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第七話 デート(下)

レビューあった嬉しい

ゲーセンを出た俺達は、今学校でも話題になっているカフェへとやって来た。


「う〜ん、ここのイチゴパフェ美味しです」


「そうか、良かった…俺のチョコレートパフェやるから少しくれないか?」


「は、はい!どうぞ」


「おう、ありがt…何してるんだ?」


ありがとうと言う前に桜がイチゴとクリームを乗せたスプーンを俺に差し出してきた。


「は、はい先輩、あ、あーんしてください」


自分でも恥ずかしいのか桜の顔がイチゴみたいに赤くなっていた。


「ちょ、桜…恥ずかしいって」


「一度先輩にしたくて…ダメ…ですか?」


う、可愛い……


「わ、わかったよ」


「はい、先輩」


俺は桜から一口イチゴパフェを食べた、生クリームのほどよい甘さと、イチゴの甘酸っぱさが良いアクセントになっていてすごく美味しい……けど周りからの視線とクスクスと言う笑い声が聞こえる。


「さ、桜早く出よう」


「そ、そうですね」


そう言って俺達は急いでパフェを食べてカフェを出た。


「す、すみません先輩あんな事しちゃって」


「いや、ちょっと驚いたけど大丈夫だよ」


「うぅぅ……恥ずかしいです…」


夕日も落ち始め、俺達は河川敷を歩いており、すぐそこでは野球をやってる子供達の姿が見えた。


「でも今日は楽しかったぞ…ありがとな」


「いえ、そんな…僕が誘ったのに先輩に任せちゃって」


少し会話していると、俺はふとゲーセンで思った事を聞いた。


「なあ…桜」


「はい?」


「どうして俺と付き合いたいと思ったんだ?」


「そ、それはですね」


「俺らは男同士だ…よっぽどの事が無ければ俺に好意を寄せるわけないし…悪いけど俺は昔お前に会った記憶が無いんだ…」


「やっぱり先輩は覚えてくれて無いんですね…」


「え?」


「じゃあちょっとしゃべりますね」


そう言って桜は昔の話をしてくれた。


「僕、小学校の頃この髪や、見た目のせいでよく…男なのにって、いじめられてたんですよ……だから当時、自分の髪とかが嫌いで…」


そう言うと、桜の表情が暗くなっていくのが見えた。


「ご、ごめん…そんなつらい事思い出させて」


「だ、大丈夫ですよ…」


桜はそんなつらい事を押しのけて話を続けてくれた。


「僕が小学校五年生の春に、公園でいじめられていた僕を助けてくれたのが先輩だったんですよ。」


え?俺そんな記憶無いんだけど……



『おい!お前ら何してるんだ!」


『やっべ、六年生だお前ら逃げろ!」


『おい、大丈夫か?』


『え?は、はい…』


『お前すごい、髪だな。』


『やっぱり変ですよね…こんな髪…』


『いや、お前の髪、桜みたいですげー綺麗だな…俺好きだぞ』


『え?』


『あ、やべぇ!俺早く帰らないと姉ちゃんにボコボコにされる!じゃあな』


『あ、あの!』


『ん?』


『な、名前を教えてください』


『森谷駿!お礼とかいらねーから、じゃあな』



「って事があったんですよ…」


やべぇ…完璧に俺だ…確かあの時女の子がいじめられてると思って助けたんだっけ。


「そ、それで俺に好意を寄せたのか?」


「いえ、その時はまだ…けどお礼は要らないって言わらたんですけど、お礼をしないとって思ってたんです。けどなかなか言えなくて先輩も小学校卒業して、僕も親の仕事で引越ししちゃって」


「じゃ、じゃあなんで…」


俺が声を発したその時


「危ないです!!」


子供の声が響き、上を見ると野球をやっていた子供達の野球ボールが桜をめがけて飛んできた、桜は気づいて無い……


「おい!!桜危ない!!」


「え…?」


バコン……


なんとか桜を(かば)ってボールは桜に当たらなかったが、その代わりに俺の頭にぶつかった…めっちゃ頭がクラクラする…やべぇ頭から血が出てきた…


「先輩!先輩!」


「あ、大丈夫、大丈夫…気にすんな」


「ふらふらじゃないですか!」


「大丈夫だって」


「また……また、助けて貰っちゃったじゃないですか…」


「お、おい泣くなよ……」


桜は大粒の涙を流していた、あれ?前にもこんな事があったような……


あ、そうだ確か去年の夏、学校の夏季講習の帰りにうちの高校の野球部が打ったボールがフェンスを越えて……


『おい!お前あぶねぇ!』


『え?』


俺はその子を押し飛ばし、そして俺の頭にボールがぶつかり、意識が朦朧(もうろう)としていた。


『ごめんなさい!僕のせいで…え?駿…先輩?』


『おい!君達大丈夫か!』


『僕は大丈夫ですけど、この人が!』


『待ってろ、今すぐ救急車呼ぶから』


『駿先輩…ごめんなさい、ごめんなさい、また助けられて…』


救急車に乗せられた俺が最後に見たのは、大泣きをしている桜色の子だった……そして気がつくと俺は病院のベットの上で、泣きついてくる紫苑とホッとしたような顔をする家族の姿だった。


ああ…そうか、あの時も助けた子は桜なのか。


「先輩もう大丈夫ですか?」


「あ、ああもう大丈夫だ、血も止まったし、ちょっと去年のこと思い出してな…」


「あの時も先輩に助けられましたね。」


「ああ、まぁ今回は去年より大事(おおごと)にならなくて良かったな」


「救急車でしたもんね、引越して帰ってきたらあんな事になっちゃって、でもあの時先輩にまた会えて良かった…再会は最悪でしたけど嬉しいかったんですよ」


「人があぶねぇ時に何を思ってるんだよ」


「ごめんなさい、でも庇ってくれた先輩かっこよかったです。だから僕は先輩が好きになったんですよ。小学校の頃にいじめられてた僕を助けてくれて、自分が嫌いだった物を好きだと言ってくれた先輩が…」


「そうか…」


「そして神様のおかげなのか、先輩と同じ学校に入れて、始業式に会えたんですよ。だから思いきって告白したんです。」


桜の話しを聞くととても嬉しい……けど…


「ありがとう桜、でも俺は……普通に女の子と付き合いたいんだ」


ごめん桜、やっぱり俺は普通に女の子と付き合いたいと思ってるんだ。


「そうですか。でも僕は先輩を離したくないので、ダメです。」


「ええ?」


「だから僕が先輩を好きにさせます!」


ん?


「先輩に僕を好きになってもらうように僕は頑張ります!だから覚悟しててくださいね、先輩!」


そう言って桜は無邪気な子供みたいな笑顔をした、その笑顔は沈む夕日の光と合わさり、目を奪われるくらいに美しく俺の目は桜の美しく可愛い笑顔に……釘づけになった。そしてその一瞬


あれ?なんだろうこの気持ち……





めっちゃ終わりそうな雰囲気だけどまだ続きます。

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