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妹は好きだったけど、現世の家族は嫌いなので家を捨てて……冒険者になります!  作者: 神戸近区


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第50話 代償

 見た目も恐竜っぽいし寒さに弱いかな?

傷口も冷凍すると保存できそう(?)だし、左手と一緒に凍ってしまえ……

私の今出せる最大の出力で魔法を使った。


「なんか寒い……」

「地面が凍ってるわ」

皆が騒いでる……あれ?味方にまで効いてる?!

でも敵も凍って動かないしもういいかな……疲れた。

「ツバキ様!ご無事で?」

「生きてはいるわ」


「その、非常に聞きにくいのですが……左手は?」

「魔獣の餌にしたわ」


「申し訳ありま……」

「謝らないで!あのまま全滅するより良いと私が判断したのよ。皆の命を国から預かってるの。みんなは無事?」


「ツバキ様以外は無傷です」

「ほら、私の左手一つで助かったのだからね……」


「しかしこれは何をされたのですか?」

「あ……そうね、魔法よ。出来たら秘密にしてほしいな」


「魔法?!魔法ってあの暖炉に火を付けたり少量の水を出したりする?」

「そうよ。私の魔法は少し他の人より出力が大きいみたい」


「少し……私の知っている少しとは違う気がします。それより左腕から凍ってますが……」

「この一緒に凍ってる魔獣が少し邪魔ね。収納」


「き、消えた?!」

「魔法で収納したのよ」


「複数属性!ゆ、勇者様?!!」

「あ……またこれ?違うとも言いにくいのだけれど、勇者ではないみたい」


「そうなのですか?」

「正直私にもよく分からないわ」


「そうですか……その、手は大丈夫ですか?」

「……今は凍ってるからか痛みは無いわ、でも私の肉が食べられるとは」


「ここに包帯が有ります。手当しますね」

「ありがとう」

 

 その後魔獣の消えたダンジョンは移動が楽で二日で地上へと戻って来た。

「全員無事で作戦成功ね」

「いや無事では……」


「いいのよ。私が自分で判断したのだから」

「分かりました」

無事に帰って来たのに皆の反応は悪かった。


 その後街に戻ったのだが……

「お姉様、ご無事で良か……って無事じゃない?どういう事?!」

「ツバキ様に何か有ったのか?」

「サザンカ、アナベル落ち着いて。これには色々有るのよ」


「色々って……護衛まで居るのに」

「貴族の女性に怪我とは……」

「二人とも待って!これは私が自ら魔獣に食わせたのよ」


「何でよお姉様?!」

「私だってお肉を食べるのよ……魔獣だってお肉食べたいでしょ。油少な目で美味しくないかもだけど」


「お姉様笑えないわ」

「詳しくは後でね」


 その後解散し私達は拠点で話し合った

「お姉様、その左手は……」

「食べられた?食べさせた?」

「どういう事だ?」


「食べさせた?」

「私でもね、勝てそうにないほどの魔力を持った敵で皮膚は私の剣でも傷も付けられなかったの。だから私の場合魔法の方が自信有るから魔法で攻撃しようと思ったの。で、攻撃するとしても出来るだけ近距離が良いと思って手を差し出したの」

「いや、差し出したのって……」


「ダンジョン内は魔法が進むのが遅く威力が落ちるの。だから一番効果が有るのは0距離……口の中かなとね」

「……そうか。でも失敗するとは考えなかったのか?」


「というよりこれが最良かなって思ったの……サザンカ悲しまないで」

「でも私が……魔法を使えたら」


「そうね……サザンカが魔法を使えても威力は私が上よ。それに私が自分でこれしかないって判断したのよ。皆で生きて帰りたかったから」

「そう、生きて帰って来てくれてありがとう。お姉様」

「そうだな……正直ツバキ様より魔力が強いって想像できない」


「サザンカ泣かないで……でもそう言ってもらえて嬉しいわ、ありがとう。私より魔力強いのってそう言えば初めて会うかも……管理人さんを除けばね」

「管理人さん……そう言えば前にも言っていたな」

「か、管理人さん……」


「サザンカは前に会ったとき無言だったわね。……そうだ、ボス倒したあとダンジョンに何も居なかったけどあれ放置してていいのかな?」

「管理人さんの前で普通に話せるお姉様が異常なのよ……」

「そうだな。現状定期的に確認するしかないか」


「確認するって……分かったわ。少しの間この手では狩りも難しそうだし私が行くわ」

「お姉様は当分の間外出禁止です!」

「悪いがサザンカ殿の意見に賛成だ」


「でも確認ってどうするのよ?……それに一応私ってここの領主だよね?外出禁止って……」

「だめです。無事に帰って来なかったお姉様が悪いのです」

「確認についてはな……これはまだ確定事項では無いのだが、ツバキ様が今回連れて行った兵士のほとんどがな、この地での勤務を希望しているんだ」


「なんで?」

「委細を確認したわけではないが、命を助けられた、貴族としての責任感が強いとか……」


「私、貴族っぽくないと自分では思ってるけど……」

「多分、兵を置いて逃げなかった、自分を犠牲にしたって部分ではないか?」


「それは勝つためであり、借りて来た兵士に傷付けても責任取れないからで……」

「普通はツバキ様を護る為の兵だ、だから今回のツバキ様の行動はある意味間違ってるともいえる。で、兵士たちもその護りきれなかった責任を果たしたいのだろう」


「みんないい意味で馬鹿ね。私一人の為に……これから強い敵が来ても皆を守れるように私強くなるわ」

「いや、意味わかってないよね?……でも個人的にはそういうツバキ様が好きだけど」

「……あの、私の前で告白とか……まあでもお姉様って鈍感だからそれ位がいいのかな?」


「ちょっとまって、好きって性格の話よね?恋愛的な意味ではなくって」

「まあどちらも間違ってはいないが」

「あら?お姉様……どうします?」


「……そうね、私はまだ恋とか分からないの……この手で冒険者出来るか分からないし」

「いやあのな、貴族を続けたら良いのでは?」

今後の展開の参考にもなりますので評価、感想など頂けると助かります。

ここまで読んでいただきありがとうございます。


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