22.お土産店
お昼ご飯を食べた場所同様何なのかよくわからない店が羅列はしているが、時折知っているお店が出てくる。某スポーツメーカーや某ワークパンツメーカーなど、世界展開しているブランド達は例に漏れずこの国にも店を構える。難しい話で、わざわざ海外に来てまで知っているブランドに入るのは勿体ない気持ちがある反面、知っているブランドに入店することで安心感を得ようとしているのも事実。悩みながらお店の前を通り過ぎている。しかし、雑貨屋を前にした時、全員で入店しようと意見が一致した。
「雑貨屋兼お土産屋だ」
服部さんの言う通りでここは観光客向けの雑貨屋。つまりはお土産屋なのだ。
「ここならフィリピン感あるし、何か商品買えるし、入店していいんではないか?」
隼人もノリ気であった。
「隼人ここで何かかうの?」
「多分何か買うよ。ショッピングセンターに構える店だから広い。だから、この先に見つけるお土産屋よりも品揃えよさそうじゃん。服部は何か買うの?」
「それを聞いたら買う気になったね!あとはおやつ」
「ここお土産屋だぞ・・」
「お土産屋に売ってるお土産おやつを後で食べるの」
「あ、そう。なるほど・・・」
お土産おやつとは具体的に何なのか気になるところではあるが、入店して店内を物色することに。お土産屋とするににはかなり広い。木目調で統一された店内は南国を思わせる言いつくり。本当に雑貨屋という言葉が合う。木彫りの置物やエコバッグ。ドライマンゴーからフレグランスやエステ用のオイルまで置いてあるものは幅広い。なんでも買えそうだ。服部さんはすぐにおかしの方に消えていった。俺と隼人は近くにあったエステ用商品コーナーへ。
「エステ商品だけでこんな種類あんのかよ」
隼人は驚いている。これには俺も同意した。
「確かに多い・・まぁ俺は割とエステの印象あるけどね。この国」
「俺たちは男だからエステとか興味ないからあれだが、女性からしたらエステが有名なところなのか」
「もしかしたらホテルにエステあるかもよ?隼人やれば?」
「いや、結構・・あのホテル信用してない」
「あぁ・・否定できない・・」
エアコンがとんでもないところに設置してあったり、シャワー室が極端に狭かったりと、今のところ信用がないホテルなのだから仕方ない。そんな信用がないホテルのエステはいくら腕が良くてもやりたくない。怖くて無理だ。
エステ商品の前でたむろっていたので店員さんに声をかけられた。
「;:./1///%$&’&%%$」
もちろん何を言われたかわからないので隼人に通訳をお願いする。
「なんだって?」
「ん?1番上においてあるエステ用ボディクリームが1番人気だって」
「ほぇ~」
「なんだその返事」
「$#%&$&&%」
再び声をかけられた。隼人が対応してくれた。
「*+*$#$%&&」
「%&&++*‘‘#“#」
なんだろうこの省かれている感は。英語が話せない俺が悪いが、こうもコミュニケーションが取れないというのはキツイのかと実感した。ところどころ知っている単語はあるけども、文章を理解することは不可能なので、無闇に頑張って聞き取ることはしていない。だが、明らかに知っている単語が聞こえた。
「コンニチハ」
俺は目を見開いた。これは恐らく日本語の「こんにちは」のはず。急に店員さんが日本語を発したので驚いてしまった。隼人と店員さんの会話の中で、俺たちが日本人であることを隼人が伝えたのだろう。日本語の挨拶は意外と海外の人にも知られているのだなと感じた。確かに外国人にインタビューしている番組でも「コンニチハ」ってよく聞く気がする。
「ほら挨拶されたから、樹里挨拶し返しな」
「え、あ、うん。こ、こんにちは~」
店員さんは満面の笑みで答えてくれた。めっちゃいい人だ。
「あ、匂い嗅ぎたいやつがあったらテスターで嗅がせてもらえるらしいよ」
「おぉまじか」
エステ商品に力を入れているのが伺える。俺は何個か匂いを嗅がせてもらった。どれも匂いはよかったが、やはり1番人気のものがダントツで良い匂いだった。隼人も1番人気のモノの匂いが気に入ったようだ。とは言え、俺たちはこれを使うかどうか怪しい。けれども、これを母親に買って帰れば、いいお土産になるのかもしれないと考えた。それを隼人に伝えると賛成し、これを母親へのお土産とすることにした。店員さんに購入の旨を隼人から伝えてもらい、在庫を渡してくれた。受け取ったので、他を見るためにその場を離れた。
俺もまたドライマンゴーを食べたいと思ったので、おかしの方に行った服部さんの元へと向かった。




