7 調査
今更ですが、他人のコンピュータに不正にアクセスするのは違法ですのでリアルでは絶対にやらないでくださいね。あくまでこの物語は、フィクションですのでご理解ください。
2017.2.11 表現の修正
「ああ、太陽が目に染みるぜ」
俺は、娑婆に出ると真っすぐ事務所に出勤した。勤勉すぎる俺ってリスペクトしてくれていいよ。
「いらっしゃいませ」ウェートレスの衣装を着た秘書が俺に挨拶する。
「おはよう、玲子ちゃん。あれから重要案件とか急ぎの調査依頼とか来ているかね?」
「だから、うちは喫茶店だって言ってるじゃない。私はこの店に雇われているのであって、あなたの秘書じゃありません。注文はお決まりでしょうか?生憎、昨日は探偵さんのお仕事は来なかったわ。これでいい?」
「ありがとう、玲子さん、あと、チョコパフェ(サンダースペシャル)とコーヒーね」ウェートレスの制服を着た秘書の報告に俺は礼を言って、お茶とお茶菓子を頼んだ。
ふう、XYZ製薬の近況はと?俺はスマホで検索を掛けたが、特別怪しい情報はヒットしなかった。あまりに漠然としているしなあ。
「はい、お待ちどう様」目の前にコーヒーとチョコレートパフェが並べられる。え、スプーンの他に焼肉で使うより少し短めなトングが置かれる。
「兄貴、お勤めお疲れさまでした」茶目っ気を出して秘書が去っていく。
俺は、コーヒーを一口飲んでから、まずスプーンでアイスを口に含んだ。おお、美味い。口が冷たくなった頃、トングでウェハースの代わりにアイスの上に幾つも乗っかった、あの雷の名前を冠したチョコレート菓子を摘まんで食べる、ウマ、美味い。留置上での疲れが飛んでいくようだ。
さて、人心地着いたところでXYZ製薬の内部情報でも調べるかな。俺は専用ソフトを立ち上げると海外のサーバーを何か国も経由してXYZ製薬のサーバーから最近の研究を追っていった。
うーむ、専門知識がないと理解しがたいなあ。後で翻訳ソフトに掛けるか。とりあえず、関連する情報の一部をピックアップしてから外部のサーバーにコピーした。
まあ、あとは翻訳ソフトにお任せしてと、ディープラーニング(大量データを使って人工知能を自動学習させる技術)とかで成長した翻訳ソフトは、解析ソフトとしても有能だ。下手な人間より優秀で専門用語とかも解説してくれるし、あいまいな指定から連想して真相にたどり着くヒントをくれるはず?
あとは、のんびり解析を待つか。俺は、秘書にコーヒーのお替わりを頼んだ。