第八話 ライバル?
もっと人に見られたい…
優雅な昼休み、俺は今……黒く長い髪をした美女に壁ドンされていた。
「あの………何でこんな事になっているのでしょうか……美緒さん……」
なんで、美緒さんが俺に……
事件が起きる2時間前、俺のクラスは化学の実験のため化学室で授業を受けていた。
化学室の後の机で授業を受けていると、紫苑が近づいてきた。
「なあ、駿…頭大丈夫か?」
「唐突な悪口やめろ」
「ちげーよ、昨日あいつ庇って頭から血流したんだろ?」
「は!?なんでお前その事知ってんだよ!」
確かに昨日、桜とデートした時俺はボールから桜を庇い、頭から血を流したが…紫苑に言って無いのになんで知ってるんだよ…
「見てた!」
「はぁ?」
「お前らがゲーセン行くとこから、カフェ行って河川敷を歩いているまで見ていた」
「ストーカーかよ!」
「俺だって辛かったんだ…お前らがイチャイチャしてるのを目から血が出そうなくらいに見てたからな……くっ」
いや、『くっ』てなんだよ…普通にストーカーだよ怖いよ。そんな会話してると先生が
「じゃっ4人班作って、実験始めてくれー」
ああ、班実験か…とりあえず誰か探さないと。
「よし!駿班組むぞー」
「お、おう」
やっぱりこいつとなるか…あと2人誰にしようとキョロキョロしてると髪が白と黒の美女が近づいて来た。
「あ、駿くん班探してる?よかったら一緒にやらない?」
「くるみさんと美緒さん」
「どうも…」
あれ?なんか美緒さん機嫌悪い?しかもなんか睨まれてるような……
「ああ…ごめんね美緒今日ちょっと気分が良くないみたいなの」
ああ、女の子の日なのかな…辛いって姉ちゃん言ってたしな
「大丈夫?美緒さん」
「大丈夫です……」
う…睨んでくる美緒さん怖い…でも仕方ないよな。
そうして俺達は班を組み、授業を進めていると美緒さんが俺に睨みながら話しかけてきた。
「……駿さん、昼休みもしお暇だったらちょっと付き合ってください……」
「は、はい…」
そう言って美緒さんはくるみさんの隣に戻って行った。授業も終わり、俺達は自分のクラスへと戻っていた。
「さっき、星空と何話してたんだ?」
「なんか昼休み少し付き合ってくれだって」
「何!お前また俺以外のやつに手だすのか!?」
「人聞きの悪いこと言うな!なんか用があるだけだろ」
でも気分悪いのに俺に用あるってよっぽどの事なのかな?そして自分のクラスに着き次の授業の準備をした。
そして4時間目の授業も終わり、学校に昼休みを告げるチャイムが鳴った。
「駿さん…ちょっとよろしいでしょうか」
「あ、うん」
「あれ?2人ともどこか行くの?」
「ごめんなさい、くるみ先に食べててください。」
「大丈夫待ってるよ」
ああ、くるみさん今日もいい人だね…
そして俺は美緒さんに連れられて、なぜか立ち入り禁止の屋上の入り口へと来させられた。
「あ、あのなんで俺はここに来させられてるのかな…?」
「お話があるんです」
そう言うと、美緒さんは近づいてきていきなり壁ドンされた。
「え?…あの………何でこんな事になってるのでしょうか…美緒さん」
「駿さん……これ何ですか?」
そう言って美緒さんはスマホを取り出し、俺に写真を見せてきた……その写真を見ると昨日俺と桜がゲーセンで遊んでる写真だった
「な!なんで」
「他にもこんなのもありますよ。」
そして美緒さんは笑顔で、プリクラに入る写真、カフェであーんしてる写真を見せてきた。
「この桜色の髪の子前クラスにきた一年生ですよね?なんでこんな事してるんですか?」
「い、いや遊びに行っただけだよ」
そう言うと美緒さんは顔をずい!っと近づけてきた
「遊びに行っただけでこんな事をするわけないでしょ!本当のこと言って!」
めっちゃ怖い!なんで俺こんなに怒られてんの?てか、敬語じゃなくなってるし…
「えーと俺と桜は一応付き合っていて……その…昨日はデートってことで…」
「男同士なのに?やっぱり駿さんはホモなのですね、紫苑さんがいるじゃないですか…『清高最愛夫婦』」
「いや、それは周りの奴が言ってるだけで、俺は普通なんだ!紫苑は腐れ縁みたいなやつで…」
「男と付き合ってる人に言われても説得力無いですよ」
う…確かに、見た目女の子みたいでもあいつは男だしな……ん?てか何で美緒さんそんな写真撮ってるんだ?
「てか、なんで美緒さんその写真持ってるの?」
「つけてましたから…」
「へ?」
「だから、つけてました。くるみと一緒にあなた方が行った所も私達も行ってましたから。」
「へ?じゃあ昨日の事全部くるみさんに見られてたってこと?」
それだったら、俺は死ぬしかない。
「いいえ、くるみはゲームセンターでは普通にゲーム楽しんでいましたし、カフェではパフェに夢中だったので気づいてないですよ。それだったら多分話しかけてますし。」
よかったー……ってなんでこの人俺達のことつけてたの!?
「あ、あのなんで俺達のことつけてたの?」
「桜くんを見てたかったからです」
は?
「私は桜くんが好きなんです…あのふわふわな桜色の髪に、小柄で小動物みたいで、それにあの可愛い顔して芯のある子…すごくいい子じゃないですか!それなのに…男のあなたと付き合ってるって何ですか!ふざけてるんですか!」
まあ、言いたいことは分かるけどその前に昨日ストーカー2人もいたの?それに今日機嫌が悪かったのは俺が桜とデートしたからか……
「だから私は、好きな人が男と付き合ってるなんて耐えれません!だから桜くんは私がもらいます!あなたは他の人と付き合ってください」
「ちょっと、それは桜の気持ちが……」
「それだったら、あなたより私を好きさせればいい話です。…駿さんだって女の子と付き合いたいんでしょ?」
た、確かにそうだけども
「なので、あなたは私の恋のキューピッドになってください。そして、私達で今度遊びに出かけましょう。昼食とかでも誘ってください」
「そ、それは…」
「くるみとも遊べるかもしれないですよ?」
「わかった」
そうして、俺達は手を組んだ……てか、この人にもバレてんの?俺
くるみの出番が少なくてどうしよう…