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この作品には 〔ガールズラブ要素〕が含まれています。

聖女、異世界召喚した勇者に一目惚れするが、その隣にいた幼なじみヒロインが(色々と)強すぎる

作者: 杯 雪乃
掲載日:2021/10/13

深夜に思いついたネタです。設定ガバガバですが、暖かい目で見て下さい。

  一目惚れ。


  それはその名の通り、一目見ただけで惚れる、つまり恋をする事を指す。


  生まれてこの方、恋などしたことが無い私だが、この時ばかりはその異世界から召喚された勇者に目を奪われていた。


  黒い漆黒の髪に、鋭く光る瞳。痩せ型ではあるが、しっかりと締まった身体は私のハートを撃ち抜いた。


  これがイケメン!!これがカッコイイ男!!私の好みだよコレ!!


  何が起こったか状況を掴めていないその黒髪のイケメンを見ながら、私は心の中で歓喜する。


  私は聖女としてこの場にいるので、今も凛とした態度を取っている。ダメよルミナス。私は聖女。ここで顔に出そうものなら、今まで築いてきた印象が全部パーだわ。


 「ここは........」

 「よく目覚めたな勇者よ。ワシは──────」


  国王陛下がイケメン勇者に説明を色々としている中、私はただひたすらにこのイケメンの顔を脳裏に焼き付ける。


  私は聖女という職にいる為、今後勇者と長くいることになるだろうが、この困惑している顔は今しか見れないはず!!ならばその顔をしかと焼き付けよう!!


  ちなみに、国王陛下の説明は“魔王いるから倒してください”というもの。イケメン勇者からしたら急に異世界に飛ばされていい迷惑だろうが、許して欲しい。私達も生きるのに必死なのだ。


  ......ところで、私をじっと見てくる女の人がいるのだが、どうしよう。


  イケメン勇者と同じく長い黒髪に、優しくも鋭い目。可愛いと言うよりは、カッコイイ美人の方が似合う人だ。


  イケメン勇者と同じような服を着ているのを見れば、同じく異世界召喚された方なのは分かる。ただ、なぜ私をじっと見つめてくるのだ。


 「.........」


  そして何も喋らない!!いやまぁ、この状態で私に話しかけれる訳もないので仕方が無いのだか、視線を一切動かさずに私を見てくるのは若干狂気を感じる。


  普通に怖い。


 「──────さて、今後勇者殿と共に行動してもらう者が1人いる」


  おっと、私の自己紹介タイムだ。ここでビシッと決めて私の心象をアップさせておこう。


  第一印象で人の評価は決まるって、それ一番言われてるから。


 「初めまして勇者様方。(わたくし)は聖女ルミナスと申します。魔王討伐への道のりをお供させていただきますので、宜しくお願い致します」


  簡単な挨拶と共に深くお辞儀をする。


  ふっふっふ。どうだ!!私の簡潔な自己紹介は!!それに、自分で言うのとなんだが、私は見た目はかなりいいと自負している。


  長く真っ直ぐ伸びる金髪と、空よりも蒼い宝石のような瞳。スタイルだってかなりいい。この見た目のお陰で、結構得しているのだ!!


 事実、今まで仕事上相手してきた男共は、この挨拶だけで顔を赤く染めあげるのだ。


  さぁイケメン勇者よ!!私の美しさに照れるがいい!!


 「あ、こちらこそ宜しくお願いします。聖女様?」

 「よろしくねー」


  普通に返してきやがった!!顔も一切赤くなっていない。


  丁寧に挨拶を返してくれたイケメン勇者とは違い、カッコイイ美人は緩く挨拶を返してくる。


  見た目の割に、結構親しみやすそうな印象を与える人だ。オマケに美人......私とキャラ被ってない?!.....被ってないか(自己完結)


  そんな訳で始まった勇者様達との魔王討伐への旅路なのだが、今すぐに討伐に言う訳では無い。


  この世界は魔王が現れ、人類が追い込まれてきた度に異世界から勇者を召喚してきた。


  自分で何とかしろよとは思うが、私達も同じことをしているので人のことは言えない。


  異世界召喚された勇者達は様々な文化をこの世界に残していったが、共通点が1つある。


  それは『ニホン』と言う国から来てるという事。


  理由は分からないが、過去、召喚された勇者達は皆その国の出身なのだ。


  そして、そのニホンという国は魔物すらいない平和な国らしく、戦闘経験がほとんど無いもの達ばかりである。


  剣の振り方も魔法の使い方もろくに知らないのに、魔王に挑むのは自殺行為だ。


  まずは勇者を鍛えなくてはならず、最初は王宮内で色々と訓練する。


  そして、この訓練は私の素晴らしさをアピールするチャンスである。


  先程、部屋を案内した時に色々と話したのだが、光輝(イケメン勇者)さんと雫(美人)さんは幼なじみらしい。


  つまりアレだ。過去の勇者が残した恋愛小説に書いてあった“幼なじみヒロイン”と言うやつだ。


  なんでも、負けヒロインと呼ばれる主人公と結ばれないポジションらしく、作中では恋心を主人公に抱くも、相手からは友人扱いされるため大きな進展がない可哀想なキャラだ。


  つまり!!私を邪魔するものはいないと言っても過言ではない!!魔王討伐云々の前に、私だって1人の女なのだ!!男の1人ぐらい落として、青春を味わうんだー!!



  1ヶ月後........



  強すぎる。


  本当に強すぎる。誰だよ幼なじみヒロインは負けヒロインって書いたやつは。シバくぞ。


  何が強いって、全てにおいて強すぎる。


  強い(イケメン)強い(物理)強い(ヒロイン)


  まずは強い(イケメン)


  訓練が終わった後に、汗を拭く布を渡そうと思っていたのだが、先に雫さんが来たので布を渡してあげた。


  その後すぐに、光輝さんの訓練が終わったので、いぜ出番と張り切って行ったら、私よりも先に雫さんが


 「ほら。これで拭け」


  と言って布を渡したのだ(もちろん汗を拭く前)。


  私の出番がつぶされた!!何でやつだ。私が接近する前に潰してきたのだ。


  これだけなら邪魔しているだけにしか見えないが、ちゃんと私にも気遣ってくれる。


  少ししょんぼりとしたのを見られたのか、それ以降同じようなタイミングがあっても彼女は自分の布を渡さなかった。


  しかも、微笑ましく私が光輝さんに布を渡すのを見ているのだ。


  しかもその顔がイケメンすぎる。カッコイイ美人って想像できないなと思っていたが、ここにモデルがあったわ。


  他にも、私が重いものを運んでいると手伝ってくれたり、転びそうになったところを抱きとめてもらったこともある。


  滅茶苦茶いい匂いがしました。ハイ。


  そりゃあんなカッコイイ美人と毎日一緒にいたら、私を見ても照れたりなんてしないわ。雫さんに抱きとめられた日は、私の方が顔を赤く染めあげてたし。


  その時に言われた


 「大丈夫かい?聖女様」


  あの声は反則でしょ。この時だけ声が一回り低くなっていた。カッコよすぎ。


  光輝さんを攻略しているはずなのに、何故か雫さんとのイベントの方が多いんですが?


  次に強い(物理)


  これはその通り、物理的に強い。


  たった1ヶ月の訓練で、我が国一番の騎士をフルボッコにしたのだ。


  これが勇者か......


  それ以上語ることもないので次。


  強い(ヒロイン)


  たとえ相手がイケメン美人であろうが、これがあれば勝てる!!相手は負けヒロインなんだ!!........と、思っていた時期が私にもありました。


  雫さん。あんなにクールビューティーなのに、すっごい可愛いところがあるのだけれど。


  雫さんの与えられた部屋から悲鳴が聞こえた聞こえた時、何があったのかと慌てて駆けつけたのだが......


 「蜘蛛!!私、蜘蛛だけはダメなの!!」


  と言って、私と一緒に駆けつけた光輝さんに飛びついていた。その姿は、まるで少女のように小さく、いつものように大人びていた雰囲気はどこかへ消えていた。


  私は知っている。これはギャップ萌えと言うやつだ。


  私だってそんなキャラ欲しいよ!!頑張って作ってみたりもしたけど、どれも微妙と言うか、恥ずかしすぎてできない。


  これが自然にできる雫さんはすごいと思う。私には、真面目なのにおっちょこちょいキャラとか無理です。


  他にも、お昼ご飯を食べた後は少しぽやぽやしていて、話しかけると眠たそうに返してくるところとか。転びそうになって光輝さんに抱きつくとか。


  おかしい、そのイベントは私がやるはずなのに。


  そして今日、私は雫さんに呼び出されていた。


  今までこのようなことは無かった。


  こうやって私だけを自分の部屋に呼び出すということは、もしかしなくてもアレだろう。“私の男に近づくな”と釘を刺したいのだろう。


  可憐で綺麗な顔が、すこし強ばっていたし。


  私は覚悟を決めて扉を叩く。


 「雫さん?ルミナスです」

  「呼び出して悪いね。いらっしゃい聖女様」


  開かれた扉から顔を覗かせた雫さんは、私を部屋に招き入れる。


  椅子に座るよう促されたので、素直に座り出された茶菓子と紅茶を食べながら軽く談笑する。


  5分ほど話したところで、本題に切り出した。


 「それで、今日はなんの御用でしょうか?」

 「それはね.......スぅー」


  雫さんが大きく息を吸って、自分を落ち着かせている。


  あぁ、外ではにこやかにしていても、内心怒っていたのかもしれない。


  光輝さん関係で何か言われると思っていた私だったが、その考えは次の一言で覆される。


 「私の女にならない?」









 「..............はい?」


  もうやだこの人、天下無双しすぎでしょ。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。


もし【面白い】、【続きが気になる】と思った方は、ぜひともページ下部の☆☆☆☆☆から評価して頂けると嬉しいです。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 正直なところ、少女の愛というよりは、資格のある女性主人公のパロディーのように感じます。問題は、本物のヒロインが聖人を望んでいるという「ねじれ」で、それはあまりにも早く止まったということです…
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