第43話 生産施設
その日は特に困っていることはないらしいので解散し、サザンカにも近くに人がいる事を伝えておいた。
「サザンカ、この街作ってるの見られたら、何て言われるのかな?」
「まあ多分見てもすぐには信じられないと思うよ」
「でもこの世界には転移とか便利な魔法も有るし……」
「あれだけ魔法使える人ってお姉様以外いないよ」
「でも私からしたら、私が使えるのだし他の人も……って思ってしまうのよ」
「大丈夫!お姉様は普通じゃないから」
「それって大丈夫なの?」
「お姉様が私のお姉様でなければ怖いかも」
「そう……私は普通に生きたいのだけどね」
「多分無理かと」
「……今近くに気配を感じないわ。建物作るなら今ね」
「何作るの?家?店?」
「お店作っても店員が居ないのよね……」
「アナベルさんが見付けて来てくれないかな?」
「そうね。自宅兼店舗的な物を数件作りましょうか」
「私達のお店を作りたいな」
「サザンカはどんな店が良いの?」
「私は……お姉様と一緒なら何屋でも」
「じゃあ武器屋とか?」
「お姉様……」
「何よ?」
「お姉様ってそう言えば宝石とかドレスって……」
「ドレスでは戦いにくいからね」
「戦いから離れません?」
「でも私って冒険者しか知らないし……着飾ってもね」
「お姉様……私はどうしたら……」
「余裕が出来たら覚えるわ。今は生きるために最低限の……ここに書いてある文字読める?」
「お姉様?何処に文字が?」
「私にしか見えないのか……ここら辺にね”希望した店を作ったら材料を渡すと商品を作ってくれるよ”って」
「え?」
「例えばここに製材所を作って……近くの木を切って来てここに置くと……数分後に薪になる」
「なんでわかるの?」
「ここに出てる時間も見えないのか。説明しにくいけど近くに時間表示されてるんだよ」
「お姉様……少し怖い」
「私も不気味よ……ほら薪が出来上がった。板にもできるみたい。材料は枝でもいいらしい」
「どうやって枝から板が出来るの?」
「多分考えたら駄目なやつよ。製鉄と鍛冶屋を作ったら武器とかも作れるね……材料は鉄鉱石に石炭か木ね」
「お姉様……武器より農耕具を作りませんか?武器の生産は落ち着いてからでも」
「冗談よ、でも武器も作れるみたい。今武器作って戦争準備してると勘違いされたら困るから」
「驚かせないで……まあでも確かに冒険者としては武器は必要なのは同意です」
「これで楽に……って事は、ここに食事ができる店を作って……魔獣の肉と燃料の薪と野菜を渡すと……ご飯が出来た」
「地味に便利」
「家具と寝具の工場も作ろうか」
「でも誰か来たらどうするの?」
「これ説明できないわね」
「とりあえず誰か来たら解体しましょう」
「勿体ないけどね」
「そうですね」
誰も来ないで欲しいと少し思ったが、翌日アナベルが数人連れてきた
「なんか見てない間に建物増えた?」
「そうね……人が来たから何個かは壊すけど増えたわ」
「意味が分からないのだが……」
「あとで説明するわ。7人ね……全員移住希望?」
「そうだ。男3名女4名の計7名。各自希望する建物を選ばせていいか?」
「任せるわ。ありがとう」
その日のうちに皆の住む場所が決まった。
「アナベルありがとう」
「まあ今回は少なかったがこれから増やすよ」
「ここは何もない街だし大変では?」
「そうでもない。肩身が狭い思いしてる人は意外と多い。半年無料で住めるならとりあえず住んでみたいが、本当に半年無料で住めるのか疑ってる人も居る。もう少し移住者が増えたら解決すると思う」
「でも他の領地の人間を呼んでも良いの?」
「当然許可は取っている。まあ今回は実家の領内からだから簡単だったが」
「そう。良かったわ」
「それより何で一部建物を壊すんだ?」
「あれね……材料用意したら作ってくれるのよ」
「はい?」
「原材料を用意したら色々作ってくれるの。製材所なら木を持っていくと板とか薪とか」
「……そんな事できるのか?」
「出来たのよ。原理は分からないわ」
「俺にもわからん。と言うか言われても信じられない……」
「実際に見てみる?」
「やめておくよ。ツバキ様を信じてないわけではないし」
「そう。でも壊すのももったいない気がするわね」
「確かにな……でも他人に見られたら説明できないし」
「そうね。壊して……一部機能だけをこの拠点の地下にでも移しましょうか」
「そうか地下室にか」
「関係者以外立ち入り禁止にしたら大丈夫かな」
「ここ自体領主の家みたいな物だ。普通は近付かない」
翌日、建物の解体をしたら一部ポイントが返って来た。出来るだけ誰にも見られないように気を付けて壊して回ったらもう夕方だった。
お昼も食べてなかったので帰ったら何食べようか考えながら歩いているといい匂いが……。
「こんばんは、いい匂いしてるね」
「りょ、領主様?!ここで食堂を作りたくて……メニューを考えてました」
「食事できるところが出来たら助かるわ」
「貴族様が食べる所では……」
「あら駄目なの?」
「そんな高級な料理とか知りませんし」
「私一応領主だけれど冒険者だから。そんなに気を使わなくていいのよ」
「そうなのですか?……ではこれ味見されます?」
「いいの?でも対価は払うわ。原価だってかかってるでしょ」
「そんな……まだ店も出来てませんし」
「ではこの前捕まえたこの肉と交換では?」
「いいのですか?」
「いいのよ。それより私今空腹で……」
「どうぞ食べてください」
「これはおいしいわ。店出来たら教えてね。食べに来るからね」
今後の展開の参考にもなりますので評価、感想など頂けると助かります。
ここまで読んでいただきありがとうございます。




