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成り行き天文部員牧田君の日常 〜愉快なセンパイを添えて〜  作者: 甘木 


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初めてのモデルロケット作り(中編)

「よーし、こんな物かな!!」


 アウトドア関係になると張り切る遠山先輩の大きな声。


 今回は元々佐藤先輩と大山君が持ってきた、市販品のキットを組み立てるだけの予定だけれど、たった今設置をした発射台を見ていると、この後、ロケットを組み立てて飛ばすんだという実感がわいてくる。


「お疲れ様でした。とりあえず休憩で、この後は、1時からお願いします」


「お疲れ様でした」


「お疲れ様さまー」


 みんなの顔も活き活きしている。


「ドキドキするねっ」


 矢口君と一緒に朝から付き合っていた高塚さんも興奮気味だ。


「みんな〜。お疲れ〜」


 宮前先輩と結星先輩も予定より早めに来たみたいだ、結局みんな待ちきれなかったのかな。


「差し入れだよ〜」


「「「!?」」」


 なんとなく顔が引きつるこの前の試食会に参加していた大山君以外の1年生組。


「おう!!ありがとな!!」 


 1人嬉しそうな遠山先輩。


「ちょっと機材の点検してくる」


 あっ、佐藤先輩が逃げた?


「ごめんね、昨日色々手順確認していたら眠れなくて。少し休んでくるから、みんなで食べてて」


 幸田部長も!?


「ちゃんと食べきなきゃダメでしょ〜」


「いいからみんなで食べましょ。折角だからピクニックみたいに芝生広場でどうかしら」


 不満気な宮前先輩と、その理由をなんとなく察した様子の結星先輩。


 とりあえず、僕達はいつもの自然公園に向かったのだった。




「あれっ」


「こんな所で何してるの?」

 

 公園に居たのは、今朝会ったばかりの真理恵ちゃんだった。


「バスケの練習試合よ。そういえばここの学校だったっけ」


 どうやらここで試合前のウォーミングアップをしていたらしい。


「牧田君、お友達?」


 あっ、結星先輩だ、なんとなく気まずいな。


「中学の同級生ですよ」


「えー。小さい時から一緒だったのにー」


 一体何を言い出すんだ。いや、間違ってはいないけれど。


「仲が良くていいわね」


 そう言って結星先輩は先へ行ってしまった。


「ちょっと真理恵ちゃん」


「あれー。変な事言ってないのにどうしたのー」


「別に、みんな待ってるから僕も行くね」


 ニヤニヤしながらこちらを見てくる真理恵ちゃん、下手に何か言うと、またからかわれそうで僕はその場を立ち去る事にした。


「⋯⋯ふーん、なるほど」


 何か聞こえた気もするけれど、その時の僕は気にもしていなかった。




「遅〜い」


 芝生広場ではすでにレジャーシートが広げられて、みんなが集まっていた。


「すいません、ちょっと知り合いに会っちゃって」


「うーん。ウマい!!」 


 遠山先輩はすでに食べ始めている、自前の弁当箱も見えるけれど、大丈夫なんだろうか。


「わざわざすいません」


「大丈夫〜。今日は朝からお疲れ様〜」


 そう言って差し出されたバスケットには色とりどりのサンドイッチ。


「こちらもあるわよ」


「えっ倉野先輩も作って来てくれたのですか?」


「みんな朝から集まるって聞いたからね」


「お二人とも女子力高すぎですよっ」


「愛純は食べる専門だしね」


 矢口君のそれはフォローになっていないかも。


「違うよっ。あたしだって差し入れ用意してきたしっ」


 そう言って高塚さんが差し出したコンビニの袋にはお菓子が詰まっていた。


 中には、いつかの酸っぱすぎるレモンキャンディもある。


 他にも、硬すぎグミとか火鍋チップスとか怪しい文字が目に入ったけれど、少し刺激を求めすぎじゃないかな。


「こうしてみんなで外で食べるのも気持ちいいわね」


「そう!!アウトドアこそ至高!!」


 爽やかな結星先輩とワイルドな遠山先輩、同じ様な事を言っているのに、なにかが違う様な気がするのは何故。


 こうして英気をやしなった僕達はいよいよ午後からのロケットの組み立てと打ち上げに向かうのだった。


次回はいよいよ組み立てと打ち上げ

『初めてのモデルロケット作り(後編)』は12月12日(金)21時頃更新予定です

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