パスワード――、その先に隠されていたものは……
「最近、彼ピがどこかよそよそしい気がする」
「いやいや、絶対気のせいでしょ。アンタ達どう見てもラブラブじゃん。何? もしかして自虐のフリした自慢ってヤツ?」」
「そんなんじゃないよ! 本気で悩んでるの!」
確かに彼ピは私のことを物凄く大切にしてくれているし、私もそんな彼ピのことが大好きだ。
バカップルだということも認める。
でも、だからこそわかるのだ。
以前より彼ピの私への愛情が薄れていることが。
「そりゃ初めの頃よりは気持ちも冷めるもんでしょ普通……」
「そんなことない! だって私は前より彼ピのこと好きになってるもん!」
「めんどくさ」
「うぅ……、自覚はあるよぅ……。でもね、根拠はちゃんとあるの」
彼ピは最近、私と一緒にいるときもよくスマホを弄っている。
以前はなかったことなので、絶対に怪しい。
「あ~、浮気の兆候あるあるってヤツね~。でも、そんなに気になるなら何やってるか聞いてみたらいいじゃん」
「無理だよ! なんか疑ってるみたいじゃん!」
「いや、実際疑ってるじゃん」
「そう思われたくないの!」
我儘を言っているを自覚はあるが、疑り深い重い女を思われたくはないのだ。
「じゃあもう直接スマホ見るしかないじゃん」
「だから、それも疑ってるって――」
「いや、見せてもらうんじゃなくて、勝手に見るんだよ」
「そ、それは――」
「抵抗あるのはわかるけど、最近アンタといるとき堂々とスマホ放置してくんでしょ? それって見られても構わないってことじゃない?」
「そうかもしれないけど……ってアレ? 彼ピがよくスマホ放置してくって私言ったっけ?」
「え!? い、いやホラ、この前彼ピに信頼されてるからとか何とかかんとかで……」
確かに、そんな惚気話をしたような気がしないでもない。
普段嫌々そうに私の話を聞いてるくせに、なんだかんだしっかりと覚えていてくれている辺り流石私の親友である。
「と、ともかく! スマホなんか放置する方が危機感ないんだから、そういう意味でもわからせてやりなさい!」
「ちょっとトイレ」
ということで、早くもそのチャンスがやってくる。
罪悪感はまだあるが、親友の後押しもあったため覚悟を決めてスマホを確認する。
パスワードロックがかかっていたが、すぐに解除できた。
……私の誕生日だったからだ。
おかしな点はほぼない。
唯一気になったのはLINEのトークだ。そこには何故か親友の名前があった。
まさか親友と浮気!?
恐る恐る見てみると、そこには……
親友「はぁ……、あんなビデオレター撮らされて、私何やらされてるんだろ……」
LINEに残されていた一通のビデオレター。
そこには一体何が映されていたのか?
皆様も是非予想してみてください♪