白雪姫の罪
冬童話2018用。期間内に書き終われるといいのだけれど・・・。きっと無理な気がする。
『猟師の助けで王妃から逃れ、7人の小人と暮らしはじめた白雪姫のもとに魔女に化けた王妃がやってきて、毒のはいったりんごを差し出しました。
おいしいりんごをあげよう。
魔女からそれを受け取った白雪姫は、けれどそのりんごを渋い顔でみつめるだけで、いっこうに口にしようとはしません。
なんせこの白雪姫は、りんごが世界中のなによりも一等きらいなのですから。
もしも白雪姫がりんご嫌いだったら
「りんごを食べるくらいなら、いっそ死んでしまったほうがいいわ」』
だけどこんな言葉を口にすることは出来ません。それとなく断ろうとする白雪姫でしたが・・・。
白雪姫はリンゴを片手に言いました。
「このリンゴはとても美味しそうだけど、お金がないから遠慮するわ」
この言葉に、魔女に化けた王妃は言いました。
「いえいえ。お金は必要ありません。今回はサービスです」
白雪姫は困ってしまいました。どうすれば早く帰ってくれるのかしら。とても嫌いなこのリンゴは要らないのに。
「今はお腹がいっぱいなの。だから今はこの美味しそうなリンゴは食べられないわ」
「いえいえ。今ではなくても、お腹がすいたときに食べてくださいな。ね、もらってください」
リンゴを貰わないと魔女が帰ってくれそうになかったので、白雪姫は仕方なくリンゴをもらいました。
「ありがとう。美味しいから絶対に食べるのよ」
そう言うと、魔女に化けた王妃は、嬉しそうに帰っていきました。
「このリンゴ、どうしようかしら。捨ててしまうのも勿体ないし・・・。あっ、7つに切って小人さんたちにあげましょう。きっと喜んでくれるわ」
しばらくすると、小人たちが帰ってきました。
「おかえりなさい。今日はいつものお礼に、小人さんたちにプレゼントがあるの」
そう言うと、白雪姫は7つに切ったリンゴを、7つの皿の上に載せて、7人の小人たちの前に置きました。
小人たちはとても喜んで、なぜ白雪姫がリンゴを持っていたのかを考えることもなく、7人皆リンゴにかぶりつきました。すると、7人の小人たちは、バタリと倒れ、そのまま息絶えてしまいました。
白雪姫は何が起こったのか分からずに、呆然と立ち尽くしていましたが、ハッと我に返り、助けを呼ぼうと扉に向かいました。しかしある考えがふと頭をよぎりました。自分が殺人者として捕まってしまうのではないかしら。助けを呼んだら捕まって処刑されてしまうのではないかしら。そう思うと怖くて怖くて白雪姫は泣き出しました。
そして小人たちのほうを振り返り、これを隠さなきゃと思い、近づきました。けれど今まで世話になった小人たちを土のなかに埋めてしまうのは、白雪姫には出来ませんでした。だから白雪姫は7人の小人たちを、7つのベッドに寝かせると、小人たちの家を出て、走って逃げました。
「白雪姫はリンゴを食べたかしら。いやきっと食べているはずだわ。今は私が一番美しいに違いないわ」
帰ってきた王妃は、夕食を食べ終わるとこう言って、鏡の前にいくと尋ねました。
「鏡よ、鏡。この国中で一番美しいのはだれか教えておくれ」
鏡は答えました。
「女王さま、あなたはとても美しい。けれども、小人たちと一緒に住んでいる白雪姫は、その何倍も美しい」
これを聞いた王妃は、体中の血が蒸発するかのように熱くなっていくのを感じました。
「まだ食べていないのか。今度こそ確実に殺してやる」そういって、王妃はすぐ小人たちの家に向かいました。
コンコン。王妃が何度もノックをしても反応がありません。ついにしびれをきらした王妃は、扉をあけました。
「あら、鍵がかかっていないわ」
王妃は不思議に思いながら、小人たちの家に入っていきます。小人たちの家はとても静かで誰もいないようでした。
「可笑しい。誰もいないのかしら・・・。もしかして逃げたのか」
王妃は頭に血が上るのを感じながら白雪姫を探しました。そして7つのベッドがある部屋にたどりつきました。ベッドには小人たちが寝ていました。王妃が触ってみると雪のように冷たかったのでした。
王妃はハッと気が付きました。白雪姫がリンゴを小人たちに振る舞い、そして小人たちが死んでしまったことに。王妃は自分のしようとしていたことを棚に上げて言いました。
「白雪姫はなんて罪深いことをしたのかしら。あんなに優しい7人の小人たちを殺してしまうなんて。いくら姫でも殺人なんて許されない。捕まえて処刑してしまいましょう」
王妃はお城に帰るとすぐに白雪姫のしたこと国民に知らせました。そして白雪姫を指名手配にして、捕まえたものには高額の懸賞金が与えることを約束しました。




