風の透明さ
少しだけ開いた 窓の隙間
小さな隙間
その隙間をくぐるように、遠くの空から
透明な風が、吹きつけてくる
手をなで、腕をなで、頬をなでる
迷いもなくまっすぐで、透明な風
その透明さの向こうに、鳥の鳴き声――
ふと風が止んだ
目を細める
木々のざわめきが消えていく
何も動いていないかのように感じて
時が止まったかのように錯覚したくなる
唐突に訪れた、静かな無色の時間
それは、窓のように硬い透明さ――
しばらくして
思い出したかのように
それが自然な姿であるかのように
また風が
透明な風が
小さく開いた窓の隙間から、吹きつけてくる
指の隙間から溢れる水のように、最初は穏やかに
ホースから押し出される水のように、次第に勢いを増して
形なく透明な風は
手をなで、腕をなで、頬をなでる
その心地よさに目をつむる
目を閉じても見える、その気ままな透明さ――
拙い詩をお読みいただきありがとうございます。
批評批判大歓迎です。もっと私自身の思い描く世界を表現したいので、感想酷評、友人への紹介も期待しています。
長編を幾つか書いていますが、まだ修正中ですのでいずれも先は長そうです。
少なくとも月に一度は、短編や童話や詩を載せるつもりなので、気が向いたらお読みください。
自分自身で満足が出来次第、長編も投稿させていただきます。