表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/11

第4話:大地の恵みと、モフモフ大行進!アレルギーも吹っ飛ぶ友達の輪!

 レイが図書室でセイリオスから賢者の知識を学ぶ一方で、ログハウスの広大な庭には、新たな変化が訪れ始めていた。ある日の午後、レイは庭の片隅で、小さな家庭菜園を作ることにしたのだ。前世で料理をすることが好きだった記憶が蘇り、自分で育てた新鮮な野菜を食べてみたいという欲求が募っていたらしい。まさに食いしん坊の魂が呼び覚まされた瞬間だった。

「ええと、まずは土を耕して……」

 レイは小さなシャベルを手に、柔らかい土を掘り返し始めた。しかし、4歳の可愛らしい体では、土を耕す作業は想像以上に重労働だった。額に汗がにじみ、息が上がる。まるで、「ちっちゃな重機、ここに投入!」とでも叫びたくなるほどだった。

 その時、ふわりと柔らかな風が吹き、レイの目の前に、一匹のモフモフとした生き物が姿を現した。それは、まるで羊とウサギを合わせたような不思議な姿をしていた。真っ白でふわふわの毛並みに、長い耳がぴょこんと立っている。大きな瞳は優しく、レイをじっと見つめている。その可愛さは、まさに「モフモフ界の天使」と呼ぶにふさわしかった。

「君は……?」

 レイが問いかけると、モフモフは人懐っこくレイの足元に擦り寄ってきた。その体からは、清らかで温かい大地の魔力が感じられる。レイの〈大地の祝福〉が、この生き物が大地と深く繋がっていることを教えてくれたのだ。「これは、きっと良い子だ!」レイはそう確信した。

「ぴ、ぴぃ……」

 モフモフは小さな声で鳴き、レイのシャベルを鼻先でつついてみせた。まるで、手伝ってくれるとでも言いたげな仕草だ。「僕にもやらせてくれ!」 そんな声が聞こえてくるようだった。

「手伝ってくれるの?」

 レイが尋ねると、モフモフは嬉しそうに頷いた。そして、レイが耕した土の畝に、ゆっくりと身を横たえた。すると、驚くべきことが起こった。モフモフの体から、温かい光が放たれ、それが土へと染み込んでいく。土は瞬く間に、より柔らかく、そして栄養豊かなものへと変化していったのだ。まるで、「モフモフ魔法で土壌改良!」とでも名付けられそうだった。

「すごい! 君、大地を豊かにする力があるんだね!」

 レイが興奮して言うと、モフモフは得意げに胸を張った。レイは、このモフモフが大地の力を宿す魔獣であり、自身の大地の祝福と共鳴していることに気づいた。

「君の名前は?」

 モフモフは、レイの問いに首を傾げた。どうやら、まだ名前がないらしい。「おや、うっかり忘れちゃったかな?」 レイはそんな風に思った。

「それじゃあ、君には『ふわふわ』って名前はどうかな? その毛並みみたいに」

 レイの提案に、モフモフは嬉しそうに「ぴぃ!」と鳴き、レイの腕に顔を埋めてきた。その柔らかい感触に、レイは心から癒された。まさに、モフモフ天国だった。

 ふわふわは、その日からレイの菜園作りを手伝うようになった。レイが種を蒔けば、ふわふわが大地に力を送り、あっという間に芽が出て、すくすくと育っていく。植物の成長が喜びで、前世の花粉症が嘘のように、レイは土と植物に触れることが楽しくて仕方がなかった。


 ▪️モフモフ友達大集合!そしてレイの新たな野望!

 ある日、レイが庭の隅で、ミリアが採ってきた薬草の苗を植えていると、シャドウが静かに現れた。彼はふわふわの隣にちょこんと座り込み、その優雅な尾をゆっくりと揺らしている。ミルもどこからともなく飛んできて、ふわふわの背中にぴたりと張り付いた。まるで、「僕も仲間に入れて!」と言わんばかりだった。

「みんな、僕の友達だね」

 レイがにこやかに言うと、シャドウは「にゃあ」と小さく鳴き、ミルは「ぴぴぃ!」と元気に返事をした。ふわふわも、レイの足に擦り寄ってくる。その光景は、まさに「レイくんと愉快なモフモフ仲間たち」といった感じだった。

 レイは、自分を取り囲むモフモフの友達たちを見て、胸がいっぱいになった。前世では動物アレルギーで触れることすらできなかったのに、今はこんなにも温かい存在がそばにいる。この異世界で、豊かな自然とモフモフに囲まれてのんびり暮らしたいという、前世からの願いが、少しずつ叶えられているような気がしたのだ。

 シャドウは気まぐれに見えるが、レイが危ない目に遭いそうになると、すっと影から現れて守ってくれる。まるで、「おっと、そこまでだ」とでも言いたげだった。ミルは元気いっぱいで、レイの周りを飛び回ってくれるが、ドジなところがまた可愛い。そして、新しく加わったふわふわは、レイの植物育成を手伝い、優しく寄り添ってくれる。

 それぞれの個性を持った魔獣たちとの交流は、レイの毎日を彩り、彼らの存在がレイにとって、かけがえのないものになっていた。しかし、まだ彼らとは「友達」という関係だった。いつか、彼らと〈契約の王印〉を交わし、より深い絆で結ばれたい。レイはそう願いながら、ふわふわの柔らかな毛を優しく撫でたのだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ