未来視
結構、幽霊を見る
霊感体質
数少ない趣味の内の一つ、遊園地巡りをしていた
3回目のジェットコースターから降りた時に、迷子らしき男の子を見た
その男の子は大声で泣いているのに、誰にも声をかけてもらえてなかった
遊園地の係員にも
恐らく男の子の後ろに立っているモノの所為なのだろう
全身真っ黒の人型
一目で嫌な気配が伝わって来て
絶対に関わるのは止めよう、という気分になってくる
きっと、見えていない連中も、そうなのだろう
でも、余りにも泣き声が煩いので、声をかけてみた
男の子は自分の名前をYと名乗り、お父さんがいないと言った
Y君が話している間、黒人間はニヤニヤと笑っていた
一人で祓うのは無理なので、とりあえず遠ざけようと、Y君に見えないように
後ろから、持ち歩いている塩を振りかけた
黒人間は途端に「U」の口を「へ」に変えて、不満を表情で表す
厄介な事に巻き込まれる前に、その場からY君を連れて立ち去る
黒人間はその場から動かなかった
次の瞬間、頭の中に優しそうな顔の女性と、その女性に抱きついているY君の姿が頭の中にフラッシュバックした時のように浮かぶ
その女性の顔は母に似ていた
迷子センターにY君を届けて、帰ろうとしたが、Y君が手を繋いできたので
仕方なく、迷子センターで父親を待つ
園内放送でやって来た父親の後ろからは、黒人間がくっついて来た
そのY君の父親が、今や私の旦那
この後、旦那に黒人間の話をしたら
「追い払うのを手伝ってくれ」
とか言い出して、厚かましい奴だな、と思っていたら
私に一目惚れしていたらしい
もっと、まともな口説き文句はなかったのか、と最近でも愚痴っている
その後、色々ドラマみたいなことがあって、旦那が前妻を事故で亡くしていた事を知り、Y君に変な事が多く起こる事や、前妻の家系がどーたらこーたらあって
私は旦那と結婚
仕事を辞めて、息子になったY君の為に、主婦をする事になってしまった
黒人間は知り合いに祓ってもらったのだが、息子は見えない癖に悪いものを引き寄せる体質らしく、『気を配っていないと危ない』そう知り合いに言われた
お陰で、周りに悪い事が無いかどうか、情報収集が欠かせない
旦那はトラブルメーカーで
「家族が3人になったから」
とか言い出して、変なマンションに引っ越すし
ちょっと迷惑している
そんな、一瞬だけ未来を見た話
「海と駅」「海沿いの宿」
あと、オバケマンション関係




