第19話 運命?
「言いにくいんだがな……魔獣の肉は加工して時間が経過してからしか食えないんだよ」
「もう食べたよ」
「大丈夫なのか?」
「まあ少々手を加えてもう既に肉から魔力を抜いてるから大丈夫よ」
「そうなの?」
「そう。食べてみて。意外と悪くないわよ」
「ではいただくね。あっ美味しい」
「ね。これは宿泊費として受け取って」
「宿泊費って……共に旅した仲間だろ?そんなの受け取れないよ」
「子供居るんだし何かと必要でしょ。良いから受け取って」
「ありがとう。正直助かる」
「ここの家買ったのよね?この辺りを気に入ったの?」
「そう。当初は立ち寄っただけだったのだけどね。森が近くて獲物も豊富で換金も簡単。人口少ないからか家作るなら土地は無料で貸し出すって言われてね、契約した。5年は定住しないといけないけど」
「5年か……長く感じるけど多分直ぐなんだろうね」
「それよりごめんね、子供生まれたから国境までお迎え行けなくて」
「いいのよ。この子が見たくて旅も楽しかったし、皆親切だったし」
「ここまで来るまでの話聞いても良い?」
国境を越えてから起こったことを説明すると
「不思議なんだけど……普通こんな色々な事起こる?私達なんかここに来るまで普通にゆっくり旅してきただけで特に何もなかったわ」
「私って何かそう言う所有るわね」
「でもその全てを生き残ってるんだから凄いわ……まだ成人してすぐだったよね?」
「運が良かったのよ。どこかに攻撃受けたら終わってたわ」
「今冒険者のランクは10級よね?実力で言ったら6以上じゃない?」
「6ってもう中級じゃない。年齢的にも無理よ。それとこれは見てもらった方が早いけどこれ見て8級に成ったの」
「「8級?」」
二人とも驚いている
「そう。珍しいみたいに言われたけど」
「珍しいって言うか初めて聞いた」
「なんか言われたら”ギルドに言え”って言うように教わったわ」
「そうだね。あまり言わない方が良いと思うわ」
「まあ自分から言う事は無いわ。聞かれたら答えるけど」
「それが良いと思うよ」
「私たち少しここでゆっくりしても良い?子供のお世話も興味あるし。新婚生活の邪魔はする気ないけど」
「いつまでも居て良いわ。仲間じゃない」
「少しギルドに顔を出して何か仕入れて来る……来客じゃない?」
「ノックの前になんでわかったの?」
「気配よ。それより出なくていいの?」
「行ってくるわ」
クアとミラが対応したので私達は子供を見ていた。手も足も小さいな……
「サザンカ……子供って可愛いね」
「寝顔見てるだけで癒されますね」
「でも子供の顔見た後に、サザンカの顔見たら大きさに驚いたわ」
「わたしもです。やはり小さいのですね」
そんな事を話していると二人が戻ってきた
「……クアが出る事になったの」
「どこに?」
「何か捜索みたい。近くで小型の魔獣が出たみたい」
「私が出るわ」
「ならクアと一緒に行ってもらっていい?この辺りの人達にはお世話になってるし、冒険者が今少ないみたいなの」
「分かった。サザンカは残って貰っても良いかな?ミラを手伝って欲しいの」
「分かりましたお姉様」
「じゃあクア行きましょうか?」
「行こうか」
私達は準備を終わらせ家を出て近所の若い人たちと合流した。
「こんな若い女の子連れてきてどうするんだ?危険だぞ」
「いや、彼女は魔獣の討伐経験が有るんだ」
「クアさんが言うなら本当なんだろう。すまない疑うような事を言って」
「心配してくれたのですよね?気にしないで下さい。魔獣は小型で一匹なんですか?」
「そうだ」
「子供か成体かは分かります?」
「多分大人だった」
「そうですか。では後ろから親が出て来るとかはなさそうですね」
「今回はそれを含めた偵察だ。発見次第軍に報告し対処する」
「分かりました……向かいましょう」
数人で分かれて進もうとしたが直ぐに独特の感じがした。
「たぶんこちらです」
「何故わかる?」
「雰囲気?直感?最近同じ感じで魔獣を発見したので」
「まあ素人の俺達より確かかもな。行ってみよう」
少し歩いて行くと先に見えた。
「そこに居ますね」
「どこだ?」
「もう少し進んだ方が良いかもしれません」
「本当に居た。後ろの二人、軍に報告をって走るな……」
魔獣に驚いた二人が走り出した音で魔獣がこちらに気付いた。
「音に気付いて……こっちに来ましたね。迎撃します。皆様は下がってください」
「女の子一人を置いて……いや邪魔か。仲間を呼んでくる」
「多分大丈夫です」
弓を用意して、魔力で補助して攻撃。魔法で誘導して……小型なので狙いにくいな、でも当たった。
当たったけど急所を外したみたい。もう一回……今度は急所に当たった。
「ごめんね。無駄にはしないからね」
「終わったみたいですね?……って皆様どうしました?」
「いやあの、その弓どうなってる?この距離で2射して両方当たるか?」
「相変わらずだなツバキ」
この温度差……
「クアはもう驚かないのね」
「何で嬉しそうなんだ?」
「あまり普通ではないって言われるの嫌なのよ」
「まあ普通って枠には収まってないよな」
「とりあえず回収して皆で食べる?」
「説明なしに魔獣を食うなんて言ったら、またみんな驚くぞ」
「そうね。難しい事は任せた」
私は魔獣を回収に行った
今後の展開の参考にもなりますので評価、感想など頂けると助かります。
ここまで読んでいただきありがとうございます。




