第55話 危険
「戦争ですか……」
「そうだ。貴殿の嫌いな」
「嫌ですが……この機会にあの人に育てて頂いたお礼をするのもいいかと少し思っております」
「ツバキ……一応あれでも実の親だ、そんな相手に武器を向けられるのか?」
「先に殺そうとして来たのは向こうですよ。それに母に対しての礼も有りますし。別にこちらは命を奪おうとは思いません。貴族の地位だけ奪えれば十分です」
「気持ちは分からなくもないが……そんな簡単な話では無いと思うが」
「向こうから攻めてこない以上は何もしませんよ。でも平屋の解放はしてもらわないと」
「ツバキ……儂らはここで一緒に暮らしても良いと思っている。領民にさえ手を出さないのならな」
「あの人達が良いことするとは思えませんが」
「それは……そうだが」
その時、何か魔力を感じた
「今何か魔法?のような」
「気付いたのか……今連絡が入ったのだが、国境は封鎖され国境付近に軍が集結しているみたいだ。多分すぐには攻撃してこないと思うが」
「私も行きます!」
と言ったとき少し離れた所から声が聞こえた
「……盗み聞きする気はなかったんだけど、食事に来たら王様が居られて驚いて隠れてしまったよ」
「誰か居るのは分かっていたけどレオだったの?気配が子供位にしか感じなかったわ」
「気配消せないと狩りは難しいからな……俺からすると感知されてた方が驚きだよ」
「……レオ?レオニダス王子?」
「ご無沙汰しております。今修行でこちらにお世話になって居たのですが、なんか不穏な話が聞こえて。私の祖国にも無関係ではいられなさそうなんで良かったら協力できるか実家に聞きましょうか?」
「そうしてもらえると助かる。馬を貸すので急いで戻って貰えるか?」
「わかりました」
「……少し待ってもらっても良いですか?」
「何か有るのか?」
「西山口よね?東尾路から行くの?」
「そうだね国境を超えるには」
「今から皆で行く?」
「何を言ってるんだ?」
「まあ任せて。この辺りに居る人だけでいいかな?」
「そうだが・・・・・何をするんだ?」
「ツバキ……魔法を使うのか?」
「そうよ。転移魔法で東尾路に行くね」
「「転移魔法?!」」
一瞬で皆が東尾路に着いた。
東尾路に居た人も一緒に転移した人も皆驚いて何も言わないがお爺様達だけ楽しそうだ。
「これがツバキの転移魔法か……いつも見ていて便利だなと思っていたが実際体験すると凄いな」
「私も最初はそう思いました」
「でももう隠さなくていいのか?」
「今戦争しそうなので、私が戦力になるって所見せないと……子供が出て来るなってまた言われるのも嫌ですし」
「でも戦争は嫌いなんだろ?」
「そうだけど、私が出た方が死傷者減らせると思うの」
「そうかもしれないが……耐えられるのか?」
「それが最善だったと思うしかないかな」
「皆さま……レオに馬を貸して国に戻って貰うんですよね?」
「……ここまで来れたのなら国境に説明して早く通してもらおうか」
「そんなことできるのですか?」
「一応国王だからな……転移は出来ないが」
その後皆で国境付近まで行きレオは国に戻った。
「ツバキに少し聞きたいのだが、王城にも転移できるのか?」
「……できます」
「そうか……そうだよな」
「でも許可なしに建物内に行ったりはしませんよ」
「……ということはペスティサイド伯爵の所にも行けるのか?」
「実家は離れの中しか記憶に無いのです。だから敷地内には行けると思いますが……」
「そうか。まあ貴殿に暗殺を頼むことは無いので安心してくれ。とりあえず一旦王城に戻りたいがこのまま行けるのか」
「はい。魔力はまだほとんど減ってないので行けますよ」
「では頼めるか」
「はい行きますね」
王城の前に転移した。
「なんだ……城の中にでは無いのだな」
「いきなり中に転移したら大変な事になるかと」
「それもそうだな。ツバキ子爵に王城内に一部屋自由に転移できる部屋を作る。連絡したらそこに来てくれないか?」
「分かりました。行った事ある場所にしか転移できませんので一度見せて貰えますか?それと連絡はどうやって?」
「連絡専用の魔法を使える女性を一人預ける。連絡したら来て欲しい。部屋は案内する」
王城内に転移する場所も確認できたし連絡魔法の使える担当者も来た。
「連絡魔法の担当に選ばれたアベリアですよろしくお願いいたします」
「私はツバキです。宜しくお願いしますアベリアさん」
「私に敬語は不要ですツバキ子爵。準備も終わってますのでいつでも出れます」
「もう準備は大丈夫なの?」
「軍の人間なので荷物は多くありません」
「なら今から行っても大丈夫?」
「大丈夫です」
「では行くね」
転移を使って一瞬で拠点に戻った
「これが転移魔法……凄い」
「なんか新鮮な反応してもらえると嬉しいわ」
「失礼いたしました」
「いいのよ。嬉しかったし、敬語も出来たらやめて欲しいな」
「分かりました……努力します」
「難しそうね」
「そうですね。軍に入った時貴族相手には必ず敬語を使う事と言われ続けてきましたので」
「無理しなくても良いわ。変な癖ついても大変だろうし」
「ありがとうございます」
「それと聞きたいのだけど、連絡の魔法ってどうやって使うの?」
「そうですね……心の中で相手に話しかける感じです」
「私相手にできる?」
(「これはかなり特殊な魔法なので国内でも使える人数は少ない魔法です。多分難しいかと思います」)
(「特殊だったのね。一応聞こえたけど私のは聞こえてるかな?」)
「ツバキ様、聞こえました……凄いですね。普通は聞こえても返事は難しいのですが」
「そう?教え方が良かったのかな?」
今後の展開の参考にもなりますので評価、感想など頂けると助かります。
ここまで読んでいただきありがとうございます。




