4話「バトルと秘密」
少し投稿が遅くなりました!すみません!
後程改稿予定。
「取り敢えず俺は遊び程度に修行でも……バトル開始」
スラリとしたスタイルの赤いヒラヒラの服を着ているロボットがラーラーラーと陽気に歌いながら襲ってくる
「……」
パンチをヒラリとかわしカウンターで胸ぐらを掴み足を引っ掛けて浮いた体を胸ぐらを掴んだ手で地面に叩きつける
「バトル終了……退屈だな、勇者どうなったんだろ?ま、いいか。」
馬原は少し勇者の強さが気になりつつあった。
「あ、そういえば」
リリの所でも行ってこよ
バトル場から出てお嬢様達に
「ちょっと外出ていいですか?」と聴くと、不思議そうな顔で
「もうすぐ雨降るけど……」
と返され、馬原は
「雨降る外が好きなんです。」
というと「許可制ではないからお好きにどうぞー」
と言われ馬原は外に出た。
草原の隣の森、なんだか神秘的だな。
そう思いながら草叢を歩いているとポツリ、腕に一滴の冷たい何かが当たる、雨だ。
灰色の空に雫を垂らした緑の草原、少し風が強くなったのか隣の森もさーさーと揺れている。
少しずつ強くなる雨の中俺は森の中に入り
「おーいリリー」
とリリを呼んでみた。
すると「ここー」
と森の囁きの中に可愛い声が響かず聞こえた
馬原は声の方向に視線を向けると、そこには少し太い木の枝で足をブラブラさせていた。
「あーやっぱり落ち着くー……」
馬原は大きく深呼吸をした。
リリは羽をはためかせながら降りて来た、リリは絨毯のように広がる落ち葉の上に裸足で立っている。
するとリリは空を見上げ「妖精の力が増える気がする」と呟いた
馬原は雨に濡れてより透明感を感じる肌、頰を撫でる雨の雫……まるで水彩画のように繊細でみずみずしく、雨に溶けそうなリリの横顔を見てつい美しい、と思った。
「あれ?そーいえば私呼ばれたー?」
リリはこちらを向くと顔を傾けて質問して来た。
「う、うん呼んだよ」
つい見とれて反応が……
「どーしてー?」
相変わらず可愛い
「明日お嬢様とバトルするんだけど修行飽きて暇でさ。」
「なーるほど」
可愛いて俺さっきから可愛いしか言ってない!?よく見る顔なのに!?
「ちょっと話そうかなって思って」
「いーよー私ちょうどボッチで暇してたからー」
「いやいつものことだろ……」
「ふふっでも旅までの間毎日話してくれたじゃん、今はそれがなくってボッチに拍車がかかりちゅー」
「す、すまんな」
「ちょドキってするからいきなり真剣に謝らないでよー!それともーギャップ萌とかいう……策士かなー?」
「いやいやそんなんじゃねぇよ」
そして5時間もの間取り留めのない会話は続き
2人は全身びしょ濡れになり、馬原は城に戻ると「すごい長い時間外にいたねー!」
とヘンゼルに驚かれ
「明日バトルだから、風邪引かないでね」
とグレーテルには少し心配された。
そして馬原は高級ホテルの様な城でエナジードリンク一気飲みしてご馳走を食べお風呂に入って寝た
翌日
城の外にてバトルが開催された。
「俺が最初に戦うよ」
馬原は最初のバトルを申し出た。
「頑張れー!頑張ってー!頑張ってください!」
勇者達の応援だ。
相手のメレンはお嬢様が応援する
「熟女熟女!ジュクジュク熟女!」
メレンは月のような目をして
「熟女じゃねーしっ!熟女じゃねーしっ!17歳だしっ!ちょっとアイツら黙らせて来ていい?物理で」
「ちょ、まぁまぁ、勝負終わってからにしましょうよ」
「そうね」
バトル開始!
「じゃ、俺から行かせて貰うよ!」
馬原は迅速のダッシュで手の力を抜いて右手で秒速で殴りかかる
ヒラリと交わすメレン
「!?」
次は左手で殴り連続で、回し蹴りをかます。
全て避けられる
そして足を掴まれ、鮮やかな回転投げをされ馬原は手や足を地面に付きながら何とか体制を立ち直し更に早く本気でダッシュして右手でパンチを繰り出す。
「な!?」
プシュンと音を立てガードした手にヒットする。
次は左!と左を繰り出すも次は拳を掴まれコンマで腹パンされ眠り草を鼻の近くへ持っていき、馬原は眠った。
「今回はちょっと時間が掛かるかもって思ったから眠らせたけど、今度は順番とか時間制限が無いバトルで、本気で戦い合おう。」
「カンカンカンー第一バトル終了!」
「眠らせるのアリなんだ……」
「うんアリ。」
「次は勇者対ヘンゼル!」
グレーテルは目を濃いみかん色にしてワクワクしている。
「勇者よ、10日分の修行の成果を見せてもらうわよ!」
ヘンゼルの目は片方だけオレンジだ
「よーい!どん!」
勇者とヘンゼルのバトルが始まった
いきなり勇者が剣を投げるとヘンゼルは避け、「何してるの」と言いダッシュし勇者に殴りかかる。
勇者は片手でガードしもう片方の手でカウンターするがヘンゼルはそれも避ける
そしてヘンゼルは勇者の腹を殴り飛ばそうとすると、勇者が殴られた直後手を掴んでニヤリと笑みを溢した。
「やめろっ!」
メレンは回転して戻ろうとする剣を見て察すると、勇者の元へダッシュすてヘンゼルを掴んだ勇者を蹴り飛ばしヘンゼルを抱き戻ってきた剣を2人で避けた。
「さっきので勝敗決まってたのに……」と呟く勇者。
「お前さっき何しようとした?」グレーテルの目が赤く変化し表情はほぼ無表情だが、怒りを充分に感じることが出来るほどだった。
「ちょ、お嬢様達は部屋に御戻られになってください……」
と言いメレンはお嬢様2人の肩に手を添え城の中に戻ろうとする
「メイベルとマリには悪いけど今日は一旦バトル終了しましょ、こんな雰囲気になっちゃったし……」
「そうだね」
メイベルとマリにはメレンのあたふたして気を配っている様子がよく分かった
そして、目が覚める馬原、馬原は部屋のベッドに寝かされていた、そして横を向くとそこにはメレンが1人椅子に座っていた。
「おはよう」
ふと馬原は挨拶をする
「目が覚めたか、おはよう」とメレンは、挨拶を返す。
「あ、そういえば眠り草で眠ったっけ、メイドさんあれは卑怯だぞー」
その軽い馬原の声とは裏腹にメレンの深刻げな重たい声が馬原に問い掛けた
「勇者について質問だが、勇者って勝つ為なら剣でお嬢様を刺せる性格か?」
え?どういう事だ?
馬原は唐突に繰り出された可笑しな質問に少し固まる
そして、「お嬢様を刺せる!?……い、いや……今まで勇者と旅していた勇者嫌いな俺でもあの勇者がそんな事できる奴とは思えない……てか俺が寝てる間に何が起きた!?」と、慌て口調で返した。
「色々あった」と訥々メレンは言い「じゃあまた後で」と言って眠り草で再び馬原を眠らせ部屋を出て行った。
そして皆が寝静まった夜中
ドアからコンコンと小さなノックが聞こえ、それでも目覚めぬ馬原に、カチャッと小さな音でドアを開き、眠気の冷める「覚ま草の汁」を馬原の半開きになった口に注ぎ込んだ。
馬原はゴクッと飲み込むと薄く目を開け
「あれ?俺なんか飲んだ?ま、いいか」
「あー!よく寝たー!」
「ちょっと静かに」
「うわっ!?」
少し驚く馬原に少し冷や汗を流すメレン。
そして馬原はそのメレンの姿を発見し、思わずゴクリと固唾を飲む。
「し、静かにしてください……皆が起きてしまいます。」
小声でコソコソ喋るメレン
なんだこの状況……よく寝たと思えばまだ夜中で……目の前に……メレンだと……!?
な、何があったんだ……童貞の俺に……目が覚める程の事が……!?
「は、はい……」
「取り敢えず外に出ませんか?ここだと……色々……」
え?
「は、はい……」
馬原とメレンはコッソリ出来るだけ静かに外へ出た
そして
「お嬢様について話しておきたい事がある」
え?
「何でしょうか?」
馬原はふと眠らされる前を思い出し、勇者に刺される云々の事かとふと思う。俺が目を覚ましてから数分間の勘違いが恥らしい……
「そういえば君はエリエ族って知っているか?」
聴いた事ない種族名だな
「それがまさかのこの異世界出身の筈なのに全く知らないんだな」
「まぁ、無理もない、絶滅危惧族だからな」
「!?」
「ま、お嬢様はいわばエリエ族の生き残りだ」
「……」
吃驚し言葉が出ない馬原を見て話を進めるメレン
「じゃあ話の本題へと行くか」
「実は最近勇者に化けてエリエ族を狩る輩が居るって東の城下町の人達に聴いて」
「化ける!?」
「どうして君1人を夜中ここに連れて来てまで話をしたか、それはあの出来事があって今いる勇者が本物か否かの疑問が生まれたから」
「それと君なら勇者を妬んでるし、何より勇者とはあまり仲良くなさそうだし、メイベルよりは信用出来そうだったから」
「後半は余計だと思うが……」
ま、そうだけども
「すまない」
「ま、そういう事なら確かに俺を話し相手に選んだ事は正解だったな」
「ま、それに妖精とのとっても楽しそうなやり取りを見てても、エリエ族の話題が出なかったのは、お嬢様に手を出す確率は、エッチ以外ではゼロと証明したようなもの!」
見ていたのか!?
「見てたのかよ」
「あらら、顔を赤らめて、さては惚れてるなー?ま、可愛い妖精だったし納得の惚れだぞいいセンスだ!」
おいなんだよさっきの雰囲気ぶっ壊しのそのキャラは……
「分かった、で何を見張れば良いっちゃう!すれば良い?の間違いだった」
「テンパって可愛いなー」
「早く言えよー」
先程までの明るい表情が一気に剣幕で真剣な表情へと変貌するメレンは「勇者のそばにいてくれるか?」と冷静に問い掛ける。
ま、この状況なら嫌な勇者でも
「我慢するよ」
「我慢はしなくていい」
え?
「君もエリエ族であるお嬢様を守りさえすれば別に離れてても良い」
そういう事か
「分かったよ」
「ありがとう、もし勇者からお嬢様を守れたらお礼として救急点滅笛と救急受信用点滅笛のセットをプレゼントするよ、まぁ、お嬢様と私用とは別の予備用で持ってるのだけと、使い方は後程教えるよ。」
「名前聴けば大体分かる、ま、貰ったら妖精にあげると思うけどな」
「優しい奴だな」
こうして馬原による勇者の見張りとお嬢様の護衛が始まった。
次話は数日後くらいと結構遅くなりそうです!