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トイレット・ヘル  作者: 橘 雅
5/9

初クエストへ ピンクの布と微かな手応え

ギルドに着くと2人はお互いの死因について話していた


「ギャッハハハ。トイレで死んだって。なるほどな」


「もうそんなに笑わなくていいじゃない。ゲンキくんだって、トラックに轢かれたくせに。ベタじゃんか。」




カナは怒って席を離れると、香水をつけ直し、クエストボードに近づく


「うーんどれもこれも厳しそうなのが多いなぁ」


大型モンスターの討伐系の依頼が多い。この時期は大型モンスターがよく繁殖していて、小型のモンスターなどは隠れてしまうために依頼が少ないのだ。

魔王軍の侵略も関係してるのだとか。なんとか。


一番ランクの低いものでも、先程カナがやられそうになった。ヘドロルの強化版ヘドロルドや、ゴリラ型のモンスター、弱いとはいえドラゴン系のクエストもある。


「これは、トラウマになってるからしばらく無理だなぁ。」


ヘドロルドの依頼書に目を通しながらぼやく。


はぁ。と溜め息をつき諦めているとクエストボードの端に貼ってあるチラシに気づく。


《バイト募集中》


「これだあああ!」


カナは叫んで、座って飲み物を飲んでいるゲンキの元に向かう。


カナの声に吹き出しそうになる


「びっくりして、飲み物出そうになるだろ。で、なんだ?」


「あーごめんね。これ見て見て」


笑顔でチラシを見せてくる



「あー何々バイト?いいんじゃないか。俺も金ないし。大型モンスターばっかりだと流石にまだ怖いだろうし。やってみっか。」


て、ことで楽しい楽しいバイト生活のはじまりはじまり。


仕事内容は露店の手伝い、広場の見回り、掃除。町に迷い込んだモンスターの駆除。まあ、何でも屋ってやつだね。



バイトをはじめて一月が過ぎようとしていた。


ギルドでいつものように飲み食いする2人


「さーて。バイトをはじめて部屋を借りて、装備も整ってきたしそろそろ活動開始といこうぜ。」


「そうだけど、まだ怖いんだよね。バイトは安定してるしまだ続けない?なにかと楽しいしさ。」


「はあ!何言ってんだよ。そんなことだとカナちゃんずっと弱いままだよ。俺らの目標は魔王討伐はやく行くよ」


カナの腕を無理やり引っ張り、クエストボードの前に連れて行く。


「ちょっとおお。女の子はデリケートなんだから。無理やり引っ張ったりしたらだめだよ」


「んなもん関係ないよ。やる気ださないお前がわるい」


ちぇっと舌打ちを軽くしてカナは黙り込んだ。


クエストボードの前に着く。


一月前とあまり変わっていなかったが、小型モンスターや採取クエストなども少しだけ増えている。


まだ大型の繁殖期のため。小型とはいえ凶悪なモンスターが多い。


「まあ、仕方ないな。これにしよう」


ゲンキはクエストボードに貼ってある依頼書を取り、クエストカウンターに向かう。


「で、何を受けるの〜」


拗ねた顔の人が聞いてくる


「ああ。グンガル3匹の討伐だよ」


「ヘドロルドじゃないなら。なんでもいいよ。行こ」


クエストカウンターで報告を済ませ、現場に向かう。



町を出てすぐの草原に奴らはいた。


グンガル 狼型モンスター。群れで活動する。素早い動きで翻弄し、攻撃する。


「グゥオオオオオオオ」


グンガル達はカナに気づき雄叫びをあげる。


カナは杖を構え、距離をとる。ゲンキも二つの剣を抜き構える。


カナはいつもと同じように、シャワーで威力をあげバブルを放つ。


しかし、難なくグンガル達はそれをかわす。


グンガル達は素早く移動し、カナの周りを囲む。


「きゃー、どうしよ。バブル、フレイム、スパーク」


様々な属性の初級魔法をとりあえず放つ。混乱しながら唱えたため。狙いが定まらず当たるはずがなく、かわされる。


グンガル達は距離を詰めカナに襲いかかる


「カナちゃん!」


ゲンキは助けに向かおうとするが、思わず顔を隠す。


「ちょっちょっとやめてよ。クリーニングに出したばかりなのにぃ。離して」


グンガル達はカナのローブに噛みつき引っ張る。


「ピ、ピンク……」


グンガル達はローブを引っ張っているから、チラチラとピンクの布でできたものが見えてしまい、近づくことを躊躇う。


「ゲ、ゲンキくん?ちょっと何見てるんですかぁ!助けてください」


仕方なくカナを助けに行こうとすると、グンガル達が急に痙攣し崩れ落ちる。


不思議に思い近づいてみると


「えっ?あ、カナちゃん臭い。香水の効き目きれてるよ」


カナの常時発動されている特殊能力ピー スメル。香水の効き目がきれたことにより、匂いが急に強くなったのだ。グンガル達はカナのローブに噛みついていたのだ。たまったものじゃないだろう。


「自分が嫌だと思っていた匂いに助けられたみたい。なんかものすごく変な感じだよ。」


怪訝な顔をしながらも、カナはこれからもこの匂いと付き合っていけそうだと、微かに手応え感じた。


「カナちゃん止めさしとかないと。後、なんかよかったね。」


「あ、うん。嬉しいようで悲しいような。よかったのかなぁ」


カナはバブルを唱えた。


グンガル達の痙攣は止まり動かなくなる。


「香水つけときなよ。俺は気にしないけどさ。」


「はいはい。どうも、むっつりスケベさん。お気遣いありがとう。後、今回は報酬全額私のだからね。」


ニコリとカナが怖い笑顔を見せる


「えぇ!なんでだよ。確かに何もできなかったけどさむっつりスケベとかやめてくれよ」


カナも正直自分の体臭で相手が勝手に自滅しただけで、何もできてはいない。


「ほんと、強くならなきゃいけないなぁ」


改めてそう実感した。


「え、なに?」


「私のパンツ見物代は高いんですよ。男の人に見られたことなかったんだから。」


「だって、しょーがないだろ。見えてしまったんだから。まあ、ほんとごめん。」


顔を真っ赤にして困っている


「もう、冗談だよ。冗談。今回はよかったけど、前に言った通りこれからは守ってね。期待してるから」


こうして、初クエストが終わった


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