第十話 ボーリング
ごめんなさい、春休みの宿題が終わらなくた遅くなりました。
日曜日…俺は今とぼとぼと、ボーリング場へと向かっていた。というのも金曜日に美緒さんが桜に近づきたいがために決めたことである…まあ俺にとってはくるみさんと近づけるチャンスだよね!
「おーい駿くんー」
ボーリング場に着くとそこには、桜色のワンピースを着た、くるみさんが手を大きく振っていた。
「お、おはようくるみさん…みんなは?」
「んーまだ来てないみたい」
「そっか…」
おお、まさかのくるみさんと2人だけ!な、何しゃべろう…今日天気いいですね?その服可愛いですね?いやいや…そんなつまらない質問は……
「駿くん今日お洒落だね、かっこいい」
「え…そ、そう?姉ちゃんがファッションの学校行ってるから時々俺に買ってくれるんだ」
「へーお姉さんファッションの学校行ってるんだーすごいね!」
「くるみさんも桜色のワンピース綺麗で春ぽくってよく似合ってるよ…」
「えへへ、ありがとう!」
うわーめっちゃ可愛い…守りたいこの笑顔をていうCMとか来たそうだもん!そんなアホなことを思っていると美緒さんと紫苑と桜の姿が見えた
「おはようございます。ごめんなさい2人とも、待たせちゃいましたか?」
「ううん、今さっき駿くんも私も来たところだし全然問題ないよ」
「おはよう駿」
「おはようございます!先輩」
「おう3人ともおはよう」
挨拶を済ますと美緒さんがボーリング場に指をさして急かすように
「さあ、さっそく行きましょう」
そして俺達は受付で名前を記入し、靴を借りて指定されたレーンに着いた。
「そんじゃ、荷物置いてボール取りに行こうか」
「あ、荷物番いちおういた方が良いよね?」
「あ、じゃあ私と駿さんでやりますよ。皆さんはボール選んで来てください。私達は後で行きます。」
へ?聞いて無いんですけど…てか、美緒さんと2人とか絶対桜の話になるし、ここは…
「じゃ、じゃあ俺がやってるから…美緒さん選んで来ていいよ」
「いえいえ私も一緒に荷物番しますよ…それとも私と一緒じゃやだって言うんですか?」
くそ…この人全然動じねぇ。しかも何で涙目になってるの!?
演技上手か!
「わ、わかりました」
「じゃあ私達で荷物預かっておきます」
そうして俺は美緒さんとで荷物番になる事になった。まずい、気まずい…するとお洒落なジャケットを着たホモが来た。
「おい駿、お前のボールも持ってきてやるよ。どんなのが良い?」
「あ、まじで?あーお前と一緒のやつでいいや」
「そ、それは俺とペアルックがいいと…そしてボールを取ろうとした俺とお前の手が触れ合い、そして…」
「公共の場で変な妄想するな!」
こいつはどこでも頭の中お花畑か…
「先輩、何か手伝う事ありますか?」
「え、いやとくに…」
すると美緒さんの方から殺気だった気配を感じ、振り向くと案の定美緒さんが、笑顔で睨んでいた(?)
「あー桜悪いけど、美緒さんのボール持ってきてもらえないかな?」
「え?駿くん美緒のだったら私が持ってくるよ?」
「いや、女の子にそんなことはね……な桜」
「そうですね…」
え?なんか桜怒ってる?
「えっと、美緒さん?ボールどんなのがいいですか?」
「ごめんなさい、桜くん…私軽いボールでお願いしてもいいですか?」
「わかりました」
桜がそう言うと、3人はボールを取りに行った。
俺と美緒さんの2人だけになってしまった。すると美緒さんの口が動いた
「で、駿さんボーリングってどうやるんですか?」
へ?
「私、こうゆう所来たことなくて実は初めてなんです。」
「え?でもさっき受付とかスムーズにやってたし、ボーリングすすめたって事は得意じゃないの?」
「受付とかはスタッフの方の言う通りにやっただけですし、それに…」
すると美緒さんはもじもじし始めた。
「ボーリングしたかったんです。」
そんな理由で得意かもわからない事を好きな人の前でやろうと思ったんだ?
「でもカラオケとか…」
「私歌が下手なんです…」
あーなるほどね、それだったらボーリングの方がいいな…すると3人が帰ってきた。じゃっかん1人死にかけてる奴がいた。
「お待たせー」
「おかえりなさい、桜くん大丈夫ですか?」
「だ、大丈夫で、です」
「悪い、桜…俺が無茶な事言っちゃって」
桜が死にそうな顔でボーリングのボールを2つ抱えてきた。けどすごく軽いボールだった。
「それじゃあボーリング始めようか」
「あ、駿くん一個良い?」
「ん?なにくるみさん」
するとくるみさんが、にやにやしながら言った。
「普通にやってもあれだから最下位の人みんなにジュースっていいんじゃない?」
「あー罰ゲーム?別に良いんじゃないかな?みんなは?」
「私は問題ないですよ?」
「俺も問題は無い」
「ぼ、僕はーそのーまあ、問題…ないです」
桜がすごく不安そうだけど……
「じゃあ決定な」
そして俺たちのボーリング大会が始まった。
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