表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/5

部活動ってどんな感じ?

 クラス発表、入学式、対面式、クラスに戻っての自己紹介。

 

 中学の時も同じような感じだったと思うけれど、とにかく慌ただしい初日を終えた夜。同じ中学から進学した連れから連絡が来ていた。


「お前、部活どうする?」


「何も考えていない」


 そう、明日は午前中にオリエンテーション、午後からは部活動の紹介があるらしい。


 中学時代、申し訳程度に陸上はやっていたけれど、そこまで体を動かしたい訳でも無い、どうせなら高校生ならではの活動をやってみたい気持ちはある。


「けどなぁ」


 正直、めんどくさい気持ちもある。


「明日の自分が考えてくれるさ」


 そんな事を考えているうちに、慣れない環境の変化に緊張もあったのか、いつの間にかその日は眠ってしまっていた。




 翌日、やたら増えたように感じる教科の説明をひと通り終えた昼休み、とりあえずは出席番号順に並んだ周りのクラスメイトと情報交換を交わす。


「それで、牧田君は中学でなんかやってたの?」


話し掛けてきたのは前の席の前川君と言ったかな。


「陸上やっていたけど、高校ではいいかな、帰りも結構遅くなりそうだし」


「体育会系?あまりそうは見えないけど」


「一応、少しは身体動かそうかなくらいの感覚だったからね。前川君は?」


「パスしてた」


 なんとなく会話のきっかけを探りながら、クラスメイト達と打ち解けていく。


 色々聞いてみると、中学時代からの部活を続けたい、文化系が無かったから興味ある、やっぱり帰宅部、など人それぞれだった。


「とりあえずどんなのがあるか、見てからだな」


 短い昼休みはそんな誰かの声で締めくくられ、僕達はまだ慣れない校舎の中を進み、説明会場へと向かった。




 会場では、ステージの上にスクリーンが有り、どうやらそれぞれの部員が活動内容を映像で紹介しながらの説明があるようだ。


 陸上、サッカー、柔道⋯⋯、よく聞く代表的な運動部の紹介が終わると今度は文化系の活動紹介が始まる。


 文芸、吹奏楽、美術⋯⋯、幾つかの紹介の後、壇上に上がった数名の中に僕はつい最近見た人影を見つけた。


「次は天文部の皆さんです」


「⋯⋯天文?」


活動内容は年に何度かの天体観測や長期休暇での合宿、文化祭での写真展など。普段は、放課後に集まって、星関連の記事を読んだり、思い思いに雑談したりしているそうだ。


 紹介を終えた後、下がっていく部員達を見ながら思わずつぶやく。


「あの人先輩だったのか」


 そう、春休み中に出会った、犬を抱えて急いでいた少女だった。


 わりと小柄だったから年上には見えなかったけど、まさかの同じ学校だったなんて。


 「天文かぁ⋯⋯」


 よくはわからないけれど、昔、何かの行事でプラネタリウムを見に行ったり、イベントで望遠鏡を覗かせてもらった記憶がある。


 ぼんやりとそんな事を思いだしているうちに、全ての紹介が終わり、僕達は教室に戻った。


「明日からはいよいよ授業が始まります。部活動については体験入部もあるので、学業に差し支えの無い範囲で試してみて下さい」


 そんな担任の言葉でその日は終わり、帰路についた時、後ろから声がした。


「おーい、一輝(かずき)


振り返ると、昨夜部活をどうするか聞いてきた連れだった。


「なんだよ、友也」


「なんか面白そうな部活あったか?」


「とりあえず猶予期間があるらしいから考えてみるよ。お前は?」


「面倒だからパスかな。口うるさいヤツからも離れられたし。」


 コイツには双子の妹がいるが、彼女はスポーツ推薦で別の学校にいったらしい。


 中学の頃からバスケをやっていて、家に遊びに行くと時々顔を合わせたが、よく笑う活発な子だった。


「考えてみるって事はなんか気になるのがあったのか」


 そう言われて、あの少女の顔がチラリと浮かんだが、とりあえずその場は誤魔化して別れた。


 「明日の自分が考えてくれるさ」


 まあ、余裕があったら見学に行ってみるか。そんな感じで高校生活は始まっていった。

やっと主人公の名前が出てました

牧田まきた 一輝かずき君です

しかし、まだヒロインと、ちゃんと再会していない

と言う事で、明日の21時に第3話『再会は図書館で』を投稿します

その後は基本週末での投稿を予定していますのでよろしくお願いします


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ