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底辺作家VS書籍化作家。貧困おっさんの異世界リベンジ『妄想具現化スキルで成り上がる! 時代のせいで派遣社員25年、趣味の小説執筆は全て爆死──それでも底辺作者の俺は異世界で書籍化作家どもに挑む!』

作者:カトラス
 四十五歳、氷河期世代ど真ん中。派遣工場員として二十五年もこき使われ、気づけば正社員経験ゼロ。そんな俺の唯一の趣味は妄想を文字にして小説を書くこと──だったのだが、これまた悲惨。投稿サイトに上げれば爆死のオンパレード、PVは常に一桁、年に一度届く感想は「誤字多すぎ」「面白くない」とかありがた迷惑なダメ出しばかり。ブクマ? それは都市伝説。そう、俺は正真正銘の“ど底辺作家”である。

 そんな俺、神無龍之介が自宅でカタカタ小説を書いていたある夜、突然の地震で本棚に下敷きに。──気づけばまん丸ゼリー体、異世界でぷるんぷるんのスライムになっていた!? いや、なんでやねん。異世界転生のテンプレは勇者か冒険者だろ。よりによってスライムって!

 しかもこの世界、命の基準が狂っていた。なんと「PV=命」。アクセスが伸びなければ存在ごと消滅、逆に伸びれば妄想が現実化してチートになる。そんな中、俺に授けられたスキルはその名も──【インプレッション妄想変換】。名前からしてダサい。けどおもろい。要は「妄想をPVに転嫁して具現化できる」という能力で、剣士なら「千PVの剣」、魔法使いなら「一万PVの火球」を放つ、という仕組みらしい。PVが多いほど妄想はパワーアップ。ゼロなら即退場。ついでに魔物や同じく底辺を倒せば、その持ちPVを強奪できる“救済措置”まであるという、アクセス至上主義の地獄システム。

 そして俺の総PVは……ドン引きの6969。中途半端すぎて、しかもなんかエロい。数年の黒歴史投稿の結晶がこれって、泣くしかねえだろ! だがこの世界では、それがステータスであり武器。つまり、俺の過去は決して無駄じゃなかったのだ。エロ妄想だって力になるなら、もはや恥じる必要すらない。

 PVゼロ常連、感想悪口コレクター、ど底辺作家の俺が、スライムボディと妄想スキルで挑むアクセスランキング異世界サバイバル! 黒歴史すら武器に変え、エロ妄想までフル活用して、今日も俺はぷるんぷるんと跳ねながら生き延びる。

「俺のチートは……PVだ!!」
 笑ってくれていい。バカにしてくれていい。だがお願いだ、読者よ──あなたのその一PVが、このスライムおっさんの命を救う!
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