表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

20/81

後ろから来るもの


俺の住んでいる場所の近くに「オバケマンション」って呼ばれる場所がある

なんでもそのマンションの近くでは、心霊現象が多発しているらしい


だけど、そのマンションの前にある道路を歩いて帰ると近道になる

ネットの地図マップで確かめたので間違いない


今日はちょっと仕事が立て込んでいて、疲れた俺はさっさと帰りたかったわけ

それで「心霊現象がナンボのもんじゃい!」って感じで

その道を帰ったんだけど


予想に反して結構同じ道を歩いている人がいる

怖い雰囲気なんて微塵もなくて

これのどこが心霊現象が起きる場所なんだ? と思ってた


初めて通るその近道を10分ほど歩いた頃だったかな?

前の方を歩いていたサラリーマンが急に振り返ったんだ

その男はゆっくりと歩きながら後ろの上を向いて、何かを見つけた後に走り出した

俺は疲れてたから、なんかアホな事してんな~ぐらいで無視してた


そしたら、俺の横をものすごい勢いで、スーツ姿の女性が走り抜けてった

ヒールなのにカッカッカッカって音立てて走りながら

痴漢でも出たのかな? って他人事だからのん気に考えてたんだけど

横を歩いていたアルバイト帰りらしい兄ちゃんも、振り返った後に驚いて

そんで、他の人と同様に凄い形相で走り出した


さすがに俺も後ろに何かヤバイモノがいると思って、振り返ろうとしたんだけど

あまりの恐怖に振り返ることが出来なかった。


それで俺は振り返らずに走ることにした。

革靴で足を痛めながら走った

とにかく真っ直ぐ走った

後ろから何かおぞましいものが迫って来ているようで怖かった


「ちょっとスイマセン。止まってください」


目の前に制服姿の警官が立っていて、呼び止められた


「う、後ろから――ひとっ、まわりの人が逃げっ――」


俺は立ち止まり、息を切らせながら起きた事を話した


「あー、そう」


警察官は慣れた様子で俺に落ち着くように言ってくれた


「ここら辺はちょっと物騒だからね……」


警察官が言うにはこの先の道が高速道路の出口に繋がっていて、このまま真っ直ぐ走り続けてしまうとその出口の前に飛び出してしまうらしい

たまに運送トラックが人身事故を起こすそうだ

少し先にある分かれ道を曲がるように言われた


「ちょっと街路樹で分かりにくいけど右に道があるから曲がるように」


「はぁ……」


「それから、俺が確認した限りこの道から来た人間はいないよ」


「へ?」


そう言われて初めて気がついた

つまり、俺の前を歩いていたサラリーマンや、後ろから追い抜いていった女性

アルバイト帰りらしい兄ちゃんは……

とにかく、この道は今後一切使用しないように、言い含められ俺は帰された

警察官が教えてくれた道から帰ることは出来た


それで靴擦で傷を作った俺はここで話を打ち込んでるわけです

どうせ信じてもらえないだろうけど

俺の住んでる場所の近くに、ヤバイ場所があるのは確かな話


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ