最強対無限
走って行った先にはグリーンベアーが眠っている。自分達が近づくことで起きてしまい咆哮する。
「グアァーーー!!!」
そんな寝起きの貴方にプレゼントだ。グレンと自分そしてウィッチはそのまま通り過ぎるとイートプラントはグリーンベアーに攻撃し始めた。飢えているのか見境なく噛みつくイートプラントを熊は思いっ切り叩きのめすが一体やった後も襲うイートプラントをちぎっては投げちぎっては投げる。対するイートプラントその圧倒的数で襲っていく。
どうやら、最初に戦った個体より弱いらしいことがこの時分かる。速くなかったのは弱かったかららしい。その戦いを隠れて観戦する自分達はこの戦いを傍観する。でもこれでいいのか?
数十分経過、グリーンベアーは圧倒しているように思えていたがだんだん数に押され始めていたそれもそのはずでグリーンベアーには状態異常で麻痺、毒状態が付与されておりHPはあと2割しか残ってない。このままじゃあ朝まで持たない。
「グレン、お前はここで待機だ。MPはなるべく使うな。ピンチの時だけな。」
「ウァ!」
返事をしてくれるグレン。こんな時でも可愛いと思えてしまうあたりまだ自分も余裕そうだなと内心思い。次に見習いウィッチに指示を出す。
「君はあの熊に回復魔術をお願い。」
「ファ!?」
「うん。頼むあいつが消えると次に襲ってくるのは自分達なんだ。」
「ファ、ファ!」
「うん、わかった!」と言っているのか返事をしてくれた。そして行動を開始する。赤マーカーの敵には自分のアイテムは使えないが魔術は使えるので支援魔術の防御力を上げる『ガード』を熊にありったけ重ね掛けする。ウィッチは熊に回復魔術を掛けて回復させていく。グレンはピンチになった時の為に待機。
そんな数十分がすぎ残り時間が後9分の所でグリーンベアーの体力が0になって消えてしまった。ここまでありがとう熊さん君の勇士は忘れない・・・なんて言っている場合じゃあない。
「「「「「「ブゥーーーーーー!!」」」」」」
そしてもう一度逃げようとした時だった。視界外からツルの攻撃を受けて自分は吹っ飛ばされてしまった。目の前に集中しすぎた。思いっ切り木にぶつかってよろけてしまう中イートプラントが迫ってくる。
「・・・・流石にこの数は無理かな・・・・・」
少なくても目の前に20体は存在するモンスター流石に諦めようと思ったが、ここで諦めたらクエスト失敗になるし何より
「はぁ・・・何事にもやるなら全力で・・・ああそうだな。」
叔父の言葉を思い出す。諦めないこととは全力でやりきる事、楽しいことも全力で取り組めばそれはいつか必ず身になる。その言葉を思い出して立ち上がる。
「やるからには全力でやってやるよ。かかってこいや!!」
その言葉と共に一斉に襲い掛かってくる。逃げ場はない。そんな時、自分の前に小さなモンスターが立ちふさがりイートプラントの攻撃を全部うけた。
「グレン!」
防御していたこともありギリギリ耐えたが流石にもう一発も喰らえない。ウィッチは魔術で回復させようと声を出そうとした時だった。
「ウァウーーーーーーーーーーー!!!」
大きな雄たけびと共にグレンからオーラ?の様な物がこみ上げて行きアナウンスがなる
『グレンは逆鱗が発動しました。これより攻撃力が2倍になります』
アナウンスが終わりグレンが振り向いて鳴く
「ウァ!!」
はっきりと何を言っているか分からないがなんとなくわかる
「・・・ああ!やってやろうぜ!!支援『アタック』!!」
この瞬間、今のグレンの攻撃力は逆境の効果で1.5倍にアタックの効果で1.5倍それに逆鱗の効果で2倍の合計6倍!
「行け!グレン!『火球』!」
その命令と共に巨大な火球が作られる。今までの比ではないその大きさは今までの拳サイズの約10倍以上はありる。
「ウァーーーーーー!!!」
放たれた火球は全てを飲み込みなおも進んでいく。バトルエリアの端まで届いたそれはそのまま爆発しイートプラントを全て文字通り消し炭にする。
自分はその光景を忘れることはないだろう。自分が思い描くドラゴン、龍という存在の姿理不尽という物、出来事さえも更なる理不尽で叩き潰すその姿、太陽を背に笑顔でこちらを見てくれるその姿は
「・・・お前は最高のパートナーだよ。グレン。」
「ウァ!!」
小さな手でピースサインをするグレン。そして
『クエスト:見習いウィッチを救え!!をクリアーしました。アマツ様に救世主、強者に挑む者の称号が授与されます。』
長いと思っていた夜もようやく終わった。