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14.1日目昼食

「ハーイ!!お昼デーース!」

「待ってました!」

「お腹空いたね」

「やっとか」


各々空腹を露わにする発言を述べた。なんせもうお昼を食べる時間はとっくに迎えている。バナナがあったため、耐えられない空腹に到達することは脱している。どこで食べるのかはこれまた不明。またみんな目的地を聞かない。聞いても分からないけども、何も聞かないのもどうだろうか。俺らはどこに連れてかれるか分からないドキドキを楽しんでるかもしれない。ただ気にしてないだけだろうけども。現に車が出発して、昼ごはんを食べることを伝えられてから雑談しかしていない。


「腹減ったな」


目的地を待ちわびているかのように、窓の外を眺めながら俺は言った。


「そろそろデスから待っててネ」


ミゲルはそう言うとジェームズと何か話をしだした。聞き取れた単語的には駐車場のことらしい。それ以上の情報は何も得られなかった。次は駐車場があるということは、もしかしたら大きい店なのかもしれない。憶測だけどもワクワクする。


「おい隼人。もしかしたら大きい店かもよ」


得意気な顔で隼人に耳打ちした。


「大きい店って…言い方もっと何かあったろ」


呆れられてる気がする。


「いや、駐車場という言葉が聞こえて、広い場所なのかな〜って」

「個人店とかじゃなくて、チェーン店とかかもよみたいな感じで言った方がいいって」

「おぉ、これで俺は語彙力がレベルアップした」

「ふしぎなアメでも使ったんか」

「せこいことはしない主義でな」

「ほぉ、偉いな。んで、大きい店はどこなのかね」


訂正することなく、そのまま大きい店という単語で話を進めてきた。


「さぁ?もうちょっとで着くっぽいよ」

「そろそろ…お?あれじゃね?」


隼人の指さす先には広い駐車場。なるほど。複数の店舗が展開されている、まるで小さなアウトレットのような場所だった。ショッピングセンターみたいに商業施設の室内に店があるタイプではなく、外の通路からそれぞれの店に入るタイプ。アウトレットがわかりやすい例えになるはず。

駐車場に近づくとジェームズがウインカーを出して曲がる意志を示したので、ここが昼飯場所で確定した。非常に楽しみ。

警備員などはおらず、自由にジェームズは空いてるところに駐車した。

下車すると服部さんは一言。


「暑っ…」


車内はクーラーがかかっていたし、何しろここに来る前のヤップサンディエゴアンサストラルハウスは室内。暑さを感じにくい仕様だったことが影響し、再び日が照る場所に降り立った瞬間暑さを再認識してしまった。加えて駐車場は暑さを感じやすい。


「うわっ。これはかなり暑…」

「では!食事しマーースよ!!」


隼人の暑さ報告はミゲルの言葉が被さったため、かき消された。ミゲルもお腹が空いているのだろう。そして、隼人の声が小さかった。不可抗力だ。

今回はジェームズも同行し、共に食事をする。車内以外でのジェームズを見るのはこれが初めてだった。


「え、デカっ」


予想よりも背が高かった。並んでいるミゲルがあまり大きくないのもあるが、だとしても大きい。二人も共に驚いていたが、外国人なら背が大きい人いても不思議ではないという結論に至ってこの驚きは収束した。

それよりもご飯だ。観光スポットではなくただの屋外施設なので一般人が沢山いる。つまり、ミゲル達を見失ったら即アウト。連絡手段をもたない我々にとって、ミゲルを見失うことはジャングルで地図を無くすことと同義なのである。かなりの暑さの中で俺はミゲルの後ろにピッタリ着いて「見失いたくない」という確固たる意志を示している。隼人と服部さんも真横にいる。

ミゲルは階段を上り2階へと向かった。どうやら1階の店ではないらしい。我々はキョロキョロしながらピッタリ後ろに着いている。さながら変人だ。


「まさかの2階だと・・てっきり1階だと・・」


謎の同様が見え、隼人らしからぬコメントだった。恐らくではあるが、隼人に限らず俺と服部さんも空腹でおかしくなってきている。たかが階が1階から2階になったことでひどく驚いていることから頭の情報処理がままなっていないことが伺える。1階だと勝手に決めつけ、それが外れたというだけなのに。


「おお・・・飲食店が並んでいる」


1階が服屋や雑貨屋などがあり、2階は飲食店が並ぶというスタンスらしい。この中のどこかが我々の食事場所。さて、どの店なのか。いよいよ食事を間近にして緊張感が走る。フライドチキン店があるのは見た目で直ぐにわかったが、そこはすぐに通り過ぎた。お腹が空いている時のフライドチキンの匂いはかなりのテロだ。空腹をさらに刺激する。俺はただでさえ空腹がピークに達しているのにも関わらず、追い打ちを掛けられたせいで腹の虫が頻繁に鳴くという羽目になった。


「樹里・・君かい?お腹鳴ってるの?」

「服部さん。フライドチキンの匂いを嗅いで体が反応しないわけないだろう」

「俺も食べたいね」

「だろ?だが!今回はフライドチキンではない。他の食べ物を楽しもうじゃないか」

「うむ。そうだな樹里」


フライドチキン店から5店舗ほど進んだだろうか。ミゲルは急に止まった。


「ハーーイ!ここデス!」

「これは・・・何屋だ?」


俺たちの目の前に現れたのは綺麗なファミレスのようなものだった。東南アジアらしさはあまり感じないお店ではあるものの、何やら美味しそうな匂いはする。ミゲルは何故ここを選んだのか。隼人と服部さんも疑問がありそうな顔はしながらも、美味しそうな匂いを嗅いだら笑顔になった。


「入りマスね」


ミゲルを先頭に我々は食事の場「ファミレス」へと入っていった。


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