ヒカリ、ピンチ!?
さてさて、これからどうしていきましょうか?
権力を手に入れたリイナールだが、リイナールにとってそれは最も欲しくないものだった。
権力者なんて、暗殺される可能性もありますのよ?
前世で袋叩きにされていた政治家を思い出した。けれど、今世ではそれだけでは済まされないかもしれない…。もしかしたら、命に関わるかもしれないのだ。
けれど、権力を持ってしまったものは仕方がない。誰かに渡して、変な反感を持たれても困るので、なんとか領地を治めてみようと思い立ったのだ。
「お嬢様。アイザ君がいらっしゃいました。」
同じ主人に仕えるものとして、二人は仲良くなったらしく、この間リイナールが見かけたときは談笑していたくらいだった。
「通して。」
「はい、お嬢様。」
お嬢様に言われて、リンはリイナールの部屋から近い玄関に向かった。
「今開けますね。」
「…はい。」
「…えっ。」
先程はゆっくり顔を見る暇もなくリイナールの元へ走ったのだが、こうしてゆっくり顔を見てみると…。
「や、やつれてる?だ、大丈夫ですか?」
「な、なんとか…。」
なんだかソワソワしているようにも見える。何かあったのは間違い無いだろう。
「そ、それではご案内いたします…。」
リイナールの部屋につくなり、アイザは膝から崩れ落ちた。ポタポタと涙が垂れている。
「ど、どうしましたの?」
リイナールが慌てて声をかける。アイザは泣きながら声を振り絞った。
「ひ、ヒカリが…。」




