北斗の拳となろう系チート主人公との圧倒的な違いについて考察してみた
エッセイを出すのは初めてですので、拙いところがあってもご容赦ください。
初めまして、滋賀ヒロアキです。
今……というかかんなり前から「なろう系作品」がブームです。すごいブームです。
最近でも誰かの孫がアニメ化したり、ブームが終わる気配すら見えません。
僕はなろう系でよくある「俺TUEEEE」だとか「ハーレム」とか「チート」とかは大嫌いです。小説検索をするときには、それらの単語を除外ワードに設定して検索してるぐらいです。
平凡(笑)なニートや社畜が突然死んで
無能神から能力もらって
とりあえず敵倒して
女にモテて皆に認められる
ぶっちゃけ(僕は)吐き気を催すレベルです。まぁ、最近はこんなテンプレはあんまり見なくなって、チョー強い人が転生魔法使っただとか、パーティーから追放されたけど実は私最強でした、みたいな「追放モノ」が流行ってるらしいけど。
いやーイタタタタタタタタ。
もうね、透けて見えるの。あらすじからして作者の願望が。
「他の奴等は認めてなかったけど、実はワイってすごいヤツやったんやぞ」みたいな。
そんな欲望願望丸出しの作品なんて読む気も起きない。せめてもう少し隠せ。
そしてなにが怖いって、そんなのがどんどんアニメ化したり、ランキング上位にあることなんですが、まぁそれは今回は置いといて。
まぁこんな感じの、平凡ななろうアンチである僕は、『最近のなろう小説wwwww』的ななろうアンチスレを見ることも多いのですが、たまにそのスレのコメントで、
「それを言えば、北斗の拳とかワンパンマンだってなろう系みたいなモンじゃねぇか」
というのを見ることがあります。
正直僕は、「それは違うだろ」と思ったのですが、咄嗟に説明することは出来なかったので、こうしてゆっくり考えてみたいと思います。
北斗の拳やワンパンマンと、なろう系の違いを。
まず「北斗の拳」と言うのは、言わずと知れた世紀末救世主の話です。町にはびこるヒャッハーなモヒカンたちを北斗神拳でぶち殺しつつ、弱きモノを助け、皆に救世主として認められていく……。
確かにこうやって書くと、The・なろう系のような内容ですね。
ですが僕は、「ケンシシウ」に対しては不快に思ったことは全くありません。
それは何故か。
まずケンシロウって、強さに説得力があるんですよね。
幼少の頃から師匠に拾われて、戦い方や技など(もちろん常識も)を叩き込まれてきました。
これなら「神様に力もらいました」よりもよっぽど現実的だし、好感ももてます。
いやしかしちょっと待て。
それならどこぞの孫だって、同じような流れでチートみたいな能力を得ているではないか。それじゃあこの二人は同じじゃないか。
……しかし僕は、あの孫の強さには全く説得力を覚えないんですよね。無双したい人が取って付けた設定にしか思えない。
で、なろう系主人公とケンシロウの差はなんなんだろう~、と思って考えた結果、それは「キャラの魅力」にあるんじゃないかな、と思いました。
例えばケンシロウと言えば? と聞かれればどんなものが浮かびますか?
優しいだの、ドSだの、今日を生きる資格はねぇだの、あと三秒だの、絶対に諦めない……などというように、様々なものが出てきます。
対して孫。
また俺なんかやっちゃいました?とか、クソ強いだとか、鈍感だとか、やさしいとか……あ、あとなろう系にしては珍しく一途だとか……。
ただまぁ、前から三番目あたりまではぶっちゃけ異世界主人公全てに共通してるので、除外するとして……おやおかしいな、一途な部分ぐらいしか残ってないじゃないか。
だってまぁ、異世界主人公てコピー機で印刷したみたいにみんな同じ性格だもんね。「個性」がないように僕は思うんだよね。
俗にいう「キャラが立ってない」んだよね。
そんな似たようなのがゴロゴロいるような主人公に、果たして好感や愛着は持てるのでしょうか?
ここがケンシロウと孫の違いなんじゃないかなと思います。
そのキャラに好感を持っているから、セリフにだって説得力があるのだと思います。
だって考えてみて下さい。
自分をよく叱るクソうるさい教師が
「俺は高校三年間必死に頑張ったんだからな!」
て言うのと、
幼馴染の男友達が
「俺、高校の時死ぬほど頑張ったからな」と言う。
どっちが説得力を覚えますか?
多分前者の教師の台詞は「うるせークソ野郎」で終わって、後者は「へーお前すげー」で終わると思います。
こういうことでしょう。
僕にとっては、前者が孫。後者がケンシロウです。
まずなろう系と北斗の拳の違いは、「主人公の魅力が桁違い」ということでしょうか。
次に違うと思うのは、「周りにいるキャラ」だと思います。
まずなろう系。
「キャー主人公すごーい!」「まさかこんな魔法を使えるとは!」「ステキ、抱いてっ!」
はい、以上です。
対してケンシロウ。
もちろんケンシロウのことを「あなたはもしや救世主……!?」と褒め称えるキャラもいますが、全ての人物に認められているわけではありません。
特にトキやジャギなんかには、
「今のお前では、ヤツ(敵)には1%の勝機もない」
「ケンシロウはまだまだひよっこだぜ!」
とか、うろ覚えですが結構酷いことを言われてたりします。
ワンパンマンなんか、一部の登場人物以外からは、自分の実力を信じてもらえず、バッシングの雨あられ状態ですからね。
この「周りのキャラの違い」は、敵キャラにもあると思います。
まずは孫。……いえ、二対一は卑怯ですし、ここは「スマホ太郎」も比較対象に入れましょうか。
この二作で、今すぐに頭に浮かぶ敵キャラって、誰かいますか?
……やばい、どっちも「その辺にいた盗賊」ぐらいしか浮かばねぇ……!
一応スマホ太郎の方では、なんか「鱗の王」だの、「アーティファクト目につけた人」とかいた気がする。名前知らんけど。
孫に至ってはボスキャラなんているの? てレベル。
一方ケンシロウとワンパンマンは、
サウザーだの、ラオウだの、深海王だの、ボロスだの……。
いやぁ出るわ出るわ。
この辺の違いは、やはり「キャラの魅力の違い」だと思います。
なんていうかさ、異世界モノの敵キャラって、本当に「倒されるためだけのキャラ」だよね。
いやまぁ、敵キャラである以上、倒されるためのキャラなんだけど、例えば
ゼットンみたいに「一度ウルトラマンを一方的に倒した」とか、
ドラクエの竜王みたいに「世界の半分を主人公にやった」とか
印象に残る行動というのを一切やってないよね。
ただポッと出て、ポッと主人公と戦って、んで死ぬ。
はい終了。
ただ倒すためだけにいるんだから、そいつの理念とか一切掘り下げられてなくて、より一層薄っぺらく感じる。
だから『保育園児相手に戦車で突っ込んでる』とか言われるんだよ。
個人的に「倒されるためだけにいるキャラ」で真っ先に浮かぶのは、北斗の拳の「ユダ」なんですよね。
コイツはレイの余命が僅かになってから急に出てきた印象だし、「最後にレイにかっこよく散らせてやろう」みたいな気持ちで出したキャラだと(僕は)思います。
それでも、ユダに関しては十分に印象に残る要素があったよね。
強烈なナルシストキャラとか、レイとのバトルとか、レイの技への嫉妬と羨望とか……。
このように、主人公も敵キャラも、なろう系と北斗の拳とかじゃ、魅力が段違いなんですよね。
なろう系って、キャラが薄っぺらいんだよな。
少し厨二臭く言うなら、魂がこもってないと思います。
だから、野望も、行動も、善意も、怒りも、何もかもが薄っぺらい。
ワンパンマンではものすごく有名な、無免ライダーの「勝てる勝てないじゃなくここで俺はお前に立ち向かわなくちゃいけないんだ!」という台詞。
こんな台詞がなろう系にありますか?
キャラの信念や魂が表れている台詞はありますか?
ケンシロウの「お前らに今日を生きる資格はねぇ!」のような、心からの怒りを表している台詞がありますか?
これらがなろう系と北斗の拳やワンパンマンとの、決定的な違いだと思います。
以上です。
「いや、その理屈はおかしい」とか、「違うよ!孫はもっと◯◯だよ!」という意見がありましたら、遠慮なく言ってください。