象られる縫いぐるみ
貴方はその言葉で≪何を象る?≫
「‥‥むー…」
「じゃあ連立方程式の単元はこれで終わって明日からは次の単元に進むぞ、次は‥‥」
…眠い。
マジでムリ、何の為に数学なんて必要なのか、そっから教えて欲しいんだけど…。
連立方程式とか社会に出て必要あるの?覚える価値なんてあるの?
どうせ頭良い事を気取った奴らが低学歴・低知能な人たちに対してマウントを取って気持ち良くなるようなさ…実質○○○ーと変わんないような事にしか使わないんでしょ、気持ち悪い。
それで数学ができるからって持て囃されて、重宝されるんでしょ?
はぁ‥‥ま、私にはどうせできませんよ。
何度やろうとしても、何も理解できないんだから…所詮やってても無駄。
きっと将来使わないだろうしね。
「‥‥」
あー、、、樹羅ちゃん見てると癒されるなぁ…。
なんで昨日の席替えの時、私の横になる筈だったのに一つ前に行っちゃったんだろうなぁ…、、でも良いか、これもこれで。
「‥‥?」
「ッ、、」
今、今、口の動き的に「どうしたの?」だったよね…!
も~…あざと過ぎる、、好き、、、しかも、こっちを向いて反応したって事は…私の視線にも気づいてくれたって事だよね!!!
可愛いなぁ、、、でも待ってよ…?
もしかして樹羅ちゃんも、私の方に意識を向けたかったとか…!?
それだったら嬉しいな。
「‥‥お、もうこんな時間か、じゃあ明日の単元を予習して…」
あ~~~、やっと終わった、、。
本当に面倒、課題も学校も何もかも消えて無くならないかな。
‥‥キーンコーンカーンコーン、、、
授業の全過程終了を告げるチャイムが校内に鳴り響く。
終礼が終わり、ざわつき始める校舎や校外が日常茶飯事のように流れるBGMとして処理しながら、荷物を纏め始める。
って、脳内ナレーションを入れてみたりしてる私って、ほんっと暇人だよね。
当たり前だよね、、友人なんてとうに作り忘れたし…私みたいな陰キャは即解散・即直帰がお似合いなんだろうから。
小説の主人公のような人間とは程遠いって理解してる、、だけど、多少は願ってたりもしてるんだ。
でも、この感情は理解されないだろうし…きっと永遠に叶う筈も無い事なんだろうから。
…ちょっと下向いとこっと。
「李野ちゃんどうしたの?また悩み事?」
「あっ、樹羅ちゃん!ううん違うんだ、心配してくれてありがとうね」
「そっか、違うなら良いんだよ~じゃあ…今日は先に帰るね、また明日!」
「‥‥ うん!また明日ね~!!」
‥‥はぁ、、、可愛い…好き、、。
悩みも聞いてくれるし、陰キャ陽キャ隔てなく接っしてくれる…まさに、今この世界で一番の女神であり、聖女だよ…本当。
樹羅ちゃんと付き合えてる男子はホントにラッキーだよね。
羨ましい限りだよ。
本
当
に。
あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。
はぁ、、、、、。
気分悪、、、マジでゴミみたい、、、。
今頃、あの男子に抱かれてるんだろうな。
きっしょ、、、死ねや、あの男。
いっその事、この手で殺せたら…いやでも、、、犯罪がバレて友人ですら居てくれなくなっちゃったら嫌だな、、。
でもあの男が死んだところで、居なかったところで、私は想いを伝える事ができないままなんだろうな。
しかも、親とかは認めてくれないだろうし、、、、、。
お裾分けの手作りお菓子の中に唾液とか混ぜ込んでみようかな…そしたら、、、間接的に一緒になれ‥‥うっ、、、、わ、キモ…私。
この気持ちを永遠に持ち続けるくらいなら…いっその事、死にたい。
誰か殺してよ。
ねぇ、誰か。
告る勇気も、
死ぬ勇気も無い
碌な友人も作れなくて
他人が怖くて逃げたくなって
それでも逃げ場所は無くて
親だって、誰にだって、
どうせ私の気持ちなんて
理解して貰えないだろうし
こんな私が生きてて何になるの?
どうしてこんな私に育っちゃったの?
自分が嫌い。
他人が嫌い。
世間が嫌い。
世界が嫌い。
嫌い嫌い嫌い嫌い
どうせ何も変わらないんだ。
どうせ私は変われないんだ。
どれだけ頑張って生きたって
どれだけ死ぬ思いをしたって
無駄なんだ。
これは全部私のせい。
私がもっと頑張れていたら
私がもっと笑顔でいれたら
私がもっと偽れていれば
こんな事にはきっと…きっと……。
あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。
あれ、、樹羅ちゃんから通知来てる…?
「今日大丈夫だった~?今空いてるから、話聞くよ~(*'ω'*)」
はぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
好き。
鼓動は続く。