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成り行き天文部員牧田君の日常 〜愉快なセンパイを添えて〜  作者: 甘木 


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合宿二日目ーそうだ牧場行こう(前編)ー

「くそっ!!まさかあんな大物を!!」


 遠山先輩、カブトムシとスイカで何を競っているんですか。


「スイカ割り出来るね〜」


 宮前先輩、山の中でスイカ割りするつもりですか。


「あたし、もう少し休んできますっ」


 高塚さんは夜の観測がこたえたらしく、あまり喉の調子がよくないとか。


「僕も、もう少し⋯⋯」

 

 矢口君もスイカを預けてから部屋へと消えていった。

 


 



「どうですか?」


 なんだかんだと騒がしい朝がようやく落ち着いて、早起き組のメンバー以外は、セットしてあった昨夜の流星群の写真を確認していた。


「うん、やっぱり夜中は結構流れていたみたいだね」


 幸田部長が見せてくれた画像には、幾重もの弧を描く星空と、それを切り裂く様に流れる幾つかの流星の軌跡が写し出されていた。


「う〜ん。今年こそは絶対見たいし〜」


 宮前先輩は去年、夕方に仮眠をしていたらそのまま寝過ごしてしまったらしい。


 予定としては、昼間は自由行動、夕食を早めにとって、夜の9時頃から観測開始の予定になっている。


「よしっ!! 今年こそは大物を!!」


 いつの間にか釣り竿を抱えた遠山先輩、アウトドアをどこまでも満喫するつもりらしい。


「ユラ、ワタシ ココ イキタイ」


 周辺の施設案内を見ていたステラが何かを見つけたみたいだ。


 手に持って戻ってきたパンフレットには『高見原ふれあい牧場』と書かれていた。


「こんな施設もあるんですね」


「うん、そうだね⋯⋯」


 あまり多くを語らない幸田部長、犬以外にも動物でトラウマ体験があるのだろうか。


「そこ、楽しかったよ〜。」


 行く気満々の宮前先輩。


「それではしゃぎ過ぎて、去年寝坊したんでしょ」


 そういう結星先輩も楽しそうだ。


「カズキ、Let’s join」


 えっ、僕も行くの?


 こうして思いがけない午後からの自由行動の時間の幕が開いたのだった。




「こっちだよ〜」


 宮前先輩の案内でふれあい牧場に来たのは、僕と結星先輩にステラ。


 知らない人が見たらハーレム状態だけど、実際は完全にお供状態。


 矢口君は高塚さんの具合いを看ているみたいだったけれど、後は動物に興味が無いとかで、それぞれ好きな事をして時間をつぶすらしい。


「Wow!」


 入り口をくぐって最初に目に入ったのはふれあい広場。

 

広いスペースの中でウサギやアヒル、ニワトリなどの小動物が自由に走り回っているのが見える。


 早速、宮前先輩とステラはウサギを見つけて撫でようとして駆け出した。


「ちょっと待っててね」


 そう言って売店へ向かう結星先輩、エサやり体験も出来るんだ。


 そんな事を考えて立っていると突然、足元に違和感が。


 アヒルが靴ひもをくわえて引っ張っている?!


「ちょっ」


 慌てて、やめさせようと手を出したら、指を噛まれた。


「痛っ」


 瞬間的に驚いて引っ込めた指先にはうっすらと血が滲んでいる。


「どうしたの?」


 戻ってきた結星先輩がハンカチを取り出して止血した後、絆創膏を巻いてくれる。


「すいません、ハンカチ汚しちゃって」


「気にしなくていいわよ」


「グワッ!」


 お前は気にしろ。


「What’s happen?」


「ま〜た2人きりで〜」


 騒ぎを見つけて戻ってきたステラと宮前先輩に説明しながら、みんなで動物達にエサをあげた後、次の目的地へと向かうのだった。


「そういえば、ステラ。ニワトリは嫌い?」


「No。イエニイマス」


 喜んで餌付けしていたのだけれど、何故かニワトリにはあまり興味無さそうだったので聞いてみたら、そんな答えが返ってきた。


 家で飼っているなら、ありふれたペット感覚だったのかな。


「タマゴ、オニク オイシイデス」


「「「!?」」」


 それを聞いた他の3人が思わず固まる。


 もしかして、ペットじゃ無くて食用だったの???


 さすがオーストラリアだと、思わず妙な所で感心してしまった僕達だった。





次回も牧場体験続きます(収まらなかった)

後編は2月6日(金)21時頃更新予定です

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