第58話 簡単
「確かに魔力も増えて一回で移動できますが、国の南北の端に領地なんて……」
「多分例がないだろうな」
「王様……楽しんでませんか?」
「楽しんでるぞ。何するか分からん奴が居るんだ、楽しまなくてどうする」
「そうではなく普通は国益とか……」
「貴殿と敵対しないのが一番の国益だろ」
「私の存在って……」
「これから重要になってくると思うぞ。多分な……で何をするんだ?」
「多分って……ここに城を作っても良いですか?」
「今からか?」
「はい」
「何日で出来るんだ?」
「今です……よ。まずは堀が完成……次は城壁で、城は小さいのでいいかな」
「……なあ、目の前のこの小さい城は……」
「今作りました」
「どうやって?」
「ポイントで」
「?」
「私の領地には私独自の持ってるポイントで任意の建物が作れるんです」
「なあ……真剣に国任せていいか?」
「何を言ってるんですか?私は田舎の領地だけでも恐ろしいのに」
「いやこの能力使ったら簡単に国が発展するだろ」
「そうですか?」
「今現に簡単に城をつくったのを見たぞ」
「そうですね。でも私の死後はどうします?」
「……そうか、技術が無いとそこで終わるのか」
「私はそう思います。だから技術者が育つまでと緊急時しか使う気は有りません」
「そうだな……少し興奮したようだ」
「私の魔法で喜んでもらえて嬉しいですわ」
「……敵が国境を突破してきたな」
「城が出来て驚いたのでしょうか?とりあえず中に入りますね」
「儂らも行く、皆この城で応戦するぞ」
とりあえず中に入った。中央国軍は堀の近くで待機している……
「私が少し話してきますね」
「任せた」
城の上に立ち魔法で声を大きくして言った
「不当に平屋を占拠し、現在北帝国に侵入した兵たちに告ぐ、今すぐ撤退し平屋を開放せよ」
向こうから誰かが前に出て来た
「私は中央王国のペスティサイド伯爵である。貴国には我が国の貴重な貴族である平屋の領主暗殺の容疑がかかっている。賠償金を払うか……」
「そのような事実はない」
「と言うか子供が前に出てきて貴族相手に失礼だとは思わないのか?」
「私は北帝国のツバキ子爵と申します」
「子供が子爵か……人が居ないのか?馬鹿にしてるのか……」
「貴方は私の顔に見覚えは無いのですか?」
「無いな。有る訳がない」
「それは良かった。では失礼して 貴方を人質にしてこの話を終わらせたいと思う」
転移して伯爵の後ろから首の横にナイフを出した
「このような失礼な事を貴国はするのか……分かった撤退するから命は助けてくれないか」
「別に殺す気はないし失礼なのは申し訳ない。貴族としての教育を受けさせてもらえなかったからね」
「教育……だからこのような卑怯な真似を……」
「貴殿以外に対してはこんな真似しないよ」
「何故俺にはするのか?」
「娘の事が聞きたくてね」
「バーストか?」
「違う……もう一人居なかった?」
「もう居ない。死んだ」
「そう。死んだの……何で?」
「あいつの我儘で魔物に食われた」
「そう……。では聞きたいのだけど、いつ亡くなったの?体形は?」
「死んだ日は……忘れた。体形は貴族なのに細かったと思う」
「自分の子なのに適当ね。その子本当に死んだの?」
「近くで魔物に食われたんだ……間違いなく死んでる」
「そう。とりあえずあなたの国の偉い方と話したいわ。誰か呼んで貰える?連絡の魔法を使える人位いるでしょ」
「何をする気だ?」
「秘密よ」
中央王国の国王と連絡が付き3日後に平屋で両国王を含め全員で会う事となり、それまでの間ペスティサイド伯爵はこちら側の捕虜として預かる事となった。
そして当日少し早い時間に、平屋の街の近くに転移した。
急に多数の兵隊が目の前に現れたので中央国軍は驚いていた。
私は皆の前に出て言った
「こちらに攻撃の意思は有りません。約束の時間より少し早そうなのでここで休憩しますね」
その時中央王国側も気が付いてくれた為少し早いが話し合いが始まる事となった。
挨拶を終え、こちらからの発言の許可を取って話した
「今回の件ですが、元凶はペスティサイド伯爵だと思われます」
「その根拠は?」
「今回の我が国での男爵襲撃ですが、実は未遂に終わっています。男爵本人も本日参加されておりますし、しかも襲撃者の所持した武器には中央王国軍の物が多数含まれていました」
「そうか……でもその武器はどこかで奪われたものと言う可能性は?」
「当然ありますが、不思議では有りませんか?なぜ男爵が我が国で襲撃されたのをペスティサイド伯爵がご存知だったのかを……」
「それは……後で本人に聞くとして、それだけか?」
「実は私の本題はこれからで、もし男爵襲撃が勇者の血の根絶を狙ったものだとしたら?」
「それは話を大きくし過ぎていないか?」
「そうでしょうか?では男爵の唯一の娘であるサクラはペスティサイド伯爵と結婚し若くで亡くなりました……そしてその子供も。これは偶然でしょうか?」
「それは……」
「そして……私の魔法を見せますね」
右手に炎、左手に水を出した
「複数の魔法を使える者を何と呼ぶのでしたか?」
今後の展開の参考にもなりますので評価、感想など頂けると助かります。
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