リンとの再会
町…!始めてきました!今まで一人前ではないからと、部屋に閉じ込められていましたが、ついに来ましたわ!おっと、驚いている場合じゃありませんわね。誰か探さないと。使い道がないのにお小遣いだけはもらっていますから、それで依頼することも可能でしょう。
「…あの!」
女の子に話しかけられて、ゆっくりと振り返ると…。
「あの、失礼ですが、リイナール様ではいらっしゃいませんか?」
しまった!私のことを知っているのだわ、この少女!
「ご、ごめんあそばせ!」
ごめんあそばせの使い方は知らないから、使い方があっていたかは存じませんが…とりあえず逃げましょう!
はあ、はあ。生まれてから走ることははしたないことだと教えられてきましたから、残念なことに体力がない!
「お待ちください!」
少女が早すぎる!いえ、私が遅いのかしら…?
腕をパシッという音とともに掴まれ、動けなくなる。
「お離しください!私はリイナールではなくてよ!」
「その綺麗な話し方は…やはりリイナール様ではありませんか!」
私のことを気遣ってくれているのか、少女の声は少し小さいようにも思えました。ですが、それどころではありません!逃げなければ。もし、脱走したと家にバレたら…。
「ご安心ください、リイナール様!ほら、私ですよ、リイナール様の乳母の娘、リンです!」
「えっ…。リン…なのですか?」
昔はふくよかな体型をしていたのに、今ではみる影もありませんわね。でも、この髪の色、確かに、3歳まで一緒に育ったリンのようです。
「まあ、貴方でしたか。お久しぶりですね?今までどちらに?」
「はあ、リイナール様こそ、どうしてこんなところに?」
それは、うーん。まあ、リンなら信用できるかもしれません。この2年で、人が変わっていないといいのですが。




