表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

雪の日

作者: みそら

ミルキーグレイの雲が


静かに静かに覆っている空を見上げて


小さな女の子が立ち尽くしていました。






女の子は


そこから落ちて来る雪、


一つとして同じ形のない


無数の緻密なモチーフを


真剣に眺めていたのでした。






あんまり夢中で眺めていたので


女の子は自分の体が凍えていることも


お腹が空いていることも


自分が誰なのかすら


すっかり忘れてしまっていたのでした。






すると




少し離れたお家のドアが開いて


お母さんが女の子の名を呼びました。







女の子はそれで


自分がこの家の女の子だったことも


お母さんが大好きだったことも


一気に思い出したのでした。







女の子のお家は


暖炉に温かな炎が燃えていて、


お鍋にはトロリと煮込んだシチューが


湯気を立て、


パイの焼けるバターの美味しそうな匂いで


いっぱいなのでした。







お母さんの「ご飯よ〜」の声で


女の子はそれを思い出すと、


くるっと回れ右をしてお家に向かって


駆け出して行きました。








女の子がお家に入ってしまった後も


ミルキーグレイの雲からは


相変わらず様々な細工の結晶が


次から次へと


静かに静かに


降り続けているのでした。







純白の地面には


小さな小さな足跡が


女の子のお家に向かって


真っ直ぐ


残されていました。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 幻想的ですね! 可愛らしい女の子の様子が目に浮かびます。
2021/12/18 15:19 退会済み
管理
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ