21.某有名アウトドアブランド
俺たちはどう動けばいいかわからない状態で、固まっている。このショッピングセンターにどんな店が入っているのかも知らないし、そもそも知っているブランドがそれだけあるのかも未知数。これでは動くにも動けない。一応彼らに行きたいところがあるか聞いてみる。
「どっか行きたいところある?」
2人とも同じ答えを即答した。
「いや、店知らん」
「ですよねぇ」
店がわからないのは周ればいいとして、問題は今回の旅が貧乏旅行だということ。さっき財布の中身を確認したが、使えるお金が多いわけではないので、ここで使える予算が少ないということだ。欲しいものがあっても即決で買える程の余裕はもちろんない。一応物価が安いらしいことはなんとなくわかっているため、このショッピングセンター内の商品も安ければ何個か買えるだろう。ここで豪遊できるかはここの物価次第。
「そういえばクレジットカードあるよな」
隼人が聞いてきた。
「あ、ああ。もちろん」
「じゃあとりあえず何かしら物を買うことはできるわけだな。ここであまり現金は使いたくないし」
「そうだけども出来る限りカードは使いたくないな」
「その気持ちはわかるが、日本よりも欲しいものが安く手に入る場合は使ったほうがいいだろ」
「ん~間違いない」
学生なのでクレジットカード上限は高くない。そもそも俺はそこまで高いものを買うつもりは毛頭ないので、カードを使っても大丈夫な気がしてきた。
「じゃあとりあえず施設内をぐるっと周ろうよ」
「そうだな!」
服部さんが促したので、俺たちは歩き出した。1階は食品や化粧品など男の俺たちにはあまり魅力を感じるものがあまりない。ノース〇ェイスは2階にあったため、ファッションブランド等は2階以上にあるのだろう。今のところ欲しいものはないものの、部屋で食べるようなお菓子などを後で買い出しに来た時に余裕があれば買うかもしれない。なので、俺は2人にとりあえず2階へ行くことを提案した。
「ここは食品とか多いから、最後買い出しで使おうや」
「それもそうだな。じゃあ2階行くか。っておい!服部!匂いに釣られて行くな!戻ってこい」
「あ、ごめん。つい!」
良い匂いに釣られた服部さんをこちらに戻した。こんなところではぐれたらやばい。団体行動をしっかりせねば。俺もしっかりとはぐれないように行動しないといけない。
俺たちはエスカレーターに乗って2階へ。2階に来て思ったことは、「人が多い」ということ。観光客が多いのかと勝手に想像していたのだが、現地の人もかなり多く見られるので、より多いと感じる。現地の人にとっても重要な意味合いを持つ施設なのだろう。
さて、我々もショッピングをしたいところ。ウインドウズショッピングとなるか、ちゃんとしたショッピングになるかは神のみぞ知ると言ったところ。
「ノース〇ェイス行くぞ!」
俺は先陣を切ってエスカレーターから店舗へと向かった。二人も着いてきた。お店に入るとこの店舗はファッション系ではなく、本格的なアウトドア系の商品が多いものだった。テントだったり、寝袋であったり。本格的なキャンプ用品が目立つ。
「あれ・・知ってる店だったけど、なんだろう・・・違う」
俺は率直な感想を述べた。隼人も同じことを思ってたようだ。
「そういえばここってアウトドア用品の店だったな」
「まぁそうだけど」
「日本だとファッションの店舗が多いからちょっと拍子抜けしちゃったけど」
「一応売ってるんだよね。服」
俺はすぐそこにあるTシャツを指さした。
「うん。あるけど少ない」
「これだけだもんな」
「とりあえず樹里買えば?テントでも」
「いらんわ」
安いかもしれないと一途の望みを持って一応の確認をした。
「樹里どうだ価格は」
「高っ!相場わからんが、高い気がする!」
「あ~まじか。服部。お土産にどうだ?」
アウトドアのランプを見てた服部さんは急に話を振られて驚いた。
「え!?隼人何!?」
「これお土産にどう?」
「え、あぁ、え、」
俺と隼人の会話を聞いていたわけではないのでボケを振られているのか、本気で言われているのか、どちらが正解なのかかなり葛藤しているのが伺える。頑張ってボケをひねり出している顔な気がする。
「い、いらないかな」
「ボケないんか!」
「いや!急に無理だよ!?隼人君!?」
「あ~急に振られたら無理か。悪い悪い」
「でも、ここでボケられたら面白かった・・か」
「服部!?芸人みたいな反省辞めてよ」
誰もキャンプ等アウトドアの趣味を持ち合わせていないため、ここで買うものは残念ながら無い。しかも、買っても大きすぎて持って帰れない。いい商品なのはわかっているけども、今回はお店を去る。今度来ることがあったらアウトドア趣味の友達を連れてこよう。
「よし。作戦会議」
隼人の掛け声で俺たちはベンチに腰掛けて話し合いをした。貧乏旅行なのでここではあまりお金を使えない。お店に片っ端から入店するのは流石に面倒くさい。何もしないのも時間の無駄。なので、とりあえずこの階を周ってみることになった。気になる店があったら入る立ち回りにした。もしかしたら普通に知っている店が出てくるかもしれない。そしたら入ればいいのだ。
「作戦も決まったし、行くか」
「はーい」
ノース〇ェイスとはお別れをしてショッピングセンターの2階を改めて散策し始めた。




