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妹は好きだったけど、現世の家族は嫌いなので家を捨てて……冒険者になります!  作者: 神戸近区


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第36話 嫌い?

「まあ冗談はここまでとして、戻ってからどうしようか?」

「え?冗談なんですかお姉様……」

「分かりにくくて笑えない冗談はやめろ」


「サザンカ……考えても無駄よ。まだ数日の猶予が有るわ。勉強しましょうね」

「そうだな。微力だが俺も手伝う」


「アナベル頼りな部分が多いからお願いね……本当は貴族なんて嫌なのだけどね」

「聞いた話貴族は嫌いらしいな」


「嫌いに決まってるわ。権利って義務を伴うでしょ?私は自由に動き回りたいのに」

「義務?」


「納税してもらうのだからその方達の為に働くののは当然でしょ?」

「当然か……そうだな。だが何人がそう考えるか」


「皆がそうだからって私も考えないと言うのは嫌。私我儘なの」

「どこが我儘なんだ?」


「何でも出来る事はしてみたいの。失敗を恐れて動けないのは嫌だから」

「まあそうだが失敗ありきなのか?」


「失敗しない人が居る?」

「貴族は失敗を隠す人が多い」


「まあそう言う人も居るでしょうが失敗から学ばないのは勿体ないよね。悪い前例として有効活用しないと」

「本当に君は変わってるな」


「冒険者だってそうだと思わない?命懸けの仕事をして対価を得ている。貴族だって対価を貰う以上真剣に働かないとね」

「確かにお前は1冒険者として終わるには惜しい人だな……これから真剣に貴族として生きてみないか?……俺で良かったらいつまでも近くで手伝うが」


「何それ……私と結婚でもする気なの?」

「そう思われても良い」


「え?冗談よね??私なんて少し強い冒険者ってだけで他に魅力なんて……見た目も未成年だし……」

「見た目とかどうでもいい。お前……ツバキの変わった所……俺の価値観を壊してくれる所に惚れた。返事は今すぐには要らない。考えてくれたら嬉しい」


「ごめんね。今答えるわ……私は結婚とか考えられないの。実の親と色々有ってね……」

「いやこちらこそすまない。今まで偉そうな事言ってたのに急に態度変えられても困るよな」


「いやそれは少し思ったけど別に良いのよ。人それぞれ考え方、価値観って有る訳だし。否定はしないし出来ない。でもね、私が……他人が怖いのよ」

「……あの……いい雰囲気?の所申し訳ないのですが……私は何を見せられてるのですか?そう言うのは二人の時に……」


「ごめんサザンカ。サザンカはどうなの?結婚って」

「お姉様がしたら考える」


「一生出来ないかもよ」

「それでもいい。お姉様と一緒に居れたらいい」


「そう、ありがとうサザンカ。……ということで……ごめんねアナベル。気を使うなら他の人と変わってもらう?」

「何故?俺は離れる気はないぞ。こんな面白い人の事を特等席で見れるんだ……手放す訳ない」


「私は珍獣か?」

「異色では有るな」


「……変に魔法使った私の責任ね。そうだ、実は他の魔法も使えるのよ」

「あの時魔法を使ってくれなかったら俺達はって……何て言った他にも使える?!」


「使えるわ。転移とか収納とか風とか土とかかな」

「複数と言うか全属性?……勇者様?!」


「属性ね……属性って何?」

「何って……火とか水とか……」


「誰が決めたの?」

「神様とか?」


「分からないよね。属性なんて知らない時から魔法使ったら色々使えただけ」

「そんな簡単な訳ない……のか?俺まで分からなくなってきた」


「難しく考えない。属性なんて知らない。だから属性に縛られないかもよ」

「もう少し休ませてくれ……頭が追い付かない。やはり非常識だ」


「でも否定しなくなったね」

「目の前で理不尽のものを見たからな。今まで学んできたものは何だったのか?」


「新しい事を知れてよかったね。私ね”無い”って答えるのは本来難しいと思うのよ」

「何故?」


「すべての事を知らないと無いって答えられないでしょ。知らないなら正解かもしれないけど」

「そういうことか。確かに決めつけてる事が多いかもな」


「だからね、貴族になったりすると適当な事言えないじゃない?」

「それは貴族だけでは無いと思うが」


「そうね。だからまあ責任が怖いのよ。冒険者なら最悪逃げられるけど」

「逃げるのか?」


「子供の時生きるために逃げたわ……だけど今は極力逃げずに頑張ろうと思うのよ?」

「不安になって来た……子供の時は何が有ったか知らないが仕方ないことも有るだろう」


「私が貴族にか……成れるかな?」

「いやもう決まってるではないか」


「そうではなく職務としてこなせるかよ」

「まあ今まで見て来た貴族より1番貴族っぽくはないが、貴族として成功してほしいと思ってる」


「ありがとう」

「もうすぐ着きそうだが……何処に住むんだ?」


「そう言えば……何も考えてない」

「俺はとりあえず実家に戻れるが……一緒に来るか?」


「とりあえずアベリアさんの所に滞在するわ」

「……そうか」


「何で残念そうなの?」

「お姉様本気で言ってます?実家のご家族に紹介したいって事ですよ……そこで既成……を」

「そこまで考えてない!」


「までって何?ちょっとこの人怖いかも」

「強引な事をする気はないぞ」

「私はお姉様には少し強引な方が似合うかと。お姉様って恋愛に関しては消極的だから。興味あるのに」


「サザンカ話がややこしくなる……とりあえずアベリアさんの所に滞在する。以上決定」

「わかった」

「残念……」


「サザンカ……私が行くならあなたも行くのよ?貴族の家でも平気?」

「アベリアさんが良いです」





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