第21話 衝撃の告白
「どうぞ。入りたまえ」
ドアノブをひねって光太郎はおそるおそる室内へと入った。
「よくきてくれたね。さあ、かけてくれ」
マホガニー製の執務机の向こうにいた壮年の人物は光太郎の顔をみると立ち上がり、迎えにでて応接セットのソファを指し示した。
「は…はあ……」
これまた高級そうな革張りのソファーに腰を下ろして、光太郎は尻をもじもじと動かした。固い収容所の床で三年間寝起きした身とあっては、なんとも身が落ち着かない。
「苦労……したようだね」
向かいのソファーに座った壮年の人物は光太郎をじっと見つめるといった。
「なにがなんだか……どうして市長に呼ばれたのか、ぼくにはなにもわかりません」
光太郎はいまの気持ちを正直に吐露した。
「なにから話せばいいのか……」
豊かな銀髪をオールバックにした精悍な顔つきの、いかにも政治家然とした風貌の市長がゆったりと足を組み替える。
「きみの母親から父親のことを聞いてないか?」
「いや、なにも……!」
その瞬間、ほとんど本能的に光太郎は悟った。胸中にいいしれぬざわめきが走る。
「ま…まさか?!」
「そう、そのまさかだ……」
「ッ!!」
この目の前の人物がぼくの父親……!
宇留川市の市長がぼくの父親だというのか?!
「わたしの名は舞鶴弦蔵。きみはわたしの息子だ」
一語一語はっきりと明瞭に、舞鶴弦蔵は光太郎に向かって断言した。
つづく
マスゾエさんてウルトラマンに似てるなあ。だいぶ前からカラータイマーが鳴っていたのに気づかなかったのだろうか?(-_-;)




