表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『悪の秘密結社』戦闘員タケシの憂鬱  作者: 双鶴


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

6/10

5話

午前6時、田園都市線。

満員電車の中、俺は痣を隠しながら吊り革にしがみつく。

スーツ姿の戦闘員。

だが、最近はそのスーツが、少しだけ違って見える。彼女のことを考えている。

駒沢公園で出会った保育士。

子どもたちと落ち葉を拾う姿が、やけに眩しい。俺は任務中、コスチュームを着ている。

フルフェイスのヘルメット、通気性ゼロ。

でも、彼女の前では、スーツ姿の「普通の男」。最近、転職がチラつく。

彼女の隣に立つには、戦闘員ではいられない気がする。サンシャインレッドが言った。

「君、そろそろこっちに来たら?」カズオも言った。

「ヒーロー側、待遇いいらしいぞ。顔出しOK、週休二日、ボーナスあり」俺は笑って誤魔化した。

でも、心の中では揺れていた。そして、ピンク。

サンシャインピンク。

戦闘中、彼女は俺にだけ、妙に優しい。キックの直前にウインク。

パンチの後に「ごめんね」と囁く。俺は思う。

「天使かもしれない」でも、彼女の顔——どこかで見たことがある。

駒沢公園の彼女に、似ている。まさか。

いや、そんな偶然あるか?でも、もしそうだったら——

俺は、敵に恋していることになる。その日、戦闘後。

ピンクが俺に言った。

「あなた、優しいのね」俺は、戦闘員番号D-1023。

世界征服の夢と、恋心と、転職の誘惑の狭間で、今日もベンチに座る。彼女がヒーローでも、保育士でも、天使でも——

俺の心は、もう彼女に支配されている。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ