魔法使いになった日。独身アラサー幼馴染との長い夜。
久々に短編投稿です。今回はいい感じに書けたかなと思ってます。最後まで読んでいただけると嬉しいです。
「……はぁ」
もう、何度目のため息だろうか。
ガヤガヤと騒がしい平日の夜の居酒屋の中で、一人の男が酒を飲んでいた。
着ているスーツはくたびれ、顔には日々の疲労がありありと浮かんでいる。
ここだけ見ればただのサラリーマンが仕事帰りに一人、居酒屋に寄って飲んでいるようにしか見えない。
だが、彼の隣には空席があった。
その席には彼のカバンが置かれ、明らかにその席を守っていた。
まるで誰かのために席を取っているように見える。
そうこうしている間にもどんどん時間が流れ、時刻は午後六時半。
彼がこの店に入ってから約一時間が経過していた。
彼の目の前には四杯のジョッキ。しかし、酔っている様子はない。
男が五杯目のビールを注文しようとしたその時。
「すみません。生―――」
「ごめん!遅れた二郎くん。あっ!もうこんなに飲んでる」
「大丈夫だ。全然待ってない。ここ、席取っておいたから」
「ありがとうね」
どうやら彼の待ち人は現れたようだ。
まだまだ彼らの夜は続いていく。
◇◇◇
「いやぁー。いきなり残業入って来ちゃって本当に大変だった」
「おつかれ」
そう言って俺は、たった今仕事を終えてきた彼女―――李月にメニューを手渡した。
彼女は上に来ていたスーツを脱ぐと、そのメニューを受け取った。
「よく来れたな?」
「あーうん。五割くらいやってあとは後輩に投げてきた。すみませーん。生一つ」
「……こんな上司でその後輩も大変だな。すみません。こっちにも生一つ」
「いやいや。こんな美人が上司で踊りだすぐらい嬉しいはずだよ」
「自分で言うな」
ケラケラ笑う李月を横目に、俺は今も会社で馬車馬のように働いている後輩くんを気の毒に思った。
それから二人で他愛もない話をしていると、生ビールが二つ運ばれてきた。
俺たちはそれを手に取る。
「それじゃぁ」
「「乾杯」」
チンッ。ジョッキ同士を軽くぶつけ、半分くらいまで一気に呷った。
李月の方を見ると、彼女は一気飲みをしたらしくもう二杯目を注文していた。
生ビールを一気に呷る彼女の姿は、俺の目にはどうしてか、とても扇状的に映った。
珍しく酔っているのだろうか。
花村李月。
俺の幼稚園の頃からの幼馴染。
実家が隣同士で、小さい頃はいつも一緒に遊んでいたっけな。
小、中、高、大すべて一緒で、なんだかんだで今でもこうしてたまに飲むくらい仲がいい。
俺の大切な幼馴染。
ボウっと自分を見ていた俺を不思議に思ったのか、李月はジョッキを置くと話しかけてきた。
「何?もしかして酔ったの?」
「馬鹿言え。俺が酔うと思ってるのか?」
「何杯目?」
「五杯目」
「ちょっと、顔赤いよ」
言われて気づいた。確かに、顔がなんだか熱い気がする。
おかしい。いつもより酔いが回るのが早すぎる。
ああ。でも―――
俺は残ってたビールを飲み干すとジョッキをゴトッと置いた。
そして、テーブルに突っ伏しながら李月に言った。
「なぁ李月。今日はなんの日か知ってるか?」
「え、今日?」
「ああ」
「……二郎くんの三十歳の誕生日じゃない?」
「……」
三十歳。
その事実が俺の胸を締め付けていく。
なぁ李月、知ってるか?世の中では三十歳になっても童貞だった男が何て呼ばれるか。
それはな……
「二郎くん?」
「李月。俺、魔法使いになっちゃったよ」
「……」
俺はその言葉を噛みしめるようにそう言った。
今日は俺の三十歳の誕生日。
本当に人生って早いもんだ。気づけばもう三十歳だぞ。
年をとるって嫌なもんだな。
心なしか、酔うのが早くなった気がするし。
俺は返事が帰ってこないことを不思議に思い、李月の方を向いた。
そこには下を向いて肩を震わす李月の姿がある。
おい。大丈夫か?まさか、さっきの一気で急性アルコール中毒に―――
しかし、そんな俺の心配は杞憂だった。
「……ハハッ。アハハハッ!魔法使いって!ハハハハッ!」
「……おい」
「ハハハハハッ!あぁ笑った笑った。良かったじゃん。魔法使えるようになったねww」
「wwつけんな。結構本気で落ち込んでんだぞ?」
「火出してみて。火」
「おい。独身彼氏なしアラサーに言われたくねえな」
俺がそう言った瞬間。
この、ほんのさっきまで楽しかった空間が凍りついた。
なんか寒くない?
「何、二郎くん?よく聞こえなかったな。もう一回言ってくれる?」
「いや、うん。すみませんでした」
「よろしい。今日、奢ってくれたら許してあげる」
「え?今日俺、誕生日……」
「は?」
「わかりました!」
結局、俺が奢ることになりました。なんで?
◇◇◇
それから俺たちは会社のことや最近あったこと、美味しい缶チューハイのこととか、とにかくたくさんのことを話した。
そして、李月が来てから一時間半が経過し時刻は午後八時になっていた。
俺は、八杯目に頼んだレモンサワーを一口飲む。
「ねぇ二郎くーん。どうして私に彼氏できないのかなぁ」
「……さぁな」
「おーいぃ。かっこつけんなよぉ」
「お前、酔ってるか?」
「えぇ?全然酔ってらいよ」
「呂律回ってないやん」
ここまで快調に飲んでいた李月も、六杯目にしてようやく酔いが回ってきたようだった。
俺はそろそろ会計をしようかと思ったが、酔った李月に絡まれて身動きが取れないでいた。
「私のどこがダメなんだろうね」
ふと、李月がそんなことを呟いた。
酔った勢いでの軽い一言かと思ったが、横顔を見るにそうでもない。
その瞳は真っ直ぐにジョッキの中のビールを眺めていた。
「今まで付き合った彼氏、みんな私に言うの。顔と身体だけはいいって」
それは、彼女の独白だった。
酒を飲んでいるときにしか言えないような、そんな本音。
「でもみんな、私と一ヶ月くらい付き合って幻滅するの。私はね家事もできないし、料理もできない。女としてできなきゃいけないことは何にもできない。だって仕方ないじゃない。今の会社に入るためにどれだけ学生の時の時間を浪費したか。そんな女の子らしいことする時間、私にはなかった!」
ガンッ!
彼女はそう言うと、残っていたビールを飲み干してテーブルに強くジョッキを置いた。
酒で決壊した彼女の本音は中々止まらない。
俺は何かを言うべきだろうか。
今日、初めて彼女のこんな本音を聞いた。
二十年以上の付き合いがありながらも、今彼女の語った思いに俺は気づきもしなかった。
「しかもね。みんな結婚してるの。同級生みんな結婚してるの。私だけ、結婚してないの……」
彼女は今、二十九歳。
来月で三十歳を迎える。
年齢的にはそう焦る心配もないと言える年齢。
しかし、彼女の周りを取り巻く人間たちが彼女にそうはさせなかった。
女の価値は男よりも早く、尽きる。
「なんで私だけ……」
焦るのは、わからなくもない。
俺だって焦ってる。
母親がいつになったら孫の顔が見れるのかってうるさいからだ。
俺だって三十歳。
同期で入った奴らもほとんど結婚しているし、その結婚式に何度も行った。
結婚してみたいとは思う。
子供も欲しいなとは思う。
だけど、現実的なことを考えると俺は結婚したいとは思わない。
べっ別に、童貞卒業して魔法使いやめたいなんて思ってないんだからねっ!
まぁ冗談は置いといて。
そんな現実的なことを考えても、彼女は違うのかな……
「あーあ。私、何か間違ったのかな?」
「李月」
「何、二郎くん?」
李月は突っ伏した状態で俺の方に顔を向けた。
その顔は酔って真っ赤に染まっている。
人って酔えば本当に本音が出るよな。三十年の人生で学んだわ。
こりゃあ明日になったら忘れてる……かな?
俺はこんなこと、相手が酔ってる時に言うべきか悩んだ。でも、今言わなきゃいけない。
それがきっと李月を慰められると信じて。
「李月。俺は、ずっと幼馴染として隣にいるからな」
「…………幼馴染としてか。意気地なし」
そんな俺の一言に李月は何かを呟いた。
しかしそれは居酒屋の喧騒にのまれて俺の耳には聞こえない。
「ん?なんか言ったか?」
「うんうんなんでもない。ごめん。湿っぽい話しちゃったね。飲んで全部忘れるぞ!」
「うん。会計俺持ちだからあんま飲むなよ」
いつもどおりの元気を取り戻した李月は、追加でレモンサワーを注文していた。
その姿を見て、柄にもなくクサイ台詞を言った俺は本当に忘れてくれと思った。
◇◇◇
「ありがとうございました〜」
外に出ると十一月の冷気が頬をかすめた。
もうそろそろ雪も降ってくる。そんな寒さだ。
「李月。寒くないか?」
「……うーん」
おぶっている李月に話しかけるが、酔っていてまともな返事は返ってこなかった。
まぁ、コートを被せているし大丈夫か。
俺はそう思うと李月の家に向かって歩き出した。
あれから俺たちは更に一時間飲み続け、気づけばもう午後九時を回っていた。
あの後は湿っぽい雰囲気になったりはせず、お互い笑い合いながら酒を飲んだ。
そのおかげで今、胸がムカムカしてめっちゃ気持ち悪い。……吐きそう。
夜の繁華街を李月を背負ってゆっくり歩く。
もう午後九時を過ぎたというのにまだまだ街は明るい。
街に目を向けると、酔って路上に倒れている人。今から二軒目に行こうとしている人。はたまた、家へ帰ろうとしている人。
たくさんの人間がいた。
だから、街はまだまだ明るい。
俺はチラリと背負っている李月を見る。
今はもう、あの時言った言葉と不安なんか忘れて、ぐっすり眠っていた。
俺はあの後の李月の様子を思い出す。
こいつ結局、八杯目まで飲んでたな。
飲んで本当に全部吹っ切れたならいいが……多分、から元気だろう。
ああやって積み重なったストレスは酒なんかで晴れるわけがない。
きっと彼女はこれからも悩み続ける。
「はぁ」
俺が吐いたため息は白く、上空へと昇って行く。
今日は街の明かりが邪魔をしながらもうっすらと星が見えた。
そしてふと、思い出す。
『あーあ。私、何か間違ったのかな?』
彼女があの時言った言葉。
『間違ったのかな?』
この言葉が俺の頭から離れない。
どうしてかは、自分が一番わかっている。
この言葉を言わせてしまったのは他でもない。
”俺”が李月に言わせてしまった。
自意識過剰かもしれない。だけど、ここまで言えるほどの決定的な出来事が昔あった。
***
それは、まだ俺たちが高校生だった時。
今思えば若気の至りとしか言いようがないが、俺たちは男女の一線を超えそうになった。
お互い付き合ってはいなかったが、なんとなくそういう雰囲気になったのを覚えている。
どっちから押し倒したのかはもう覚えていない。
李月からだったかもしれないし、俺からだったかもしれない。
それでも覚えている。
彼女の吐息。彼女の柔らかい感触。彼女の上気して生々しい顔。そして―――彼女の言葉。
『いいよ。二郎くん』
そんな蜜のように甘い言葉は当時の俺の理性を壊そうとして―――しかし、壊すことはなかった。
彼女は許してくれた。
彼女は受け入れようとしてくれた。
だけど、いざ彼女を目の前にした途端。
俺は怖くなった。
彼女と一線を超えてしまうと何かが決定的に変わってしまいそうで、俺は怖くなったんだ。
そして離れていく俺を見て、彼女は泣きそうになりながらポツリと。
『私、間違ったかな』
そう、呟いていた。
***
俺はあの時、何かを間違ったのだろうか。
俺があの時、違う選択をしていたら、今日苦しそうに語る彼女に何か声をかけることができたんだろうか。
それとも、もしかしたら―――
「俺は間違ったのかな」
もう絶対にありえない想像を振り払うように俺は呟いた。
その呟きは返されることなく、静かな夜に呑まれていく。
気づけばもう繁華街は抜け、マンションや家宅が立ち並ぶ住宅街に入っていた。
もうちょっとで李月の家に着く。
「おーい李月。もうちょっとで着くぞ」
「……うーん」
李月に声をかけるが、返ってきたのは曖昧な言葉だけ。
どうやら今回は相当酔ってるらしい。
いつもならちゃんと起きるのに。
そうこう思っている内に李月の住んでいるマンションの前まで来てしまった。
早く李月を起こしてマンションに入れないと流石に風邪をひいてしまう。
俺は再び李月に声をかけた。
「李月。ついたぞ」
「…………」
今度は返事すらなかった。
しかもさっきよりも、首に回されていた腕の力が強くなった気がする。
どうしよう。困った。
「李月。俺はもう帰らなきゃいけないんだ。明日も仕事が―――」
「だめ」
それは本当に突然だった。
だから俺は、ちゃんとした返事を返すことができなかった。
「………え?」
「帰っちゃ……だめ」
それはどういう意味なのか。
今の俺の混乱した頭では考えることができない。
「二郎くん」
そして、首に回る腕が更に俺を強く引き寄せる。
それは彼女の言葉の意味を暗に示していた。
「…………李月……」
もしこれが中学生や高校生。はたまた大学生の時だったらどんなに舞い上がっていたことだろう。
恋をしていた女の子に抱きしめられる。
きっと嬉しすぎて夜も眠れなくなっていただろう。
だけど俺は、俺たちは、もう大人だ。
恋をするにはどうしたってもう遅い。
思えば、俺は李月が好きだったのかもしれない。
小さいガキの頃からいつも一緒で、いつかは家族になるものだと思っていた時もあったかもしれない。
だけど今はただの大切な幼馴染。
その関係で十分なん―――
「二郎くん」
「……ッ!」
これ以上、考えてはいけないとわかっているのに。
これ以上、彼女の言葉を聞いてはいけないとわかっているのに。
彼女にこうやって名前を呼ばれるたびに、胸が高鳴る自分がいる。
俺はそんな自分から目を背けるように、李月へと声をかける。
「李月………これ以上は……」
「やだ。離れたくない」
「……子供かよ」
「やぁだ。ずっと一緒にい〜た〜い〜」
「はいはい」
「好き」
「はいはい」
「私と結婚して」
「はいは………ん?」
今、李月はなんて言った………?
俺は背負っている李月の顔を見ようと後ろを振り返った。
そこにあったのは真剣な表情で俺を見つめる李月の顔だけだった。
「ごめん李月。今なんて……?」
「聞こえなかったの?だからね―――」
ドクン。
ドクン。
心臓の音が嫌にうるさい。
さっきの言葉を聞き入れることができないと言わんばかりに早鐘を打ち続ける。
しかし、その音を掻き消すように李月の凛とした声が重なる。
「私と結婚して。二郎くん」
ドクンッ。
さっきよりも心臓が強く跳ね上がった。
俺は一度、李月から視線を切って夜空を見上げた。
…………想像したことがないわけではない。
彼女と真面目に付き合って、結ばれる。
そんな可能性もあったに違いない。
本当は、告白しようかと思っていた。
だけど俺にはどうしてもその一歩が踏み出せなかった。
本当に若さとは憎らしい。
そして、告白の機会を掴めていなかった高校生の時のあの日。俺が李月から目を背け、逃げたあの日。
そんな幸せな可能性は一瞬で潰れたのだ。
俺が潰してしまったんだ。
「………だめなんだ。だめなんだよ李月。俺にはそんな資格……ない」
「二郎くん。”あの日”のことを気にしてるなら、もういいの。あれは私が全部悪い。私が二郎くんを誘ったから……」
「違うっ!李月は何も悪くない。元はと言えば、告白を日和ってた俺が……いや、その誘いに負けた俺がわるいんだ。だからさ、どうか謝らないでくれ……李月」
お互いが自分を責め、俺たちは黙りこくってしまう。
肌を突き刺すような風が吹き抜けていく。
そもそも、こんな状況になったのは全部俺のせいなんだ。
告白をする勇気がなくて、彼女と付き合うことができなかった俺の責任。
責任を取らなければいけないのが大人ってもんだ。
彼女は俺の下で幸せになるべきではない。
俺にはそんな資格ないのだから。
「……ごめん。本当に全部俺が悪いんだ。だから李月とは結婚できな―――」
「じゃぁさ!」
突然の大声で思わず口を閉ざしてしまった。
その間に李月は続ける。
「じゃぁさ、責任取って結婚して。どうせ二郎くんのことだから、『責任を取らなきゃいけないのが大人』とか思ってるんでしょ?」
うん。なんで分かるの?
幼馴染ってテレパシー持ってるの?
「あの時逃げたことに責任感じてるなら、結婚して責任取ればいいじゃない!結婚すればあんなこと全部チャラになって、いくらでもしてよくなるんだから!」
奇しくも、李月が言っているのは”責任”について。
俺が考えていた責任の取り方よりも、どっちも幸せになれる責任の取り方。
「だから、結婚して責任取れ………バカ」
最後は消え入るような声で李月は呟いた。
見上げていた夜空には大きくオリオン座が光っている。
本当にいいんだろうか。
あの日逃げた俺が、彼女と幸せになって。
「李月、いいのか……?本当に俺が李月の隣に―――」
「だからいいって言ってるでしょ。バカ」
本当は彼女がずっと好きだった。
昔も今も変わらず、ずっと想い続けている。
だけど、そんな資格ないと思っていたから蓋をして、目を背けて、否定しようとした。
それでも―――それでも、彼女はいいと言った。
目を向けて、認めた上で責任を取れと言った。
俺はずっと彼女と幸せに暮らす可能性を夢見ていたんじゃないのか?
それが俺の本当の気持ちじゃないのか?
ああ。やっぱり今日は酔ってるみたいだ。
俺は李月に「下ろすぞ」と声をかけてゆっくり李月を下ろした。
そして、二人向かい合うかたちで見つめ合う。
「………こんな俺でもいいんだよな?」
「もう!何回も言ってるでしょ?」
そういえば。
今日は俺の誕生日なんだよな。
本当に幸せな誕生日だ。
「二郎くん。あなたがずっと好きでした。私と結婚してください」
シンシンと雪が降り始めていた。
今年の初雪。
その初雪はまるで今夜の俺たちを祝福しているようだった。
「俺もずっと李月が好きだった。李月がよければ責任、取らせてくれ」
俺はそう言うと李月のそばに歩いていく。
「まーたそういう言い方する。普通に結婚しようでいいじゃ………ん……」
俺は李月を抱き寄せ、その唇を奪った。
「結婚してくれ。李月」
「うん。二郎くん」
そして、もう一度その唇を奪う。
もう俺は絶対に逃げたりなんかしない。
彼女を絶対に幸せにする。
それが俺にできる責任の取り方だから。
三十歳の誕生日。魔法使いになった日。俺は誓いのキスをした。
【完】
ここまで読んでいただきありがとうございます。
おもしろいと感じた方は評価とブクマといいねの方よろしくおねがいします。誤字・脱字報告も受け付けています。
モンストのかぐや様コラボはマジで神だった。オーブ650個使ったけどね……




