第32話 子鹿の街
あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします
にろで一泊した後、修行の街で一泊、その後数日で子鹿に着いた。
ここの地名の由来は昔この辺りに子鹿が多数居たと言う事らしい……。
この辺りが子鹿だと聞いているが……見渡す限り田畑と数軒の家だけ。
目的地であるセアノサスの家の場所を聞く為近くの人に声を掛けてみた。
「少し聞きたいのだけど、セアノサスさんの家ってどこかな?」
「最近仕事に出て行って居ないが……何の用だ?」
「ライラックとエルドラドの様子を見てきてとセアノサスさんに言われたのよ」
「その二人ならそこで働いてる二人だ。元気にしてるよ」
「それは良かった。セアノサスさんが心配してたから」
「お前たちはどこから来たんだ?」
「私達は出身は中央王国だけどセアノサスさんとは有間で会ったの」
「そうか確かに有間方面で仕事が有ると言っていたな。しかし遠くから来たのだな……まだ小さいのに」
「一応成人してます」
「成人って……私の年齢の3分の1位じゃないか。まだまだ若い」
「若い間に色々見て回りたくて冒険者始めたから」
「そうか……今日泊る所は有るのか?この辺りは宿みたいなのはないぞ」
「どこか適当に邪魔にならない所で寝るわ」
「うちに泊まれ。セアノサスの知り合いなんだろ?」
「でも迷惑では?」
「子供が気にするな……というかこの辺りの夜は寒い。外で眠るのは危険だからな」
「良いのですか?ではお世話になります」
「今日だけと言わず何日か滞在すると良い。ラクやエドの様子も気になるだろうし」
「ラク?ライラックの事?」
「そうだ。エルはエルドラドな」
「そうだこの辺りに猪とか居る?」
「居るが近付くなよ。あいつら思ってるより凶暴だからな。初心者には難しいぞ」
「大丈夫よ。もう何頭か捕まえてる。こう見えて私は8級冒険者なのよ」
「その若さで8級か。確かに腕が良いのだろうが……猪相手はな……」
その時偶然近くの人が騒ぎ出した。近くに猪が出たらしい。
「ちょうど向こうから来たみたいなので狩ってくるね」
「近くに猟師……が今居ないか。本当に大丈夫か?」
「任せて」
「怪我するなよ」
私達は現場に向かった。近くの住民は建物の中に避難している。
「サザンカこの方向なら建物も無いし弓で攻撃するわ」
「では私はお姉様を守ります」
「ここまで来ない事を祈るわ。攻撃開始するね」
私は弓で攻撃……当然矢に魔法で誘導、威力も上げてある……命中。一撃で終わった。
「倒せたみたいね」
「流石お姉様」
近所の人達も出てきて皆に感謝され、何故か解体も手伝ってくれたので皆で肉を分けた。
「倒してくれたから解体手伝ったのに……肉貰っていいのか?」
「私達も肉が欲しかったから……それに解体の仕方も色々教えて貰ったし」
私達は肉と毛皮を持って戻った。
「ねえこの肉と毛皮を対価に泊めてて貰っていい?」
「対価なんて要らない……はっきり言うがこの辺りは寒い。何か有った時に協力しないと死ぬ。だから皆で生きる為お互いに助けるのは当然なんだ。それは誰だって例外はない。私も今まで他の人に沢山助けて貰ってきた」
「そう……ここはあたたかいのね。私は親に見捨てられ死にそうになった。だから無償って信用できないってまでは言わないけど少し怖いのよ。物と物の交換の方が安心できるのよね。だからこれは自己満足。受けっとって欲しいな」
「見た目と違って難しい事を言うな……。まあ満足するなら受け取ろう。ありがとう」
「ごめんね我儘言って」
「こういうのは我儘なのかな?大人に騙されないか不安だよ」
「人を騙すよりはだまされる位の方がいいわ」
「……本当に子供か?狩りの腕もいいし」
「まだまだ知らない事が多いけど年齢は成人してるよ」
「そうか……とりあえず今日は猪退治ありがとう。ゆっくり休んで。風呂も入るか?」
「ここって風呂有るの?!」
「この辺りは温泉も有るし、土地も広くて水も多い。ほとんどの家に風呂は有るぞ」
「良いな……旅が終わったらこの辺りに引っ越してくるのもいいかも」
「そう言わずに今すぐにでも住めばいい。有能な若いのが増えると何かと助かる」
「考えておくわ」
その日は風呂に入りゆっくりと休んだ。翌日ラクとエルの所に苺を持って行った
「こんにちは。セアノサスさんの知り合いのツバキとサザンカよ。セアノサスさんが二人の様子を気にしていたので見に来たの」
「こんにちは。こちらが兄のエルドラドと妹の私ライラックよ。兄はあまり話さないから私が話を聞くわ
」
「よろしくライラック」
「ラクでいいわ」
「ではラク……これ二人にお土産。苺よ良かったら食べて」
「ありがとう……ってこれにろの苺?!高級品じゃない……お父さんに何か有ったの?」
「大丈夫よ、お父さんは元気だよ。ただ二人を置いて長期間離れてるから心配してるみたい。私達も今旅の途中で偶然こちらに来たから様子見て報告しようかと」
「ツバキは私より若そうだけどお父さんと一緒に仕事したの?」
「そうよ有間温泉で魔獣が出てね。偶然一緒に働いたの」
「魔獣?!よく無事だったね」
「そこに居た冒険者の皆さん強かったから」
今後の展開の参考にもなりますので評価、感想など頂けると助かります。
ここまで読んでいただきありがとうございます。




