第30話 北端地区
翌日丘場に着いた。何故ここから北端と言われているか何となく意味が分かった。
「サザンカ……家とかこの辺り少ないね。今日泊れるとこあるのかな?」
「最悪安全そうな所で寝ましょうか」
一応数件の店が有ったので入って聞いてみた
「この辺りで食事や泊まれるところって有ります?」
「珍しいな旅人かな?」
「はい」
「この辺りで1件だけ無くはないが……最近客が居ないから今日開いてるかな?少し待ってて聞いてくるよ」
「場所だけ教えてくれたらこちらで行きますが」
「見た目が普通の家だし説明が難しい。一緒に行こう」
「その間お店は大丈夫?」
「この辺りは皆知った顔だし少しくらい不在でも大丈夫だよ」
「では案内お願いします」
「ついてきて」
数分歩いたところに周りより少し大きな家が有った。
「ここだよ。ちょっと待ってて」
「はい」
中に聞きに行った……勝手に入っていいの?!
少し待っていると別の人を連れて戻って来た。
「今日泊れるが、食材が良いの無くて……」
「食材を私達が見つけてきたら泊りだけでも良い?」
「構わない……と言うか食材が少し余ったら売って欲しい。近くの猟師が怪我して今肉とか在庫が無いんだ」
「では探してくるね。」
「行くならここから南に少し行ったら川が有る。その辺りの森に色々居るみたいだけど、熊とか大きな猪、小さいが魔獣も居るみたいだから気を付けて」
「ありがとう。行ってみるね」
少し南方面に行き斜面を下ると川が有った。
水はどうかな?鑑定魔法で調べてみよう。……そのままで飲用可みたいだ
「サザンカ、ここの水綺麗でそのまま飲めるみたい。魚も居そうだし少し罠作ってみるね」
「お姉様……何でそんなもの知ってるの?」
「昔何かで見てやったこと有るの。仕掛け自体は簡単だから作れると思う。……でも魔法を使った方が簡単に捕まえられそうね」
「その罠って見てみたいな」
「それなら罠を仕掛けてその間に何か狩りましょうか」
「それが良いと思う」
結局罠を作るのに魔法を使ったが完成した。
「この罠作るのに魔法を使ったけど……1度作ったら壊れるまで使えるから、いいか」
「面白い形だね」
「魚が入るのは簡単だけど逃げにくい形にしてるのよ」
「簡単だね」
「複雑なのは作れないし……これを仕掛けてその間に狩りしましょうか?」
「何が居るかな?」
「少し離れた所に……猪かな?少し大きな生き物の気配がする」
「魔物ではない?」
「あの独特の嫌な感じはないから魔物では無いと思う」
「私はまだ無理かな……」
「そうね。猪なら突進されると危険だし私だけで行くわ」
「任せるね。私も何か探してみる」
「出来るだけここから離れないでね」
「分かった」
私は一人で気配がする方に進んだ……少し遠いが見付けた。猪だ。
この辺り誰も居ないし魔法で終わらせよう。真横に転移から急所に一撃で苦しまないように終わらせた。
食べるため仕方ない……と少しは慣れたが簡単には割り切れない。
サザンカの所に戻ると何かを捕まえている……蛙ね。見た目は良くないが意外と美味しい。
「こちらは終わったわ。サザンカも蛙捕まえたの?」
「大きいの数匹捕まえたよ」
「この川で処理しましょうか……余裕有ったら山菜とかも探すわ。そうだ魚は?」
数匹の魚が入っていた。川で猪を処理して、少し食べられる草とかも探して戻った。
「戻ったよ」
「帰って来たの……ね」
「何か?」
「その大きな……猪?どうしたの?」
「川のそばにいたから……」
「怪我でもしてたの?」
「いや元気だったよ」
「どうやってこんな大きなやつを?大人でも大怪我すること有るのに」
「一応私冒険者してるから」
「ってもう成人してるの?見習い?」
「成人してます!私こう見えて8級なんですよ」
「え?8級?!と言う事はもう20過ぎ位?」
「年齢はまだ成人してすぐよ。12歳から始めたから4年目かな」
「その年で8級なんて初めて聞いたわ。その肉の一部分けてくれない?宿泊無料にするから」
「いいの?」
「いいよ。肉半分くらい貰っていい?」
「これ1頭全部どうぞ。二人一泊と食事付きで」
「それは貰い過ぎになる。そうだ毛皮とか骨もきれいにして返すね。ギルドで売れるし」
「ではそれでお願い。そうだ魚とかもあるの。調理お願いしても良い?」
「当然いいよ」
その日は豪華な食事と広い部屋で眠る事が出来た。本当に無料で良いのかな?
翌日の朝ご飯を食べ終わると弁当を貰えた。
「これ移動中に食べて」
「良いの?ありがとう。こんなに良くしてもらって……」
「何言ってるの?あの猪の方が価値有るよ……聞くの忘れてたけど目的地は何処なの?」
「”子鹿”って言う所だけど分かる?」
「子鹿か……少し遠いよ。次は東尾路って街が有るからそこなら泊まれるかも」
「東尾路ね。道は簡単?」
「道なりに行けば着くよ。隣の国に行く道と分岐する部分が有るからその辺りの街が東尾路」
「分かったありがとう」
「待って……この毛布持って行って。途中1泊する事になると思うけどこの辺り寒いから。これもう客に出せない位古いやつだから途中で捨てても良いし」
「お金払うわ」
「要らない。もう不要な物だし……そうだ。良かったらまた近くを通ったらうちに寄って。それが対価」
「ありがとう。また寄らせてもらうわ」
今後の展開の参考にもなりますので評価、感想など頂けると助かります。
ここまで読んでいただきありがとうございます。




