第31話 東尾路
丘場を出発し細い道を進んでいく……。この辺りは人も少ないのか、動物の気配が多い。
「サザンカこの辺り動物が多いわ。一応こちらに敵意が有りそうなのは来てないけどサザンカも気を付けて」
「近くに居るの?」
「何か分からないのが多数いる。私達の足音で逃げて行くのが殆どだけど……」
「どんなのが居るか気になる」
「多分歩いてたら近くを通るわ」
「美味しいお肉は取れるかな?」
「気になるって……食べる事なの?」
「食事は重要だと思うの!」
「まあ否定はしないわ。食事が美味しいのは重要ね……でも処理したりも大変だし」
「美味しく食べる為なら頑張る」
「そうね。……私達が食事にならないように気を付けないと。何か複数の大きい生き物が近付いて来た」
「どこ?」
「右前方……もうすぐ見えそう」
「見えた。鹿ね」
「この辺りの鹿は大きいから気を付けないと危ないし、肉食ではないから通り過ぎるまで待ちましょうか」
「ねえお姉様、何で走ってこちらに来てるのかな?」
「後ろに何か見えない?」
「熊だ!」
「近いね……危険だから魔法使うわ。この岩をあの熊の頭の上に……で、落下」
近くにあった岩を熊の上に飛ばし落下させて命中した。
「倒せたけど……毛皮が少し無駄になったね」
「まあ危険だったし仕方ないよ。ありがとうお姉様」
「何が?」
「お姉様が警戒してなければ危なかった」
「それは当然よ。魔法が使えるだから安全優先よ」
「で、この熊どうするの?魔法で収納する?」
「ずっと警戒してるから少し疲れたわ。ここら辺で少し休みながらこの熊の解体しましょうか?」
「了解、頑張る」
解体後の処理も終わったので、軽く食事をしてから再度歩き出した
「今日は早めに休みましょうか。気温も寒くなって来たし」
「この辺り少し寒いね」
少し移動したら丁度いい斜面が有ったのでそこに魔法で部屋を作り中に入った。
「ここで休みましょう。貰った毛布を使って二人寄り添えば……ほら温かい」
「お姉様、温かいけど……その穴は塞がないのですか?風が冷たい」
「狭い空間に二人でいると息が出来なくなるかもしれないから、仕方ないのよ」
「分かった我慢する」
「でも毛布貰えてよかったね。最悪毛皮を数枚持ってるけど……若干臭いがね」
「今度何か土産持って挨拶に行きましょう」
「そうね」
この場夜で一晩過ごし翌日の朝から移動を再開した。
「今日着くかな?」
「先程馬車も見たし街が近いのかな?」
「当たりみたい。人の気配が多数……まだ少し遠いけど」
「多数って事は人が多いの?」
「多分。丘場より多い」
遠くに街が見えて来た……丘場に比べたら大きい。数分後到着し中に入ると人が多かった。
「お姉様人が多い……」
「多いね。何でかな?」
近くに食べ物の屋台が有ったので近付いて聞いた
「これは……イチゴ?」
「よく知ってるね。ここの近くの”にろ”の苺だ。美味しいよ」
「これ1箱買うわ。少し聞きたいのだけどここっていつもこんなに人が多いの?」
「ありがとう。ここは隣の国との数少ない国境の近くだから。この辺りの輸出入の商品と人が集まる」
「ここまでの道は狭かったのに急に大きな街で驚いたわ」
「と言う事は丘場から?」
「そうよ。子鹿って場所に行きたくて」
「なら次はにろで泊まれる場所を紹介するよ。そこを過ぎると次は少し遠い」
「それは助かるわ」
「この苺結構高いのに買ってくれた大切なお客様だから」
「帰りも寄れたら寄るわ」
「ありがとう待ってるよ」
次の街の泊まれる場所を教えて貰ったが、よく考えたらこの街で泊まる場所決まってない……
こういう時はギルドの近く……少し高めの場所で風呂付!ここにしよう
「今日泊まれます?」
「ご一泊ですか。可能ですよ」
「……何も聞かないのね」
「何か有りました?」
「他の街で金有るのか……って聞かれたから」
「先程案内を読まれてたようですし、その心配はないかと」
「風呂付きの二人部屋をお願い」
「料金は此方になりますがよろしいですか?」
「先払いでいいかな?」
「ありがとうございます」
今回は気持ちよく泊まれた。帰りも通るならここを使おう……まあ魔法で帰る可能性が高いけどね。
翌朝普通に起きまた徒歩で移動。
その日のうちににろに到着した。
聞いてた場所に行くと大きな建物があり掃除してる人が居たので聞いてみた
「あの東尾路の苺を売ってる方にこの辺りに泊まれると聞いて来たのですが」
「うちの苺買ってくれたの?泊って行って。何も無いけど」
「ここって普通の家ですよね?」
「そうだけど空いてる部屋あるしここの先は何も無いよ」
「お金は……」
「うちの苺買ってくれたのだろ?お金なんて要らないよ」
「……お土産に苺売ってください」
「本当に良いのに……子供だけの旅行だろ?余計に気を使わせたかな?」
「ここの苺美味しかったので。お土産に4箱ほど」
「そんなに?!安い物じゃないよ」
「偶然お金は有るので。東尾路の値段と同じで大丈夫?」
「あれは輸送費込みだから……半額でいいよ」
「……では三箱分払うね。これでも宿泊費込みなら安い位だし」
「珍しい人だね。でもそう評価してくれるのは嬉しい」
「評価?」
「それだけの対価を出しても良いと思ってくれたのだろ?」
「そうね。お金持ちになったら毎日食べたいわ」
実は私は苺苦手です……。
今後の展開の参考にもなりますので評価、感想など頂けると助かります。
ここまで読んでいただきありがとうございます。




