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15 尋問

ちょっと、残酷な描写があります。

2017.2.18 誤記修正

 俺は、緊急時の強化した筋力で現在使用されていない倉庫のドアをこじ開けた。

恐怖のためか、失神した南条結城課長を倉庫に残されていたセメント袋の上に放り投げた。

「う、ううん」

 南条課長が薄目を開けて、こちらの様子を窺う、美人さんがこちらの隙を窺っているとか何かゾクゾクする。俺は内心の葛藤には構わず、無造作に両手を掴むとチェーンブロックに手錠を使って固定し、上昇スイッチを押した。強制的に南条課長の身体は起こされ、吊り上がっていく。


「い、いや、何をするの?」

 両手で万歳する、南条課長の足元はつま先立ち、ズボンは失禁したため脱がしている。黒のストッキングに包まれた膝が震えている。


 バシンっ。「ひゃっ、あ」

 とりあえず、数回そこらに置き忘れられていたロープをしごくと南条課長の足元に打ち下ろす。

 バシッ、バシ、「い、痛い、止めてぇ」

 太ももに、蚯蚓腫れが走る。

 バシっ、バシッ、「う、止めってたら!」

 俺は無言で鞭打ちを続けた。尻や、胸、太ももを出鱈目に打ち続けていると南条課長は気を失った。仕方ないので休憩がてらペットボトルのお茶を飲む。


 バシャっ。「う、ううーん」

 なんか色っぽい声で南条課長が目覚めた。スーツもズタボロで豊かな胸が目に飛び込んで来る。ストッキングも鞭打ったところが破けて白と黒のコントラストが艶めかしい。こうして見ると俺の方が変質者みたいだな。レイプして答えが聞けるなら、そうするがこういう人はそんなことじゃ折れないだろう、むしろこちらのことを馬鹿にしそうで、ペースを握られるかもだ。


 色っぽい年上のお姉さんにそそられるが、玲子ちゃんの最期を思い起こして踏み止まる。

 なので、鞭打ちを再開する。俺の人造筋肉は、常人並みのパワーで打ち続けるなら一晩中続けることができる、南条課長には不幸なことだが。

 バシッ、バシッ。美しい肢体が撥ねるたびに、汗が飛び散る。俺は、汗一つかかずに鞭打つ。

 「痛い、いや、もうやめて!」


「北条由紀さんを殺したのは、あなたですね。理由は、彼女の研究成果を横取りするため。認めるかい?南条結城さん」

 俺は、まずどうでもいいことから聞き始めた。もう、既に過去の依頼などどうでも良かったし、調べはついていた。ただ、素直に尋問に答えるか試したかっただけだ。

「そうよ、彼女の研究内容は画期的だった。うちの創業以来の収益、いえ、人類に多大な貢献をする研究なのよ、一介の研究員に任せられるはず無いじゃないの」

「だから、殺して奪ったのか。自己の権力や名誉欲のために。最低だな」

「ふ、世の中の仕組みも解らない青い意見ね」


バシ、バシッ。「ちょ、ちょっと、ちゃんと答えているじゃない」

「お前に下らない意見など聞いていない。聞かれたことだけ答えろ。お前の意見などここでは、何の価値もない!」

 俺は、冷たく突き放すと、鞭打った。バシッ。


「お、お金なら、お金ならあげるから早く私を開放しなさい。早く」

バシッ、バシッ、バシっ。「頭の悪い女だな、金で動くならこんなことするものか」

「馬鹿なの、死ねばいいのに」南条課長は、涙目で愚痴った。ばしっ、ばしぅ。


「ところで、なんで喫茶店なんか爆破したんだ?」

俺は、本題に入った。

「探偵の、あなたの口を封じるためよ。刑事とか使って、いろいろ嗅ぎまわっていたみたいだし。尾行させても家が解らないから、常連で入り浸っているあの喫茶店で爆殺することにしたのよ。確実な結果を出すためウェートレスを使って近づいて、ドカンと」


 ほう、俺の変装に気づく奴がいたのか。俺は、通行人Aの変装を解くと本来の自分の姿に戻った。

「じゃあ、玲子ちゃん、あのウェートレスの身体から這い出てきた、でかいウジ虫はなんだったんだ?」

「あれも北条由紀の研究成果よ、人の遺伝子を取り込んで高い知能を持たせた、多機能な生体デバイスでもあるわ。私が、あなたの変装に気づいたのもこの子がいたからよ。あのウェートレスがあなたに接触したら、死ぬまで監視するように指示していたから」

 南条結城の顎が示す先に、小指大のウジ虫がいた。俺の肩でうごめいている。驚いて俺がウジ虫を払うと、南条課長の手錠にウジ虫が止まった。


 一瞬にして、手錠を破壊したウジ虫、口から粘液を数回発射していたようだ。南条課長は、手首をほぐすとウジ虫にウィンクし、妖艶な微笑みと共に口に咥えた。咀嚼する音がする、最後にペロッと唇を舐めるといきなり俺に駆け寄り、右手のパンチで壁際まで吹っ飛ばす。


 俺は、五メートルほど飛ばされて壁で止まった。

「もう、この手は使いたくなかったけど探偵さんが生きていたんなら仕方ないわね。社長からも殺すように厳命されていたし」


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