そいつの正体
マルスと名乗ったNPCを尾行することになった自分はカイザーとメイメイの合流の後少し離れた所で監視していた。相手は尾行されていることには気づいていなさそうだ。
「・・・もう日が沈むな。あいつは何処に向かっているんだ?」
「そうだね。さっきから同じ場所をぐるぐる回っているもんね。」
メイメイの言っている通りで相手は同じ場所を回っているだけで特に何もしていない。と言うより歩いているのだがすごくフラフラである。酔っているかと思うほどで周りの人達も迷惑している。
「ウァウ?」
「ラァウ~」
「ZZZ・・・」
モンスも一名寝ているぽいがいるがそこはメイメイに任せてと
「彼は何処に向かっているんだろうか?それとも誰かを待っているのだろうか?」
「そもそもの話追っかけるのが正解なのか分からんぞ。何となく追いかけちゃっているだけだからな。」
「でもあの人挙動が変だし怪しいよ。それにもしかしたらメアリーちゃんの事が分かるかもしれないしもう少し粘ろうよ。」
メイメイの提案にそのまま乗っかり夜になるするとマルスはある所にそのまま行って入って行った。自分達もその後を追いその場所の前で止まった。
「ここって墓場だよな?何でこんな所に?」
「夜に来るところではないよね。」
「考えるのは後だ。行ってみよう俺もあいつの正体が気になって来たぞ。」
「ラゥウ~」
そのまま入って行く。ブルーはカイザーにしがみついており怖がっているのがよくわかる。だがそれを構うことなくカイザーは相手の前まで出ていく。
「おい!?」
「ここが終点だろうしもういいだろう。後はあいつから聞けばいい。」
そのままカイザーは墓場で立ちすくんでいるマルスを詰め寄って行った。
「おい、貴様がマルスで間違いないな。」
「・・・」
「今日、俺の仲間がお前にしつこく仲間を売れと言われてな。俺は少し頭に来ている。いろいろ事情を聞かせてもらうぞ。」
「・・・」
「・・・おい聞いているのか?」
カイザーの問いに対して何も言わない相手に疑問を持ち相手に触れこちらに顏が見えた時異変に気付いた。白目をむき首が90度横に向いたのだ。確実に首の骨が折れている。
「ッ!!」
「ラゥ~!!?」
一緒にいたブルーが鳴き声をを上げカイザーはブルーを抱えて後ろに跳んだ。それ見て自分とメイメイも隠れるのをやめてカイザーの所まで駆け寄る。
「大丈夫か!」
「何々何なのあれは!?」
「・・・墓場であれなら死体だろうな。それよりも囲まれたな。」
そう言ったカイザーの言葉で周りを観てみると明らかに死んでいる人型のモンスターが湧いて出て来た。
グール レベル20
マミー レベル24
フレッシュマミー(マルス) レベル30
「グール5体、マミー3体、それであの人モンスターだったんだね。」
「いずれにしても切り抜けないと死に戻りだ・・・アマツ。」
「ああ、交戦しよう。」
暗く深く何もかもを鎮めるかのような夜のなかで月光に当てられるこの世に居てはいけない骸たちと自分達の戦いが幕を開けた。