂けると助かります。
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