第101話 国王?
そんな簡単に?
西山口国とここの国で魔獣の氾濫?もしかしたらそのほかの国も……。
出来れば自分達の近くの人達だけでも助けたいが、何か方法はないかな?
「あの、真面目にこういう事言うのはどうかと思うのですが、もしかしたら少し助けられるかもしれません」
「どういうことだ?もう此方には生き残る方法は正直ない。何か手が有るなら何でもするぞ。国をくれというなら喜んで渡す」
「気付かれましたか……国を私に下さい」
「すると国民は生き残れるか?」
「分かりませんが……終わったら返します」
「返すのか?国王になりたいのではなくて?」
「もしこの国全てが私の領土になるなら前みたいに好きな場所に城とかつくれると思うのです」
「そうか……今は緊急事態。出来るならその方法に賭けてみたい。……ではここに宣言する。現時点を持ってツバキ殿を国王とする」
「ありがとうございます。早速試してみますね」
私は王都の地下に巨大な地下室をつくり避難できるようにした。
「王都の地下に避難用の地下室をつくりました。中に何もありませんがもし魔獣が王都に来た場合はここに避難してください。全員収納できるはずです」
「と言う事は、思っている通りにできたか?」
「はい、出来ました。これで少しでも助けられそうです。国内ではどの辺りに魔獣が?」
「有間口辺りだ」
「温泉付近は?」
「まだ連絡が無い」
「そうですか……子鹿に戻ってから有間口に行ってきます」
「わかった。これを持って行ってくれ。現在の国王はツバキ殿だという証明書だ。何かの時に役立つだろう」
私は一旦子鹿に戻り近くのダンジョン付近を転移で確信したが魔獣は確認できなかったので、皆と合流するため子鹿の拠点に戻り、皆に何が起こったのか説明した。
「国内及び西山口国で魔獣の氾濫が確認されました。その対処として、私が現在国王となりました」
「お姉様、国王にまで……ってどういう事?」
「簡単に説明すると国内の任意の場所に建物をつくるためよ」
「あの例のポイント?」
「そう。知らない人も居るかもしれないけど、私には自分の領地に好きな建物をつくれる魔法?が有るの。だから一旦この国を預かる事で私が好きな所に拠点をつくり戦えるのよ」
「それで我々は何をしたら?」
「現状付近のダンジョンは前に攻略したからか魔獣は出てきてなかった。だからここの軍を西山口国との国境付近で待機させて欲しいの。この軍隊はアナベルを司令官とし、連絡用にアベリアも同行して。サザンカとバーストは私と有間口の防衛に。その他の人達は何か有ったら拠点の地下室に逃げ込むように」
すぐ皆は準備しはじめたので、その間に私はレオさんを探した。
こういう時に気配を隠されていると分かりにくいのだが、こちらが気になっていたようでレオさんの方から寄って来た。
「何か騒がしいが……」
「レオさん国に戻って。西山口国で魔獣の氾濫が起こったわ」
「本当か?……って嘘を吐く理由も無いか」
「そうね。今こちらの国でも氾濫は起こっていて今臨時で私が国王になってる」
「そうか……良く分からんがそれだけ緊急事態と言う事か」
「そうね。そう思ってくれたらいいわ。国境付近まで軍は出すけど、この国の防衛が優先だから……」
「それは当然だ。貴国を無視して我が国を助けろとは言えない。教えてくれただけ感謝する」
「急ぐでしょ?国境まで送るわ」
「すまない。助かる」
私はレオさんを国境前まで送り直ぐに拠点に戻った。
「アナベル、本当は転移で送りたいけど、近くに魔獣が出てないかも確認しながら行って欲しいの」
「分かりました。発見次第アベリアに連絡してもらいます」
「サザンカ、バーストも準備いい?……バーストは何で沢山荷物持ってるの?」
「この前の魔石が有るのですが……何か戦闘に使えるかもしれないとサザンカ様に聞き持って来ました」
「魔法で収納しなかったの?」
「私はまだ容量も少なく、不要なら置いて行こうと思ったので……」
「分かったわ。その荷物は私が預かる。必要なときは魔石を買い取るわ」
「買い取り?お金なんて受け取れません!」
「馬鹿ね……価値が有る者を奪う事は出来ないわ。買い取らせて」
「分かりました。ではその分はツバキ様に慰謝料の一部としてお返しします」
「あのね……前から思っていたけど、そこまで私達に気を使わなくても良いのよ。前は態度は悪かったけど今は立派に皆のために働いてるじゃない……」
「ありがとうございます」
「まあ今は時間が惜しい。準備は良い?転移した先に魔獣が居る可能性もある慎重に行動してね。すぐに戦える状態で転移するわ」
3人共に戦闘準備が出来たので有間口の街から少し離れた所に転移した。
転移した先には魔獣が居なかったので街の方に向かったが……破壊されていた。
「おいそこの人達、この辺りには魔獣が居る。危ないからこっちに上がって来い」
高台の方から声が聞こえた。
「大丈夫です魔獣を退治に来ました」
「そんな大声出したら……魔獣が来てるぞ……早く逃げろ」
確かに魔獣の気配を感じる。10頭くらいかな?少し多いな……街の外だし人の気配も無いし……
今後の展開の参考にもなりますので評価、感想など頂けると助かります。
ここまで読んでいただきありがとうございます。




