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Aureum  作者: demogorugo
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1 「アリアナ」

初の長期投稿にしようと思っております。

まだまだ拙い部分が多いので基本的には物語にできるだけ影響しないように修正しながら続けて行こうと思っております。

投稿頻度は遅くなると思います。

by demogorugo

アルド人。


 その昔この世界で最も繫栄し最も強大な力を有していた存在であった。それこそ世界を支配することも難儀ではないほどに。



 だが歴史上からが残した痕跡は少ない、彼らは自身の土地で慎ましく暮らし、時折に来る侵略者を追い払うだけだった。


 だが今、アルド人はほとんどいなくなってしまった。


 かつての彼らを熟知しているものはほとんどいなくなってしまった。



 黄金の種族だと言われた過去の栄光を知る者は、魔道具に身を包んだ剣士と


 神の座に居座り続ける一柱の神だけだろう。




---




 突然身体が妙な感覚を感じて目が覚めた。


 冷や汗だろうか、寝間着が湿っている、特に股間のあたりが…


「やばい…」


 アルド人の少年、ギメルは察してしまった。


 俗に言うお漏らしという奴だ。


 コレは非常に良くない、それはなぜか。


 まずは彼の母さんに発見され、「10歳までは許してやる」と言われながら家の外に布団を自身の下着と一緒に干されることになる。


 しかもそれだけじゃない、次に干されたものを近所のじいさんとばあさんが発見。あっという間に話は広がる。


 そしてその日、挨拶がわりにこんなことを言われるだろう。


「ギメルくんまた漏らしたの?」と


 年下の奴等から、満面の笑みで…


 二つの意味で干される前にギメルは行動を開始した。


 まずは時刻を確認、五つの記号が割り振られている時計を見る。それぞれの記号が示すのは


朝、昼、夕方、夜、真夜中だ。


 指針はまだピッタリと真夜中を指している。

 それにしては外が明るいが…


 とりあえず余計な事を考えるのはやめて布団をどう処理するか考えよう。

 ギメルの思考では燃やすという方法が第一に浮かんでいた。


 そんな事を考えていると外から鐘の音が聞こえてきた。

 朝の訪れを告げる村の鐘の音である。


「ギメル朝だぞ!起きろ!」


 ほぼ同時に処刑人がドアを蹴り飛ばすような勢いで部屋に入ってきた。

 入り方についてはこのようにしないとギメルは起きないからである。


「ん?お前が朝から起きているとは珍しいな。」

「あはは…ご、ごきげんうるわしゅうございますお母様。」


 ギメルは左手を胸に当て、少ししゃがみながら頭を下げた。

 …訂正しよう彼女は処刑人ではない。尊敬すべき自身の母親であるシャロさんだ。


「一体何処から覚えてくるんだそんなの。

…お前なんか隠しているだろ」

「そ、そんな事ないですよ?」

「口調がおかしいんだよ!」


 ギメルはいつもシャロに対してため口である。


 シャロの目には透き通る様な声で言葉を発し、自身に頭を下げるギメルの姿は気持ちの悪いことこの上なかったのである。


 シャロは一直線にベッドへと向かった。


 ギメルの思考は一瞬停止したが、何かに打たれたかのように意識を取り戻す。


(…まずい!)


「おおっと!足が滑ったぁー‼︎」

「?!」


 ギメルは僅かだが一歩後退り、助走をつけ、全力のスライディングキックを繰り出そうと…!


「アホか!」

「うわああぁ!?」


 したが、出した脚を掴まれそのまま壁に叩きつけられた。


 アルド人は頑丈である、その身体は壁にめり込むほど投げ出されたにもかかわらずかすり傷すらつかないほどに。


「はあ…またか…」


 肉体的な傷はつかなかったが、心の傷は深くなったギメルであった。


 そしてどうやら時計は数日前には既に機能が停止していたらしい。




---




 今日の天気は晴れ、雲一つない快晴である。気温はこの村が属する大陸が寒帯であるのでかなり寒いが。


「今日もいい天気だなぁ」

「ギメルの兄ちゃん、今日もまた漏らしたの?」

「ああぁ!!」

「えっちょっと待っ!」


 こんなことを言われたら例え年下だろうが関係無い、片手で胸ぐらをつかんで持ち上げる。

 こいつの名前はクォー。

 俺よりも2つ下の獣人族だ。

 といってもこの村は俺と母さん以外は全員獣人である。

 訳あってここの村の子供たちは俺にあまり関わろうとはしないが。

 時折例外がいる、特に好奇心旺盛な奴らだ。


「うるさい!お前もどうせやってたんだろ?」

「ちょっとまって兄ちゃん…僕を出すのは、それは情けないんじゃない?だって兄ちゃんよりも…ちょ落ち着いて!」


「おい、ギメル!」


 お、元凶が来た。

そしてこの状況もしかしてはたから見ると年上が年下の子の胸ぐらをつかんでいるようにしか見えないのではないか?

 いやまあ実際にその通りだけどさ。


「あ、シャロさん!」

「…ギメル、まずは聞こうか、どうしてこうなったのかを」

「え、えっと…」


 クォーを降ろした。

 事情を説明すると母さんに「頭を冷やせ」と水をぶっかけられた。

 かけられた水は熱によってすぐさま水蒸気となった。あと急に頭がクラクラしてきた、それと視界が明滅して…


クォーは俺と少し距離を置いて「うわ~…ねえみんなこんな感じなの?」と

母さんに問う。

「安心しろクォー、私達の一族でこんな変な奴は滅多にいないからな」


 と母さん、つまりそれは俺が特別だってことだ、良かったな。


「どうなってるのあれ?」


 母さんの後ろから声が聞こえてきた。

 よく見たら何人かいた、気づかなかったぞ。

 全員俺と大差ない位の年齢の子供たちである。

 もしかして最初からいたのか?

 まあお前たちは苛立ってるとき、頭に水をかけても水蒸気にはならないもんな。


 母さんが来ると少し離れたところからでも子供たちが群がってくる。

 ここにきてから数年が経とうとしているがやはり珍しいのだろう、アルド人の容姿は獣人とはまるで対照的であるといっていい。


 大抵の獣人の四肢なんかはふっさふさで、耳が長いのが特徴として挙げられるが。

 ギメルとシャロの四肢の色は真っ黒、そして鋼の様に硬く、ちょっやそっとのどでは傷なんて負うことはない。


 自分とは違う特徴を持っている人物っていうのは興味がわいてくるのが自然だと思う。

 全く接点がなかったとしてもチラチラとみてしまうし、どうなっているんだろうと思ってしまうのだ。

 俺もいつだったかここら辺の子供たちを追いかけまわしていた時期があったな…


 そのせいで俺と一定の距離を置くようになってしまった子供たちが多くなってしまった訳だが。


 そういえばそうそう、あそこにいる女の子とか…


「ヒャッ!」

「…グルルルル…!」


 うん…悪かったと思っているよ。


 だけど挨拶はちゃんと返してくれるところは優しいと思ってる。


「シャロさんまたお話聞かせてよ~。」

「今少し用事があってな、ギメルに聞かせてもらえ。」

「ええ…」

「やだよ。ギメル君怖いし。」


 母さんがこちらを見た。

 何だろう身に覚えは少ししかないんだが。


「ギメル、お前はあと3日で9つになる、

いつも教えているがいい加減やっていいこととやってはいけないことの区別くらいはつけられるようにしろ」

「…」


 ギメルは押し黙り、両手の人差し指を押し付け合う、彼はシャロを除けばこの場では年長の部類に割り振られる。

 それを考えるとやはり情けなくなってしまうのだ。


「あ、おい!」


 ギメルは振り向き、全速力で走り出した。


「ちょっと言い過ぎたか…?」


 シャロは追わなかったこんな時ギメルが行きそうな場所は熟知していたからだ。


 

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