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『悪の秘密結社』戦闘員タケシの憂鬱  作者: 双鶴


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7/10

6話

午前6時、田園都市線。

満員電車の中、俺は痣を隠しながら吊り革にしがみつく。

昨日の戦闘でピンクにウインクされ、動揺して被弾した。

それでも、今日も出勤する。駒沢大学駅に着くと、マクドナルドに寄る。

ハッピーセットを注文。おもちゃは甥っ子へのプレゼント用。

世界征服を目指す戦闘員も、家族サービスは欠かせない。秘密基地に着くと、隊長がいない。

代わりに副隊長が叫ぶ。

「タケシ!貴様を隊長代理に任命する!」俺は耳を疑った。

昇進?俺が?だが、すぐに現実が襲ってきた。■任務1:出撃スケジュールの作成

→エクセル未対応。紙と鉛筆で手書き。■任務2:戦闘員の出欠管理

→D-1019は粛清済み、D-1027は行方不明、D-1031は「犬に噛まれたため欠勤」■任務3:基地のトイレ掃除

→昇進とは何かを考えさせられる。昼、大戸屋でひとり昼食。

鯖の味噌煮定食を食べながら、俺は思う。

「これ、罰ゲームじゃないか…?」最近、隊長が怪しい。

休みが多い。

「今日は重要任務だ」と言って姿を消す。まさか、転職活動?

ヒーロー側の採用面接?俺の昇進は、ただの穴埋めだったのかもしれない。夜、すき家でカズオと会う。

牛丼並盛、紅しょうが多め。

「昇進、おめでとう」と言われたが、

彼の笑顔が、どこか他人事だった。翌日、戦闘中。

隊長不在のため、俺が指揮を執る。

「全員、ベンチに向かえ!」だが、ヒーローが現れると、全員バラバラに逃げた。ピンクが俺に言った。

「隊長代理って、大変そうね」俺は、戦闘員番号D-1023。

昇進と雑務と恋心と甥っ子の笑顔の狭間で、今日もベンチに座る。世界征服の夢は、ハッピーセットの箱より軽くなっていく。俺は、降格を希望している。


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