アヘール国立自然公園
アヘっていいとも
ありのままの自然をそのまま保護しているアヘール国立自然公園。緑豊かな場所に大小様々な生き物たちが生息しており、一般の人でも気軽に立ち寄れる人気スポットである。
「教授、本日は宜しくお願い致します」
「お願い致します」
「うむ、此方こそ宜しく!」
アヘール大学で講師を務める【スケベー教授】はその日、自然公園に生息する生物達を調査、観察する為に二人の助手を呼んでいた。
一人は【ムッツリーナ・チチバカリ・ミテルー】という男の子。スケベー教授の下で学ぶ大学生である。
もう一人は【エクレア】。スケベー教授の娘である。スケベー教授とは違い勉強が苦手で、彼女の座右の銘は『1+1=いとをかし』である。
「さて、早速参るぞい!」
「はい」
「はーい♪」
三人は揃って自然公園を歩き始めた。自然豊かな公園に鳥のさえずりが響き渡り、まるで三人を歓迎しているかのようだった。
んほぉ……
「ん? 教授今の鳴き声は?」
「うむ、この公園に生息する【アヘェ鳥】じゃな! アヘェ鳥はこの時期になると独特の鳴き声でメスを呼ぶ習性があるんじゃ」
「可愛い声~♪」
ピー ピー
ピロロロロ……
んほぉ……
様々な鳥のさえずりが入り混じり、それだけで多種多様な生物が居ることが窺えた。
ピーピー
ピロロロロ……
んほぉ……
んほぉぉぉぉ!!!!
「教授、今の一際強い鳴き声は!?」
「あれはココの警備の女騎士の声じゃな」
教授が指差した先には、自動販売機の下で手を伸ばす女騎士が居た。
「んほぉぉぉぉ!!!! 500円落としちゃったにょぉぉぉぉ!!!!」
「可愛い声~♪ 私も女騎士になりたーい!」
「ええっ!?」
何を思ってそう発言したのかは不明だが、エクレアは女騎士に憧れた。
公園を中程に進むと、川が流れており、そこにすむ水辺の生き物たちが三人を出迎えた。
「教授! ワニが居ますよ!?」
「うむ、アヘルダイルじゃな。時折可愛らしいアヘ声を出すことからその名が着いたとされておる」
んほぉぉぉぉ!!!!
「今のが鳴き声ですか!?」
「いや、あれはそこでアヘルダイルに食べられておる女騎士の声じゃ」
「んほぉぉぉぉ!!!! ワニさんに食べられちゃうにょぉぉぉぉ!!!! お嫁に行けにゃぃぃぃぃ!!!!」
教授が指差した先には、すっぽりと齧られ口から頭だけが出ている女騎士が居た。
「可愛い声~♪ 私も女騎士になりたーい!」
「えええっ!?」
何を思ってそう発言したのかは不明だが、エクレアは更に女騎士に憧れた。
更に公園を進むと広い原っぱが広がっており、一見生物が居なさそうであったが、教授が地面を探ると地中に生息する生物たちの巣穴らしき穴がチラホラと見受けられた。
「ここにはアヘウサギやンホオモグラが生息している。耳を澄ませば彼等の暮らしの音が聞こえてくるぞい」
「へー……」
「どれどれ~……」
二人が耳を澄ませ眼を閉じると、ほんのりと土の中から『んほぉ……』と声が聞こえてくるのが分かった。
「教授、聞こえます!」
んほぉぉぉぉ!!!!
「!?」
そのけたたましい鳴き声に目を見開いたムッツリーナ。すると前方で落とし穴にハマって足をジタバタとさせている女騎士が懸命に助けを求めアヘっていた。
「んほぉぉぉぉ!!!!たしゅけてぇぇぇぇ!!!!」
「きょ、教授!?」
「うむ、今日も平和じゃな!」
「決めた! 私女騎士になる!!」
「!?」
その日、エクレアは女騎士になった。ムッツリーナは訳の分からない自然公園から離れようと、教授の下を去りパン屋で働き始めた。
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