本で何を学ぶ?
さて、これからどうしていきましょうか?
「おはようございます、リイナールお嬢様。」
館内での呼び方はリイナールお嬢様で定着したのね。リンは、結局私専用のメイドとして雇われることになりました。知り合いが近くにいた方が安心できるからと、お父様にお願いしたら、渋々了承をいただきましたの。
「おはよう、リン。これからどうしようか考えていたのだけれど、いい案はあるかしら?」
「そ、そうですねー。」
この状況で学校で知識をつけたいなんていったら、警戒される恐れがあるし、本から学ぶにしても何から学べばいいのか…。
「魔法に関する本を 読まれてはいかがでしょうか?」
「魔法、か。」
「ええ。魔法が使える人は重宝されますから、適性があるのなら覚えておいた方がいいかも…です。」
魔法ねえ。私は光属性に適性が、リンは確か、闇属性に適性があったはずですが…。どちらもレアですし、確かに重宝されるでしょうね。
「では、そうしましょうか。魔法の初心者用の本を私の元へ。もちろん、バレないように、ね?」
「かしこまりました。」
リンはすごいのね。そして、とてもありがたい。私と同じくらい幼いのに、もう働いていて…。
「リンのためにも、リンを守れるくらいの地位だけは保っておかないと。」




