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トイレット・ヘル  作者: 橘 雅
6/9

ハゲと狼と小便少女

カナは死活問題に襲われていた。


いつも使う香水。値段はお手頃で安いのだが。1日に2〜3本と使ってしまうため。新米冒険者のカナには痛すぎる出費になるのだ。


「あーどうしよゲンキくーん。私、死んじゃう」


香水を使いながらだだをこねる


「あーもうとりあえず落ち着けや。んなことじゃ死なんからさあ。ちょっとカナちゃんのギルドパッドみせてくれるか?」


「見せたら香水奢ってくれる?」


上目遣いで見つめてくる。


「あーもしかしたら香水買わなくても済むかもしんないの」


タジタジになりながら答える。


「ほんとに?どうしたらいいの?」


「もう何度か依頼をこなしたんだから。レベルも上がってスキルポイントも貯まってるだろ?魔法遣いはレベル5で僧侶まではいかないが、ある程度の回復呪文と状態異常回復呪文(香水と同じ効果)を覚えることができるんだ。」


「えっやったぁ!はい覚えましょう覚えましょう!」


ギルドパッドを取り出し、いじりはじめる。


《回復魔法セリル、クリアを習得しました》


「よしよし。覚えれたよ。ありがとうゲンキくん」


「あーいえいえよかったな。ん?なんだこれ」


ゲンキはカナのギルドパッドに目をやる。

スキル

基本呪文

回復呪文

スメラー

スカンク


「あぁ!?なんだそのスキル。スメラーとスカンクなんてスキル聞いたことないぞ。」


カナは慌てたようにパッドを隠す。


「ちょっ、見ないでよ。気にしてるんだから。」


「気にしてるってすごいじゃないか?ユニークスキルだと思うぞそれ」


「知ってるよ〜。でも、お下品だから絶対使いたくないの。私は普通の魔法使いなの!」


「そっかぁ。残念だなぁ〜。俺は下品とか気にしないよ。強いかもしんないしさぁ。」


「私は気にするの!もう忘れてよ!」


どうやら逆鱗に触れたようだ。本気で怒ってる。


「悪かったよカナちゃん。もう言わねえから」


ならよし。と言ってパッドをしまう。


「で、今日はどうするの?」


「今日は、仲間を募集でもしようかと思ってる」


「おお、いいねぇ!集まりそうなの?」


「安心しろ。こんな感じで書いておいた」


魔王討伐を目指してる。腕に自信のあるやつ募集!

二刀流使いと臭くて泣虫な魔法使いが待っているぞ!


「こんなの来るわけないじゃん。酷すぎるよ。書き換えてきてよ。うぅっ…」


「あーわあったよ。書き換えてくるよ。ごめんごめん」


ゲンキが席を立とうとすると。


「募集を見て来たんだが、君たちであってるかい?」


後ろから渋い男の声が聞こえる。


振り向くと、そこにはたくましい体つきの男が立っていた。

歳の頃は20代後半ぐらいだろうか、スキンヘッドでタンクトップ。ゴリゴリに鍛えぬかれた体。腰には大きなハンマーをぶら下げている。厳つく強面な顔と思いきや、優しそうな笑顔をしている。


「わしの名はガイル。普段は修行をして体を鍛えている。職業は船乗り。魔王討伐を目指していると聞き力になりたいと思ったので声をかけさせてもらった。ん?なんだこの匂いは臭いな。臭い魔法使いとかもしかして君のことか?」


聞かれた本人は顔を赤らめて恥ずかしそうにしている


「はい、私です。カナといいます。そんな直球で聞かないでください。」


すかさず状態異常回復クリアを唱える


「俺は、ゲンキ。二刀流使いの戦士だ。よろしく頼む。カナちゃんはそのことをものすごく気にしてて、デリケートだからあまり言わないでやってくれ。」


「ガッハッハッ。いやあ、それは申し訳ない。こちらこそよろしく頼む」


2人はガッチリと握手を交わす。


「では、早速だが。どれほどの力の持ち主か確かめたいのでクエストに行ってみるか」


「ああ、よろしく頼む。」


「ヘドロルドとグンガル以外でよろしくね。」


ヘドロルドには押し潰されそうになり、グンガルにはロープに噛みつかれと、トラウマになっているのである。


「ああ、わかってるって。はやく克服してほしいけどな」


3人はクエストボードにつくと、依頼書を選びはじめる。ゲンキは何故かニヤニヤして依頼書をみている。


目当ての依頼書が見つかったのか、依頼書を剥がしクエストカウンターに持っていく。契約を済ませ。


「じゃあ、行きましょうかね。お二人さん」


出発前のゲンキはニヤッと笑っておりその笑顔は不気味だった。


場所は前にも来た町を出てすぐの草原。

今回もどうやらここでの依頼らしい。


「えっ、ちょっと嘘でしょ!?聞いてないよ。ゲンキくんのバカ。私、人間不信になっちゃうよ」


「グゥオオオオオオオ」


草原の近くの森から奴らは姿を現した。

そう、グンガルである。


「まあ、頑張って克服しようぜ。俺もついてるし、カナちゃんにはあの匂いがあるから大丈夫だって。」


ニヤついた悪そうな笑みを見せる。


「匂いって…さっきクリア唱えたばかりだから時間かかるし。あーもうやだ無理だ無理だ無理い。」


そんな言い合いをしていると、スキンヘッドおじさんが飛び出している。


「おーすごいやる気だなこりゃあ楽しみだ」


なぜかグンガル達の前に着くと、おじさんは座った。


「あぁ〜。グンガルちゃん可愛いよ〜。愛らしいなぁ君たちは〜。」


男はグンガル達の頭を撫でたり、体を触ったりし始める。

グンガル達は男に噛みついたりと攻撃を繰り返しているが、それにはお構いなしだ。


「わああああああああああああ!何してんだおまえはああああああああああ!」


ガイルは笑顔で振り向いた。もう血だらけである。


「私は獣や動物をこよなく愛している。攻撃などできるわけがない。こんなに愛らしいんだぞ?」


血だらけで言われても説得力が皆無だ。


「じゃあ、私も頑張って克服してみようかなぁ。仲良くするのも確かに大事なことだよね。」


カナが走ってグンガル達の元に向かう。


「あーもう無茶苦茶だああ。克服の仕方も違ああああう!俺は前回なんもできなかったから、リベンジを踏まえて来てたのにー。なんだよこの様は。まともな奴がいねえよー。」


俺がしっかりしなければと、魔王討伐を改めて志すゲンキであった。


※主人公はカナです。




「うわっ、くっさ。もうそんな時間たったかよ。いや、いつもより早いだろ」


カナがグンガルを撫でようと躊躇していると。時は来た!


グンガル達が一斉に崩れ落ちる。


「またかよおおおおおおおお」


「うわっ、なんだこの匂いは?グンガルちゃん達が倒れ始めたじゃないか?一匹連れて帰ろう。」


血だらけのハゲが一匹のグンガルを抱える。


「またやっちゃった。てか、いつもより早いような。」


カナがバブルを唱えると、痙攣しているグンガルが気絶した。


ゲンキがカナ達のもとにつくともう片付いていた。


「カナちゃん。いまレベルどのくらい?」


「いまは、7だけど?なんかあるの?」


あっ…

ゲンキは思った。多分推測でしかないけど、この子の匂い威力はレベルが上がる度に強くなっているんだと。いいことなのか悪いことなのか。


「多分、カナちゃんがレベル上がる度に匂いも強くなってるみたいだ。このままだと、呪文も意味を成さなくなるかもしれない……」


「ええええええええええええええええええええ!?」


「まあ、とりあえず状態異常回復クリア唱えたとけよ。今はどうしようもないから。俺もなんとか出来るよう考えてみるから」


「ウ、ウン。ソウダネ。イマハショウガナイヨネハハハ」


相当ショックなのか棒読みになってしまっている。

とりあえず状態異常回復クリア唱えてなんとか落ちついたみたいだが。


「ガッハッハ。そこまで強烈じゃと、逆にかっこいいわ。少しからかいで付いてきたが、気に入ったわい魔王討伐の仲間に入れてくれい!よろしく頼むわい」


血だらけのハゲが笑いながら間に入ってくる。


「「誰が入れるかあああああああ」」


こうしてハゲ1人と狼一匹?が仲間に加わった。


元が臭いんだから臭くなくなる方法なんてないです。


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