教師
「ルイにも話しておいたほうが良いでしょうか?」
「さあ…。まあ、他言するとこはないと思いますよ。」
「あら、何故かしら…?」
「え、お気づきでなかったのですか?リイナール様?」
気づくとは…一体何に対していっているのでしょうか?
「そ、そうですか。リイナール様は色恋沙汰に関しては鈍感なんですね…?」
「色恋沙汰…?」
先ほど、恋に関する場面はあったかしら?確かにルイは赤面していたけれど、あれは誰でも照れるわよね?よくわからなくて、頭の上には大きなクエスチョンマークが浮かんでいた。
「ルイはそんな簡単に赤面したりしないんですよ。」
「まあ、そうなの。それがどうかしたのかしら?」
「…だめだ。伝わらない。」
リンが残念そうにつぶやく。失望させるようなことをしてしまったのかしら、私。
「とりあえず、類に話すかどうかは保留で。それで、字、でしたね?」
「ええ。そうなのよ。」
おそらく今の私ははっきりいって他の子供よりもかなり知識がないはず。なんとかしなければ…。
「この国にあるのは180文字程度ですので、私も覚えていますよ。母が教えてくれましたし…そうだ!私でしたら友人ということで館に入れるかもしれませんし、私が字をお教えしましょうか?」
「まあ!それは心強いわ!」
信用できる人と定期的に会えるかもしれないなんて、なんて喜ばしいことなのでしょうか!
「ありがとう!ぜひそうしてくれるとありがたいわ!」
こうして私は、街で思わぬ再会を果たしたのでした。




