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メイドの謝罪

 ルイがまた、グーっとお腹を鳴らした。ルイは悲しそうにお腹を見つめながら、近くにいたアイザの服を引っ張った。

「お腹すいた……。」

流石に2日も食べていなければ、お腹も空くだろう。

リンに近くにいるメイドに言って、何か食べるものを持ってきてもらうように伝えると、リンは素直にうなずいた。リンが部屋を出て行ったあと、私は先ほどから抱いていた疑問をルイにぶつけた。

「ルイはどうしてその場でメイドに料理を作ってもらわなかったのかしら?厨房に連れて行ってもらうなり、なにかしら方法はあったでしょう?」

私がそういうと、ルイは、ばっとこちらみて、

「その手があったか!」

と、尊敬の眼差しを向けてきた。

なんと呆れればいいのやら……。


 ギイィ、と、ドアが開く。リンが帰ってきたのだろうかと振り返ると、そこにいたのはリンではなく、メイドだった。ああ、よく見ると、その奥におぼんを持ったリンがいるではないか。

「おかえりなさい、リン。」

「おおっ、やっとか!」

部屋中にいい匂いが漂う。ルイはベッドから飛び降り、リンの元へ駆け寄った。

「今、机に置くからちょっと待って!」

さすがリン。なんだかお母さんみたいだ。

「あ、あのお……。」

先ほどから固まって動かなかったメイドが声を発した。全員の注目がその1人のメイドに集まる。

「すみませんでした!皆、すっかり忘れてしまっていて……。」

その言葉を聞く限り、きっとルイにつけられていたメイドなのだろう。何人かは付けられていたはずだから、その代表として彼女が謝りに来たのだろう。

ルイが、メイドにスタスタと近寄っていく。あと一歩、というところまで進むと、今度はじーっとメイドを見つめていた。そして、ゆっくりと口を開く。

「大丈夫だよ。」

そう言葉を発した口は、にっこり笑っていた。

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