グレンの実力と自分の実力
街をある程度探索して行く中で色んな建物にプレイヤーが押し寄せておりとてもじゃないが入れそうになかったので街を出てモンスターと戦うことにした。初日とはいえ建物にあそこまでプレイヤーが居るとは思ってもいなかったのでアイテムも最低限の回復薬しかない。
「話題のゲームってのは凄いもんだな。攻略組とか情報組とかももうできているんだろうか?」
「ウァ?」
「あ、ごめんな。さ!モンスターを探しに行こう。」
「ウァ!」
グレンが返事をして平原を歩いて行く。見晴らしがよくここでピクニックなどもいつかしてみたいなと思っていると
「ヴゥー」
グレンが戦闘態勢に入った。どうやら索敵でモンスターを見つけたらしい。出て来たのは狼のモンスターで名前が『ウルフ』と表示されており赤いマーカーが出ている。向こうもやる気でいる。
「よーし初戦闘だ。頑張ろうな!」
「ウァ!」
そう言って自分は一気に間合を詰める。こういうのは先制あるのみ速さに自信があるので一気に切り込んでいくが
「・・・・え?」
表示されたダメージは0だった。まだ攻撃出来そうだったのでもう一回切ってみたがやはり0と表示される。
「嘘だろ。自分の攻撃力弱すぎ。」
流石に驚いていると相手からの攻撃を受けてのけぞってしまう。襲い掛かってくるウルフ。それをグレンが横からタックルする。相手はよろけその隙に立ち上がる。
「ありがと、グレン。」
「ウァ!」
感謝を伝えると腕を上げて答えてくれた。その後、グレンは相手に突っ込んでいき相手の攻撃が届かない上空から攻撃し続ける。攻撃が当たらないことを理解して自分の所に攻撃をしてきたが速さが高い自分には攻撃がミスるミスる。相手のHPも残り少ないしここはスキルを使ってみようと思いグレンに指示する。
「グレン!火球だ!」
「ウウァ!」
それを聞いたグレンは人間の拳サイズの火球を作り出しそれを思いっ切り放つ。見事に命中しウルフのHPすべてなくなり光となって消えた。
「やったぞ!グレン!」
「ウーウァ!」
喜んでいるグレンとハイタッチする。ウルフを倒したことにより素材も手に入った。だが問題もあった。
「なんで自分の攻撃は効かなかったんだ?」
それが一番の問題でありこのままだと前線でグレンと一緒に戦えない。単純に攻撃力が低かったからなのか?それとも何か別のせいなのか。モンスターが出るここで考えても仕方ないので一度街に戻ることにちなみに街の門は一か所しかなく。この北門しかないあとは壁て囲まれている。空いているベンチに座りインターネットで情報を引っ張ってくる。ゲームをしている状態でも情報を引き出せるのですごく便利だ。
「え~と、双剣使いは・・・・あったこれか。」
「ウァ?」
グレンは自分の肩に乗っており「何してるの?」と言った声を出してみてくる。探し物をしている中グレンの頭を撫でながら見つけた資料を見る。
双剣使いは速さと器用を重視した戦法であるが攻撃力がありません。テイムしたモンスターがメインの火力であるためプレイヤーは前線ジョブを選ぶのではなく後方支援型のジョブがいいと思います。一例として魔法使いなどは知力をメインを参照して攻撃するのでよさげです。
と書いた文章があり質問分の中には攻撃したけど相手にダメージが入らなかったと書いているプレイヤーもいる。それに対して回答は
このゲームの世界ではプレイヤーはモンスターより劣る存在として位置付けられているため攻撃は余り通りません。武器などをそのモンスターに弱点が取れる物でないとまともにダメージは出ません。
と書かれている。MVOの設定ではこの世界のモンスターはかつていたとされているヒューマンと言われる者達によって作られ、なんやかんやあり普通の武器ではどうにもならず滅んだらしいことが書いてある。
「つまり自分が持っているただの双剣じゃあまともに攻撃してもダメってことか。」
属性もないただの剣だし仕方ないか、モンスター同士のダメージが普通に入るから問題なさそうだな。後何か問題あったけ?考えている内に思いついたのはモンスター確保するためのアイテムを持っていない事を思い出す。戦闘に興奮してすっかり忘れていた。
「よし、アイテム買いに行くか。混んでないといいが。」
「ウァ」
そう思いながら新たな仲間を求めてアイテムショップに向かっていった。